2019年5月30日木曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG 初期キャラクター向けオリジナルシナリオ

久しぶりに思いつきでシナリオを公開
元々、とあるCRPGのあるイベントを元にD&D3.5時代にコンベンション用に作ったシナリオをさらにゴブリンスレイヤーTRPG用に調整してます。元とはかなり別物になってます。

バランスに関しては一切責任とれませんのでご了解ください。
疑問点があればお答えします。

GM側の処理はそこそこ大変なので、GMとしては中級者向けになっております。


「古い墓場」

▼概要
 村から少し離れた今では使われなくなった海岸沿いの古い墓場で骸骨が動き出したという話を村人から聞いた村長が冒険者一党に、墓場の掃除を依頼しました。
 しかし、ただ骸骨を退治すれば解決する問題ではなかったのです。


この冒険の初期因果点:3

このシナリオはPLが3~6人の初期作成したキャラクターでプレイする事を想定しています。

NPCの名前(自由に変更して構いません)

村長:ジーガン
村長の娘:エレナ
釣り人:ウォルク
奴隷商人の女:ベラ


▼導入
 君達はまだ一党を組んで間もない駆け出しの冒険者です。
そろそろ生活費も足りなくなってきた君達が冒険者ギルドへ行って仕事の掲示板に張り出されているのは、グリフォン退治だの行方不明になった少女たちの捜索だの君たちの実力では受けられないような依頼ばかりです。



 「何か仕事でも探してますか?」


 受付の女の子が掲示板を見ていた君たちに声をかけると、こう話を切り出してきます。


 「ちょうど白磁等級の方でも受けられる依頼がひとつだけ来てますよ。いかがでしょうか?」

 依頼の内容はこうです。

・ 場所
北の海岸沿いの村 
・ 依頼人
村長
・ 依頼内容
村の近くにある墓地の掃除(骸骨の退治)
・ 報酬
1人当たり銀貨10枚


 詳しい内容は村長さんから聞いて欲しいとのこと。

▼シナリオの本編

1. 村までの道のり
 村まではこの街から6時間ほど歩けば辿りつけます。
 ただ、村に向かう途中昼ごろから天気が急変して大雨に見舞われてしまいます。
生存術知識判定(知力集中+野伏レベル+【生存術】の判定ボーナス)で目標値12に成功すれば、天候の急変に気づいて安全に雨宿りをすることができる場所を見つけることができます。しかし、雨が上がるまで雨宿りしていると日が沈むまで雨が降り続いてしまうため、途中で野営しなければならなくなります。

 薄暗くなる頃には雨も上がり、野営して明け方になるといつの間にかネズミの群れに取り囲まれていることに気がつきます。第六感判定(知力集中+冒険者レベル+【観察】によるボーナス)で目標値9に誰か1人でも成功すれば不意打ちは免れることができます。
 現れるのは巨大鼠がPCの人数+1体です。2d6×3m離れた場所に出現します。巨大鼠は半分以下の数になった時点でモラル判定をするようになります。

 この戦闘での継戦カウンターや消耗を回復できるタイミングはあまりないでしょう。

 もし、雨宿りをせず、雨の中を無理矢理進むのであれば、長距離移動判定(体力持久+冒険者レベル+【長距離移動】によるボーナス)の判定をして目標値13に成功しないと、その雨の冷たさと足元の悪さから1d3点消耗してしまいます。しかし、無事明るいうちに村に辿り着きます。

 薄暗くなって雨が上がってから移動する場合は、長距離移動判定(体力持久+冒険者レベル+【長距離移動】によるボーナス)の判定をして目標値10に成功しないと足元が悪い中を移動するため1点消耗します。この場合、夜中に村にたどり着きます。

 なお、この徒歩移動は移動力15前後で計算しています。全員の移動力が30あるなら雨が降り出す昼頃には難なく到着します。最も足の遅い人が10より遅ければ、馬や馬車などを使わない限り1日でたどり着けないでしょう。

2. 北の海岸沿いの村 
 この村にたどり着くタイミングは2つあります。強行軍で雨の中を突っ切ってその日のうちにたどり着いた場合と、途中で野営して次の日の午前中に着く場合です。


 雨の中を強行してたどり着いた場合は、出発した日の夕方には到着します。雨が降るなか、村長は丁重に迎え入れてくれます。
 村長から状況を聞くなら、海へ釣りに行った村人の漁師が墓場のある洞方で声がするのでなにかなと覗いたら骸骨がいて慌てて逃げ帰ったとのことです。
 怪物知識判定(知力集中+呪文遣いレベル+【怪物知識】によるボーナス)で目標値10に成功すれば骸骨は喋らない事に気が付きます。

しかしながら、話している間、なにか村長がそわそわしている感じです。
 観察判定(知力集中+斥候or野伏レベル+【観察】によるボーナス)で12に成功すると、村長がなにか隠していることがわかります。もし、話を聞くなら、村長の娘と村娘達が昼ごろから行方が判らなくなっているとのこと。
 もしかしたら娘たちが墓場の近くに行っているかもしれないので見つけられたら1人銀貨10枚追加すると約束してくれます。さらに治癒の水薬を全員で1本譲ってくれます。
 村長の娘は活発で好奇心旺盛な子だという事です。


 次の日の午前中についた場合や村で一晩経った場合は、朝から村中が大騒ぎになっています。村長の娘と村娘らが行方不明になっているというのです。村長に墓場の掃除の依頼の話しを持ちかけると、それどころではないと血相を変えてまくし立てます。そして、君たちにも娘たちを探す手伝いをして欲しいといいます。もし、墓場掃除以外の報酬を要求するなら、銀貨5枚ずつを追加するから墓場の方を見に行って欲しいといいます。


3. 古い墓場
墓場のほうへ足跡がないかを調べる場合、観察判定(知力集中+斥候or野伏レベル+【観察】によるボーナス)で目標値15に成功すると、村長に教えてもらった墓場の方に何人かの足跡が続いていることが判ります(しかし、雨が強く降って足元の状況が悪いのでハッキリした事が判りません。)


 出発当日に墓場に向かう場合は、まだ雨が降っているので、長距離移動判定(体力持久+冒険者レベル+【長距離移動】によるボーナス)の判定をして目標値15に成功しないと、その雨の冷たさと足元の悪さからさらに1点消耗してしまいます。

 冒険に出発した翌日の場合は、雨が上がっていますが足元が悪いことが変わらないので長距離移動判定(体力持久+冒険者レベル+【長距離移動】によるボーナス)の判定をして目標値12に成功しないと、足元の悪さから1点消耗してしまいます。

 墓場は海岸沿いの崖の洞の中にあります。洞の中に入れば、何人かの足跡が奥に続いているのが判定することなくハッキリと判ります。洞窟の中は暗く暗視能力がなければ明かりが必要です。奥へ入っていくとカタカタと音がしておくから骸骨が現れます。
 骸骨はPCの人数×2体です。骸骨は半分以下の数になるとモラル判定をして失敗すると奥へ逃げていきますが、奥の墓場の向こうは崖になっており、逃げ出した骸骨は崖から落ちて砕け散ります。


 洞の途中には横穴があり、そこが墓場になっています。墓場は何者かによって荒らされた形跡があります。墓を調べる場合、観察判定(知力集中+斥候or野伏レベル+【観察】によるボーナス)で目標値12に成功すると、荒らされたのがまだ最近であることが判ります。さらに目標値15に成功すると、墓から銀貨を2d6×5枚発見します(持っていくのは不謹慎な気もしますが、村人からは所有者が判らないからと咎められません)

 洞を真っ直ぐ進むと崖があります。崖は6mほどあり、登攀判定(体力持久+戦士or武道家+【加重行動】によるボーナス)または(技量持久+野伏or斥候レベル+【体術】によるボーナス)で目標値4+各種修正に成功すれば安全に降りられます。失敗したら3×1d6ダメージを受けます(軽業で目標値9に成功すれば半減)。
 もし、この崖を十分調査するなら、観察判定(知力集中+斥候or野伏レベル+【観察】によるボーナス)で目標値10に成功すれば崖につい最近ロープを縛り付けるための楔が打たれたままになっているのが判ります。この楔を使えばロープを使って容易に降りることが出来ます。



4. 崖の下
 崖の下の展開はどのタイミングでこの洞へたどり着いたかによって変わります。

 この冒険への出発当日に来ている場合は、崖下で村長の娘と村娘達が折り重なるように気絶して倒れているところを発見します。彼女らは骸骨との戦闘、落下したケガ、疲労からかなり消耗しており、現状では自力で歩く事すらできません。
 どうやって連れて帰ろうか相談していると、奥から松明の明かりと共に、神官らしきに女性とその手下の男たちが現れます。神官は見慣れない聖印をしていますが、神学判定(知識集中+神官or竜司祭レベル+【神学】によるボーナス)か、犯罪知識判定(知力集中+斥候レベル+【犯罪知識】によるボーナス)判定で目標値13に成功すればその聖印は邪神教団の人身売買組織が使っている偽聖印であることが判ります。
「おやおや、怪我をした子がいるじゃない。その子らは私たちが治療してあげるから預けてもらえるかしら。」
 一党が彼女らを神官の女性らに委ねるなら、男たちが村長の娘らを連れて洞窟の奥の方へ去ってしまいます。どこへ行くのかと問うなら、神官の女性は「連れて帰る」とだけ言って去っていきます。当然嘘です。そのまま見逃せば彼女らは船に乗せられて奴隷として連れ去られてしまいます。
 不自然に思って問いただせば翻って襲いかかってきます。


 次の日になっている場合は、女の子の娘の靴だけがこの場に落ちています。そして、奥のほうから少女とは思えない女性の叫び声と男たちの声、そして少女たちのかすかな悲鳴が聞こえてきます。その先の洞窟は海に繋がっており、船がそこにあります。


5. 最終戦闘
 最終戦闘は女性の邪神官である奴隷商人とその手下です。


 邪神官×1、破落戸×PCの人数(+骸骨×PCの人数)
 この破落戸は粗悪な投石杖(射程30m)も使用してきます。(命中やダメージは同じ)

ただし、投石杖は近接距離にPCが1人もいない時のみ使用します。

 冒険出発当日の場合、奴隷商人とは偶然洞窟内で出会ったことになり、洞窟内での戦闘になります。
 この場合、最初のラウンドで邪神官が主行動で手を上にかざすと、手首につけた銀色の骨のデザインされた腕輪が光ります。この行動で、1ラウンド目の終わりに骸骨が2体、2ラウンド目の終わりに[PCの人数-2]体増援として現れます。
 この腕輪の能力を使わずに邪神官を倒してしまった場合、邪神官を倒したラウンドの終わりにコントロールを失った骸骨がPCの人数分現れて戦闘になります。
 この戦闘の場合、邪神官が倒されたら次の行動から破落戸は直ちに逃走を試みます。逃げ出すのを放置すれば、破落戸は船に乗って逃げ出します。


 冒険出発翌日の場合は、奴隷商人は自分たちの船に縄で縛った少女たちを連れて洞窟から船を出そうとしたところへPCら一党がたどり着いた状態になります。骸骨が最初からPCの人数分邪神官に従っています。
 また、船の中へ船の外から範囲攻撃呪文を不用意に使用するのは危険です。なぜなら船の中には術者の視界から外れたところに娘らが倒れているから巻き込まれてしまうのです。(GMの忠告を気にぜず範囲攻撃呪文を使用した場合は村長の娘や村娘は全員死亡します。)
初期地点として奴隷商人と破落戸は船の上に、骸骨は5m手前の岸にいます。
奴隷商人らは船の上に乗って海に出ようとしています。もし、PC達が船に乗り込もうとするなら、軽業判定(技量集中+武道家or野伏or斥候レベル+【体術】による判定ボーナス)で目標値12に成功しないと船に乗り込めずに近接攻撃を行なうことができません。達成値が9未満ならさらに船の手前で転倒します。
 この戦闘ではモブは統率されているかどうかに関わらず逃げ出す場所が無いので逃げません。


 途中で不用意に時間をかけ過ぎて2日以上過ぎている場合は船は無く、骸骨がPC人数体岸辺におり、近づくと襲いかかってきます。この場合は村長の娘や村娘の形跡はありません。


▼事件の真相
 奴隷商人とその手下は、この村の娘たちを連れ去る計画で、まず使われていない墓場に拠点を置きました。
 この奴隷商人が身に着けている銀色の腕輪は魔法の品物で、只人や森人などの骨を利用して骸骨を作り出して操ることができます。ただし、作り出した者が死亡すると骸骨は野生化します。また、この腕輪は一度装備すると外すことが出来ない呪われた腕輪で、装備者が死亡すると高熱を放って燃えて崩れ去ってしまいます。この燃える腕輪に触ろうとすると高熱で2d6点負傷します(装甲値無効)。

 奴隷商人は墓場から骨を盗み出して骸骨として墓場を護らせました。その骸骨を見たという村人である漁師と父親である村長の話を盗み聞きした村長の娘は、遊び仲間の村娘と度胸試しのために墓場に向かったのですが、骸骨と遭遇して奥へ逃げ込んだ結果、崖から転落して気を失ってしまいます。
 PC一党が早くここへ到着していればすぐに救助できたのですが、遅れた場合は先に奴隷商人が見つけて連れ去ってしまいまった所で、一党と遭遇する事になります。



▼シナリオの結末
 このシナリオでの依頼はあくまで墓場の骸骨退治であり、村長の娘や村娘がどうなったかは全く関係ありません。もちろん、救出に成功すれば余分の報酬を村長から戴くことができます。
 骸骨をすべて倒せば報酬銀貨10枚に加え、経験点1000点と成長点3点を獲得します。

 もし、骸骨を1体でも残して帰ってしまった場合、たとえ村長の娘を救出しても約束が果たされなかったとして冒険は失敗になります。(救出によるボーナスだけは村長から直接貰えます)
 また、村長の娘の救出に成功したのなら彼女は君たち冒険者にあこがれて冒険者になると言いだすでしょう。
 もし、救出に失敗し、連れ去られてしまったのなら、行方不明になった娘達を探して欲しいとの依頼が冒険者ギルドに出されるでしょう。犯人を知っている君たちがそれを受けるかどうかはまた別の話です。
 さらに、救出に失敗した上で死亡してしまった場合は、もっと悲しいことになると思われます。

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