2020年10月29日木曜日

ボス瞬殺の問題点について

  ゴブリンスレイヤーTRPGの問題点として言われるのは、呪文と因果点を温存していればどんなにレベル差のあるボスを出しても一撃で落ちてしまう可能性がある事です。

 しかし、この反則的な性能はシステム的な仕様でもあり、原作の口プロレスでGMを言いくるめるイメージを切り札的なリソースの消費という形で表現しているものとも考えられます。(原作がそうだからと言って実際に口プロレスでGMを言いくるめていいわけではないですし。)

 したがって、一応ボスは正面から殴り合いになればかなり危険な敵を用意するものの、呪文や因果点を活用して瞬殺されるというのは想定の範囲内と考え、いかにその呪文や因果点を中盤で消費したくなるような誘惑をするかというのがこのシステムの肝となると思います。ここで問題になるのは、呪文や因果点を消費したくなるのが”PLへの誘惑”でなければいけない事です。特に呪文リソースの少ない低レベルでは、呪文や因果点を消費することでそのキャラクターに美味しい見せ場を作るというのが大切です。

 高レベルになって呪文が余ってくると、呪文を使わないと厳しい状況というのも用意せざるを得ないでしょうが、呪文に加え、消耗や継戦カウンターといったリソースを無理やり使わされていると感じてしまう状況はやはり楽しくないので、気持ちよくリソースを消費させる場面づくりがこのシステムの重要なポイントかと思います。


 ついでに、先日のD&D5版のボスアイデアをヒントに以前提案した痛打耐性に代わる孤高のボスの強度を上げる方法を提案してみます。

 まず、孤高のボスには前々から提案している能力を付与します。

「孤高の戦士」/支援効果を受けることができない。「群れ」の影響も受けない。

「根性」/このボスは生命力の3倍までの負傷に耐えることができる。(PLの人数によってPLが3人なら2.5倍、5人なら4倍、6人なら5倍まで耐えられるとしても良い。)

加えて、以下の能力を付与します。

「立ち直り」/負傷が生命力の倍数を超える毎に1回(例えば生命力が20なら負傷が20、40、60…を超える毎に)ボスの行動順の前に痛打・呪文・技能・アイテム・環境などによる不利な影響を全て解除する事が出来る。

 この能力を使う上で注意点は2つです。1つ目は再生能力を持っている場合、例えば生命力20で負傷が20を超えた際に1度この能力を使用した場合に、再生して負傷が20未満になっても次は負傷が40以上にならないと使用できないとすることです。2つ目は、怪物自身の特殊能力との一つとして受けるペナルティや弱点(例えばクリティカルすると触手が斬り落とされる等)はこの能力で解除されることはありません。あくまで、打ち消されるのは痛打や呪文などの外的要因の効果に限定されます。

2020年10月25日日曜日

リメイク

  最近、自分が学生だった頃のゲームのリメイクが結構ありますね。

 多分、懐古主義的に買ってくれる年代層がお金を持っているのと、前の作品が過去のものを通り過ぎて知らない世代が新規顧客になりそうだからかと思います。そういえば18禁ゲームの同級生もリメイクするらしいですね。

 当然ながらリメイクするとなると絵柄もゲームシステムも今風に変えて当然なのですが、懐古主義の人達からは当然不満も出るでしょう。ただ、その人たち向けには昔の作品がそのまま今のハードで遊べるようにしている事が多いので、リメイクは今の時代に合わせたのもを作るのが正解だと思います。

 リメイクのサイクルはゲームの場合大体25~30年くらいのような感じなので、ファッションよりはややゆっくりな気がします。


 我々の仕事の世界の園芸業界だとようやく多肉植物や盆栽に戻ってきているのですが、流行のサイクルは50年ほどと非常に周期が長いようなので商売としてはなかなか厳しいものがあります。長続きしやすい趣味程、完全に廃れるまでに時間がかかる代わりに一度どん底になると戻ってくるのも時間がかかるようです。

2020年10月20日火曜日

鬼滅の…

  娘が録画の鬼滅の刃を見ているのを朝ご飯作りながらちらっと見ていたのですが、非常に定番のシナリオ構成…特に敵に設定の仕方がTRPGでよくやる手法だなと思って、すぐそっちの方面の考え方をしてしまうなと苦笑。


 敵は敵なりの信念を持っている(しかしなにか歪んでいる)、同情はするが受け入れられない存在という敵は結構自分もシナリオで多用します。こういった敵は物語が作りやすいですし、かといって絶対にPCが倒してくれる存在です。同情して苦しみながら倒すも良し、目的のために冷酷に切り捨てるもよし、それはPLの考え方に任せます。

 同情する背景に加えて歪んだ信念を持った敵、というだけですと何とか改心させようというPLも出てきてしまうのですが、その歪んだ信念によって手を出してはいけない力を得させる(鬼や悪魔や禁忌の術法のように)と、倒さなければならない敵にすることが出来ます。

 ただ世界征服をしようとする魔王…では面白くないのですよね。ではその魔王はなぜ魔王になったのか、なぜ世界を征服しようとしているのか、そんなところを設定しておくと元々ただの強いだけの敵だった存在でも魅力あるNPCにすることができます。

2020年10月17日土曜日

市販シナリオのアイデア

  市販シナリオは売れにくいという問題は元々あるのですが、SNSなどでネタバレさせる人がでる(たとえ悪意が無くても)という問題もあります。

 ふと思ったのですが、同じ導入で別のシナリオを複数1つのシナリオ集に入れるというのはどうかなと思います。例えば殺人事件を題材にしたシナリオなら5人の容疑者に対して3本のシナリオを用意して、3人が犯人になる別の展開を書くという方法です。

 SNSは情報共有できるというのが強みですが、ネタバレも情報共有してしまうというのが問題です。複数のシナリオだと複数のパターンの情報が混じり合うので自然にミスリードされるというわけです。

2020年10月16日金曜日

凶作

  毎年のように山(といっても単なる山林ですが)へ行ったのですが、今年は山の木々が全く実がなっていません。元々実生りは年によって裏表があるので生りの悪い年はあるのですが、今年は毎年生っているほとんどの木に実がなっていないです。

 おそらく、7月に1か月ほど雨が降り続いたためにこのころに咲いた花は虫媒花も風媒花も全く実らなかったのだと思います。こんなに振り続いたことなんてないですしね。

 ニュースでも時々やっていますが、今年は間違いなく熊の被害が多いと思います。なにせ山に餌が全く無いですから。

2020年10月13日火曜日

栗三昧

 仕事関係の方の別荘にお邪魔した際にその別荘の敷地内に栗の木が植わっていたので、その栗を拾って半分いただきました。半分でもざるに山盛り一杯あったので、茹で繰りにして食べて残ったので、次の日に栗きんとんと栗御飯にして食す。

 こんなに栗を食べたの久しぶり。

 別荘なので消毒していないでしょうが、平地と違って山の方だと虫も少ないのかほとんど捨てるようなものは無かったのが不思議です。

2020年10月10日土曜日

ボスの顔見せ

  TRPGで顔見せのために出したボスが逃げられずに倒される、というのはキャンペーンをしたGMなら結構な確率でやらかす現象です。自分もGMに慣れていない時代にキャンペーンのために用意したラスボス(かそれに準ずる存在)がキャンペーンを始める前の単発シナリオで倒されるという失敗をしたことがあります。

 ボスを顔見せで登場させる方法としてはいくつか考えられます。

①影武者

②ホログラムや映像で顔見せ(本体は離れた場所にいる)

③ボス自体は出さずに側近に語らせる

④仲間のNPCや依頼者が実はボス

⑤倒されても気にしない


 ⑤はもし倒されずに逃げられたらそれをボスに、逃げ切れなかったら真のボスは別に用意するという事です。PLというのはGMの都合を破壊するのは何かと楽しいらしく(というかGMの都合なんてPLには関係ない話なので)、最初からGMの都合は破壊されるものと割り切って別のルートを考えておくというのは失敗のない方法です。特にキャンペーンであればGM自身の予定なんて考えなくていいのです。今のシナリオ終わってから次のシナリオ考えるだけなので。単発の場合はそれでは困るので、最初からルートを2つ用意しておきます。(この場合、ボスとして出す場合と途中で戦う場合で同じ敵でも2つのデータを用意したほうが良いかもしれません。)

 ちなみに④はあまり乱用するとPLたちに不信感を与えるので、単発では多用しないほうが良いです(キャンペーンだと結構使ったりしますが…)。

2020年10月9日金曜日

『Pathfinder: Kingmaker - Definitive Edition』日本語版

 https://automaton-media.com/articles/newsjp/20200925-137923/

 パスファインダーRPGを原作としたCRPGの日本語版が出るらしいですね。

 アークライトが翻訳に協力しているってことは、ほとんどの訳語はPRDJを基にしているってことになるので、自分達が翻訳していた言葉が多少なりともゲーム化に反映されるというのは何ともワクワクします。

 そういえば、もうPRDJの翻訳を始めて10年以上経つんですね…


補足:YouTubeで海外のレビュー見ていたら、クラスは基本+アルケミスト、インクィジター、キネティシスト、メイガス、スレイヤーらしいので、コアルールに加えて、ACG、APG、UM、OAのルールが部分的に採用されるみたいです。

2020年10月6日火曜日

リソース過剰の問題

  ゴブリンスレイヤーTRPGは基本的に下位の等級(しかも3~4人程度)で遊ぶ時にちょうどいいようにバランスが調整されている為、現状では成長していくとリソース(特に呪文使用回数)が過剰になってしまうという問題を抱えています。

 例えばパスファインダーRPGの場合、高レベルになると呪文の使用回数は増えますが、低位の呪文のほとんどは行動を消費して使うには弱すぎるために戦闘中に使用する呪文のリソースはその時点の最高位の呪文から3段階くらいしか考えなくて良いのが現実です(例えば6レベル呪文が使えるなら4レベル以上の呪文スロットしか考える必要がない)。ですから呪文に関してはリソースの総量は実際の呪文使用回数の割にそれほど増えません。

 ところが、ゴブリンスレイヤーTRPGの場合、すべての呪文リソースが実践で使えてしまうため高レベルになるとリソースが過剰になってしまう現象が起きます。(パスファインダーRPGでもレベルの上昇とともに効果と使用回数が強化される特殊能力ではゴブスレと同じ問題が起きます。)

 最後のボス戦で残しておく呪文の数はPCの人数×1~×2程度というのはレベルが上がってもそれほど変わらないので、それまででどれくらい消費させるのかというのが問題となってきます。プレイ時間から考えてもイベントの総量は高レベルになったからといってそれほど増やすわけにもいきませんし、休息すれば回復できてしまうのですから、現状ではイベントの密度自体を相当濃くするくらいしか手段がないと思われます。


 また、元々が3~4人パーティを想定したシステムなので、PLが6人いる場合ですとリソースも1.5倍となり、敵の総量やボスのHPを増やしておくだけでなくイベント総量も1.2~1.3倍程度には増やしておかないとリソースが過剰になってしまう可能性が高いです。特に分身を使うようになると尚更です。


 多人数高レベルシナリオはイベントの密度も濃く総量も増えて非常に重いので、時間無制限の身内プレイでもなければ現実的ではない事になります。

2020年10月2日金曜日

サプリメント

  ゴブリンスレイヤーTRPGにサプリメントが計画されている模様。原作モノは一発ネタの事が多いのでサプリメントは珍しいようです(ログホライズンなども出ていますが)。今のところ遊ぶ予定は無いものの楽しみです。

 ところで、Q&Aを更新してほしいという人がちらほらいますが、どんな疑問なのでしょうかね、少々興味があります。結構潰したつもりなのですが…(とはいえ呪文に関しては明らかな誤植以外はほぼスルーしてます)。

 じつは怪物データの方にも曖昧な記述が残っているのですが、このシステムの場合技能判定によって開示さえすればよいので怪物データはGMが自由に調整しても何も問題ない、したがって曖昧な表記はGM判断で処理すれば良いという事であまり質問していません。


2020年10月1日木曜日

SaGa関係の話

 https://www.nicovideo.jp/watch/sm37601634

 自分が好きなSaGaシリーズの制作に過去に携わっていた方とサガファンの対談です。

 ゲーム制作の内輪話ですが色々面白い話が聴けます(とはいってもサガシリーズをやりこんだ人でないと何言っているのか判らないかもしれませんが)。

 まぁ…この方も河津さんや生田さん同様にTRPGをするアナログゲーマーなので価値観が近いというのがサガシリーズが自分が共感しやすい所なのかもしれません。

 TRPGのボス(特にキャンペーンものの)の出し方などもここで出てくる話と考え方は同じだったりするので、参考になると思います。