2023年12月23日土曜日

下剋上球児

 伊達さゆりさんが出演するという事で観ていましたが、普通に面白く観させていただきました。ラブライブ!のファンも結構見ていたようですが、非常に親和性が高く(…というのもラブライブ!自体が弱小チームが甲子園を目指す球児と同じ展開なので)ほとんどの人が満足していたと思います。

 この作品の野球の試合をしているシーンは最初は欲しいシーンを何度も撮り直すということをしていたそうですが、結局普通に試合をしてそこにどうしても欲しいシーンの部分だけ撮影して上手く繋げるという方法を採ったそうです。なので試合が本当に野球をやっている感じなんですね。

 あとなかなかこれは良いと思ったのは、ごく短いカットで演者の表情・動作・セリフでその役の人物像の心情や性格を表現するというテクニック。その一瞬で「あぁ今この人物はこう考えているんだなぁ」とほとんどセリフもないのに判ってしまうんです。登場人物が多いのに主役回のようなものを作らず、全員に見せ場を作る凄い技術だと思います。

2023年12月2日土曜日

全員を幸福にさせる社会にはできない

 地元も老人クラブが解散して結構経ちますが、結果的に社会との接点を失ってしまった老人の方も沢山生まれてしまっているようで、老人クラブがあった時代は運営などをする雑用が大変だと愚痴を言っていたり、行事に出ていかなければいけない事が面倒がられたものの、いざ無くなってしまうと受動的な人は全く社会とのつながりを失ってしまっているのが現実です。

 もしかしたら現代社会は、自分から積極的に動く事が出来て声の大きいマイノリティの幸福を守るために、社会全体から見ればマジョリティだが声を出さない受動的な人達の幸福を奪ってしまったのかもしれないのではなか、という事が考えられます。これは例えばお見合い結婚や会社での飲み会が無くなったことによるの社会の変化でも同じような事が言えるような気がします。

 今まで能動的に動かなくても社会システムが機会を与えてくれる事によって幸せを獲得できた人たちは、社会の変化によっていつの間にか自分達の幸せを奪われたことに気が付かないままずるずると今に至っているのではないかと思うのです。