2017年10月28日土曜日

Pathfinderゲームマスターガイド4 -シナリオ1-

4-1.導入
 コンベンションでは時間短縮ができるところは、できるだけ時間を節約する必要があります。ですから、まずPCは最初からパーティを組んでいる状態からスタートするのが無難です。少なくともこのゲームではPC全員でパーティを組んで遊ぶので、最初から組んでいても問題ないでしょう。
 まずは、シナリオの導入法です。導入法は基本的に「依頼」「自発的」「巻き込まれ」の3種でしょう。 この3種の複合的な導入も可能ですが、導入そのものに時間が必要になるのでコンベンションではシンプルな導入で良いと思います。

a.依頼
 典型的なお使いシナリオです。○○を取って来てくれ、○○を退治して欲しい、○○を助けてほしい、護衛してほしい、輸送してほしいといった便利屋仕事です。
 RPGはお使いばかりだと言われたりすることもありますが、冒険者にとって依頼を受けることで報酬を得るというのは少額ですが確実に利益を稼げる手段なので、仕事の中で一番多くて当然でしょう。とはいうものの、依頼主は貴族や王族といった資産家か神殿や魔術師ギルド、元冒険者などでもなければ依頼料は冒険者からすると仕事の割に合わないことになります。一般人の生活費から考えると冒険者の散財ぶりは桁違いであり、金銭感覚が一般人とはまるで違うからです。一般市民から冒険者の価値観で依頼料を取ろうとするのは無理な話であり、慈善活動と割り切るか、こづかい稼ぎ程度だとおもうか、他の仕事のついででもなければ依頼を受ける気にならないでしょう。
 もし組織に所属しているなら組織からの依頼という形にすればいいので非常に簡単です。それでも報酬面で問題が起きる可能性はあります。
 コンベンションのシナリオでも目標がはっきりしやすく使いやすい導入です。ただし、報酬などでもめかねないので、「すでに依頼を受けており、前金を貰った状態が開始時の所持金」という事にしておくと良いです。
 コンベンションではなく、仲間内のキャンペーンの場合、PLがその依頼を拒否する可能性もあります。拒否した場合にもシナリオを進められる方法を考えておく必要があります。あるいは、他のメインのついでの仕事として依頼を受けるサブクエストとして用意するのが妥当です。

b.自発的
 財宝のありかを記した地図を手に入れたから探しに行こう、などといったキャラクターが自発的に冒険に出るという導入です。一攫千金を狙ったり好奇心旺盛な冒険者ならではの導入と言えます。
 コンベンションではPLの意思関係なく「冒険に旅立つ決意した」というところからでないとゲームが始まりません。RPGでは一般的な導入なのですが、どちらかというと日本人は自発的に動くのが得意ではないらしくこういった導入が成り立ちにくいのが難点です。
 キャンペーンでは自発的に行動してくれるPLが多いとシナリオ進行で悩む必要がなく、GMはとても助かります。

c.巻き込まれ
 トラブルに巻き込まれて否応が無しに強制的に話が進む導入です。ストーリー性が高くドラマチックな展開を演出しやすいためか、日本人好みの導入と言えます。
 しかしながら理不尽な展開になりやすいので、自由な行動を好むPLには嫌われます。
 コンベンションでの導入法としてはゲーム開始時にクエストを受けていない状態でも問答無用にシナリオを始められるため、扱いやすいと言えます。
 キャンペーンではGMの自己満足にPLが振り回されることになるため乱用は避けたい所です。話を引っ張りたいここ一番で使います。

4-2.情報取集
 戦闘が花形のゲームですが、情報収集も重要な役割を持っています。情報収集を得意とするコンセプトのキャラクターがいる場合はより重視しなければなりません
 このゲームにおいて事前の情報収集とは現在でいうなら旅行に行く前に交通機関や目的地の気候や地理情報について調べたりといった行為と同じです。現代はインターネットという非常に便利なものがありますが当然ながらPFの世界にはありませんし、そもそも人類未踏の地へ行くのであるなら現代であったとしてもネットで調べれば判るような内容ではありませんから、地道に足で稼ぐ必要があるのです。
 どれくらい情報公開をするかはGMのさじ加減ですが、目的地の場所(これ判らないと話が進みません)、気象条件や地理的条件、生息するモンスター、歴史的背景、関連する組織やNPC、関連する魔法の品や遺留物などの情報を集めることになります。
 以下の情報収取のルールは独自ルールを採用しています。自分なりのルールを考えてみても良いと思います。

4-2-1.情報収集に使用する技能
 情報収集でよく使用する技能は〈知識:各種〉〈交渉〉〈生存〉〈言語学〉などです

〈知識:各種〉
 ある特定の情報に関して自分が知識を有しているかどうかを表します。細分化されていますが使用頻度は高く、情報を集めるのに時間を必要としないため情報収集には非常に便利です。
 知識技能でも詳しく調べたいなどの場合によっては調査に利用できることにしてもよいでしょう。その場合は他の行動同様に1d4時間必要とします。

〈交渉〉
 自分が知らない情報を町の人などに話を聞いて集めるのに使用します。詳細な情報について聞き込みをするならば必須です。基本的に1d4時間の時間が必要です。

〈言語学〉
 古い文献などの書物から情報を探し出すのに使用します。ウィザードかバード以外がこの技能を高めていることは少なく、この技能によって得られる情報は他の手段でも入手できるようにしておいた方が良いでしょう。文献調査という事からすれば時間が必要であり、これも1d4時間時間を費やすことにしても良いでしょう。

〈生存〉〈知覚〉〈真意看破〉〈威圧〉〈隠密〉〈軽業〉〈変装〉など
 他人から聞くといった基本的な情報収集作業ではなく、実際に自分の足で稼いで情報を集める場合はこういった技能も必要です。場合によっては単なる情報収集の域を超え、探索活動になってしまうかもしれません。単独行動になりやすく実時間がかかりやすいため、シティアドベンチャーをメインにしていない限り、ゲーム処理上できるだけ簡素に処理した方が良いでしょう。

〈職能〉〈芸能〉〈制作〉
 これらの技能が直接的に情報収集に使えるかどうかは疑問ですが、関連知識であれば判定に使用できても良いと思います。
 また、〈芸能〉であれば、街中で歌を歌いながら人を集めて話を聞き出す、といった風に〈交渉〉の代わりに使えても良いでしょう。

4-2-2.判定への修正と出目10
 それぞれの技能には判定への修正が記述されていますが、情報を集めるのに時間を要する判定では特定の情報に絞ることでより精度の高い情報が得られるようにしても良いと思います。条件を絞り込んだ場合判定に+5のボーナスを得ます(その代わり絞り込みが的外れな場合は自動的に失敗します。)
 また、〈職能〉による判定や該当以外の〈知識〉でも多少は関わりそうだと思うなら代用判定として、-5ペナルティで判定してよいことにしてよいでしょう。これは技能が細分化されており、多くの技能に割り振ることが出来ないため、できるだけ多くのPLに判定するチャンスを与えたいためです。少々こじつけであってもPLから進言があれば寛容に認めても良いと思いますし、内容によってはペナルティなしで判定させても良いです。
 また、一般的に情報収集は危険を伴わないため出目10を積極的に活用しましょう。

4-2-3.支援
 自分が知っているかどうかの〈知識〉以外の時間を要するほとんどの判定では他のPCが支援することが出来ます。支援しているキャラクターは主となるキャラクターとともに行動していると扱います。

4-2-4.情報収集以外の行動
 他のPCが情報収集している間に買い物など他の行動を行いたい場合もあります。これらの行動を行うのにも1d4時間かかるものとします。

4-2-5.情報収集時のゲーム内時間管理
 思い出すのに使用する〈知識〉判定以外の行動は基本的に1d4時間を要します。また、1日で活動可能な時間は基本的に8時間とします。判定や行動を行う前に、その行為に要した時間を決定し、この時に残り時間が不足した場合は時間切れで行動が行えなかったものと扱います。たとえば買い物をしようとしたらお店がすでに閉まっていた、などとなるのです。
 呪文などによってPC間の通信手段がない限り、別々で行動していたキャラクター同士が合流して情報を交換するには集合地点で待機して待ち合わせる必要があります。例えば別々で行動していた2人が合流しようとする場合、1人は3時間で済んだのに、もう1人が4時間必要とした場合、3時間の人が合流地点で1時間待機しなければいけません。
 また、特定の情報に絞ることでより精度の高い情報が得られるようにしている場合、情報収集を無制限に時間を費やせることにするとあらゆる事が情報収集で判ってしまうので、情報収集に費やせる時間や日数に制限を設ける(あるいは時間を費やせば費やすほどペナルティがつく)ようにします。直接的に言わなくても、もともとクエストそのものが急がなければならない状況にしてあればPLは何日も時間を費やそうとはしないでしょう。

4-3.最初の戦闘
 ゲーム開始から全体の時間の1/4くらいまでの間(大体ゲーム開始から1~1.5時間)くらいまでにできれば1回目の戦闘が起きるようにします。導入として最初から戦闘しても良いですし、情報収集の一環でもよいですし、目的地へ行く途中や目的地の入り口でもよいでしょう。もちろん戦闘にはPC全員が参加できる状況出なければいけません。
 この戦闘はPLの熟練度やキャラクターのコンセプト・強さを調査する戦闘でもあり、比較的弱い敵多数といった戦闘が扱いやすいです。また、敵の能力も比較的オーソドックスで、どのようなキャラクターでも勝負になるような敵が無難です。
 ここで極端に苦戦するようであれば、午後からの戦闘では敵(主にお供の数)を調整する必要があるかもしれません。

大体ここまでで昼食が取れるようにします。

2017年10月22日日曜日

Pathfinderゲームマスターガイド3.5 -戦闘2-

3-3.地形効果の利用
 フロアタイルとミニチュアを使うこのゲームの戦闘は遮蔽も障害物もない平らな場所で戦闘で行うとは限りません。様々な地形効果を利用した戦闘を行うことができます。地形効果を利用した戦闘は抽象戦闘では表現できないボードゲーム的な面白さがあります。こういった地形効果は呪文などによる一時的なものを除けばGMが敢えて用意しない限りほとんど存在しません。
 多くの場合、地形効果はPCにとって不利に働くことが多いため多用すると嫌われるかもしれませんが、モンスターの脅威度はそのモンスターが力を発揮できる場所での戦闘を想定した強さで設定されているので、GMは地形効果を利用してもよいのです。
 地形効果はモンスターの能力を発揮するためだけではありません。プレイヤーキャラクターの側も単に正面から殴り合っているだけでは発揮できないような能力を引き出し、普段とは違う見せ場を作るためでもあるのです。PCの誰も有利さを感じないような地形効果ではただの嫌がらせに思われてしまいます。
 地形効果は戦闘にアクセントをつけるスパイスなので、その多くは途中のイベントでの戦闘に向きます。
 以下は典型的な地形効果を説明します。

a.遮蔽物ない平らな場所
〇:射撃、呪文、飛行移動
△:近接
 こういった場所での戦闘は意外と少ないです。ワイルダネスアドベンチャーで平らな草原を歩いているときの遭遇ぐらいしかありえません。敵と遭遇した場合での距離が非常に離れた場所になります。そもそも離れすぎていて近づかないと敵なのかどうかすら確認できない場合も多いです。多くの場合、呪文などのバフを使う時間は十分ありますが、下手に呪文などで戦闘態勢をとると、戦わなくてもよい相手を刺激する可能性もあります。明らかに敵だと認識できない限りある程度近づいてからの戦闘となります。離れた位置から戦闘が始まってしまうと隊列は崩れますし、前衛が近づく前に戦闘が終わってしまう可能性もあります。
 また、特殊な戦闘が起きる場合があります。それはドラゴンのような飛行モンスターです。移動力が高く、近接武器の届かない位置から特技などによってヒット&アウェイを繰り返したり、飛び道具などによって上空から一方的に攻撃が可能です。レベルが上昇するとこちらも飛べるようになりますが、低レベルでは前衛がダメージを与える手段が限られる上に、後衛の壁にすらなれません。後衛の防御手段の少ない低レベル帯では非常に危険な戦闘になります。

b.罠
〇:ローグ
△:近接
 戦闘エリアでの罠も立派な地形効果です。前に立つローグがいる場合それほど問題がありませんが、そういったローグがいない場合はかなり危険な存在です。
 戦闘域での罠の使用はGMも注意が必要です。まず、罠自体が脅威度を持つため、遭遇の難易度を決める際にモンスターの脅威度に加える必要があります。
 また、敵が用意する罠としては落とし穴がとても効果的なのですが、ゲームとしてはかなり問題があります。落とし穴の場合、低レベルでは戦闘中にそこから這い出ることができないため、落ちてしまったキャラクターが戦闘に再度参加することができません。各個撃破は戦術的には正しいのですがGMが用意するイベントとしてはあまり好ましくないのです。障壁も扱い方によっては同様の問題が発生します。スパイク、矢、爆発などのダメージや毒ガスなどによる能力値ダメージ、トリモチのようにその場から動けなくなるなど、それなりにペナルティはあるが行動自体を阻害しない程度の罠が良いです。
 罠を仕掛けた相手が敵なら、その敵は自分の仕掛けた罠を避けて行動するため、不自然な動きをするはずです。これは暗に罠の存在を敢えてアピールして戦う戦闘だと思えば問題ないです。

c.段差・飛び石
〇:軽戦士、射撃、呪文、飛行移動
△:重戦士
 地形効果の中では使いやすく、頻繁に出すことができます。視線や射線は通りますが、段差や穴が開いていて歩いて直線移動できないといった地形です。
 後方から射撃や呪文による援護をする敵を用意する場合、こういった敵を段差の上などに用意することで、すぐに隣接されることを防ぎます。
 ダンジョンのような狭いエリアでの戦闘の場合、軽戦士が重戦士より活躍することが難しいですが、段差や飛び越えなければいけない穴がある場合は〈軽業〉が生き、軽装の有効性がでてきます。
 段差がある場合、高い位置から低い位置への攻撃は命中に+1のボーナスがあります。ただ、足払いはできないとしても良いでしょう。段差が大きすぎる場合は平面上は隣接でも攻撃できないとすべきでしょう。ルール的な定義がありませんが、高さも5ftごとに1マスと考えてよいかと思います。

d.移動困難な地形、足場が不安定
〇:飛行移動、射撃、呪文
△:地上移動
 移動困難な地形は地形効果の中でも特に使いやすい効果です。瓦礫が崩れ落ちていたり、背の高い草が茂った場所など足場が悪かったり視線や射線は通るが移動を妨げるものがあったりする場合に用います。移動困難な地形は特技などで多少緩和できますし、追加呪文には無効化できるものがあったりと対策も立てやすいです。
 なお、同じ瓦礫などでも、小さい瓦礫の場合は移動コストが2倍になる移動困難な地形と扱いますが、大きくなると移動コスト+2扱いになる障害物に、さらに大きいと通過不可能な遮蔽物になります。
 また、足場が不安定なのは揺れるつり橋の上や滑る氷の上、荒波の中の船上といった場合の戦闘です。条件によっては〈軽業〉判定に成功しないと転倒する可能性があります。
 詳細は〈軽業〉技能を参照してください。

e.視界不良
〇:視覚以外の知覚能力を有する者
△:それ以外全員、特に射撃、呪文
 霧や煙が立ち込めているなどといった状態です。全く視界が無いとゲームにならない可能性もありますし、フロアタイルで表現しづらい(キャラクターは本当は見えていないのにメタゲーム的に見えてしまう)状況が起きるので、やや視界が悪く離れていると視線が通らないといった程度の濃度が丁度よいです。
 なお、暗闇は普段から対策が立てられているでしょうから、特別な地形効果とは言えません。

f.多数の遮蔽物
〇:近接
△:射撃
 遮蔽物が戦闘域にあることは多いのですが、その遮蔽物が非常に多い戦場は射線が通り辛く、特に射撃を得意とするキャラクターには痛い所です。逆に近接攻撃を得意とする場合、遮蔽を取りつつ接敵できます。呪文は遠隔接触呪文を除いて部分遮蔽があっても視線さえ通れば問題ないですし、ファイアボールのように中心から爆発する範囲呪文なら目標の場所さえ判っていれば見えなくても効果を発揮できるので射撃ほどは影響を受けません。
 飛行キャラクターは歩行移動を制限する程度の大きさ障害物であれば素通りできるのですが、木や石柱などのように背の高い遮蔽物が多すぎると真っすぐに飛べなくなって移動に制限を受けます。

g.水辺・水中
〇:水泳能力を有する者
△:それ以外のすべてのPC
 水棲系モンスターを出す場合、どうしても水辺や水中、船上戦のような水に関わる場所を用意しなければなりません。特に水中戦では種族能力やクラス能力で水泳能力を持つ限られたキャラクター以外には単にペナルティでしかなく、対策を立てないと手も足も出ません。
 したがって、事前に水中戦があるように伝えておく必要があります。コンベンションではゲーム開始してからそれを伝えると、そこから慌てて準備をすることとなり時間をかなり費やしてしまうので、キャラクター作成時にあらかじめ伝えておく必要があります。
 溶岩だまりのような特殊な地形も、この種の地形効果と同様に扱います。

h.狭すぎる通路、低すぎる天井
〇:小型以下、術者
△:中型以上
 小型以下のモンスターが生息するダンジョンでは人間が通るのには狭すぎる通路や天井が低すぎて腰を屈めないと移動できないようなダンジョンがあっても不思議ではありません。
 基本的には“無理矢理入り込む”のルールに従います。
 狭すぎる通路(1/2ft)では小型以下は普通に移動できますが、中型は1マスの移動を2マス分と数えますし、攻撃ロールに-4のペナルティと、ACに-4のペナルティを受けます。大型以上は〈脱出術〉判定が必要です。狭い場所に対し、〈脱出術〉を用いて無理矢理入り込むことによって通過したり侵入したりしている間は、攻撃を行うことができず、ACに-4のペナルティを被り、ACに対する【敏捷力】ボーナスを失います 。
 天井が低すぎる場所はルール的に表記がありませんが、これも基本的に“無理矢理入り込む”のルールに従えば良いと思います。ただし、大型の場合は伏せ状態で這い進むと処理した方が良いでしょう。
  なお、大型のみが天井が低いと感じる程度の高さではキャラクターサイズの違いによる差があまり出ませんし、小型でも天井が低いと感じるようなダンジョンは移動が困難過ぎて先へ進もうとしなくなるのでお勧めできません。
 こういった狭さによるペナルティは呪文には影響が小さいので、呪文を得意とする場合は有利に働きやすいです。

 以上のような地形効果を1つもしくは複数組み合わせて戦場を作ります。沢山組み合わせすぎると複雑になり、プレイ時間がかかりすぎるため注意が必要ですが、単調な戦闘にならないよう色々試してみてください。
 なお、敢えて敵に不利な地形効果を用意し、代わりにモンスターデータを強くする(モンスターを沢山出す)方法もあります。



3-4.戦闘前の準備について
 このシステムには沢山の支援呪文や特殊能力(いわゆるバフ)があり、それを組み合わせることで仲間を劇的に強化することが可能です。こういった支援効果を戦闘前にどれくらい準備を認めるかによってゲームバランスがかなり変わってきます。
 基本的にはクライマックス戦闘は十分な準備時間を与える代わりに敵を強めに用意してもよいのですが、それ以外の戦闘は準備時間を無条件に与えるべきではありません。もちろん、準備時間を与えなくてもプレイヤーの機転で準備時間を確保することは可能です。例えば、ローグが偵察してあらかじめ敵を把握し、離れた場所で呪文などを準備した後突入するとか、戦士が交渉しつつ、その陰で《音声要素省略》や《動作要素省略》などを使いつつ呪文を準備するといった具合です。(敵も術者であるなら、交渉中に堂々と呪文を唱えると敵対行為であると認識される可能性があります。)
 なお、ややコストパフォーマンスは落ちますが、ポーションであれば音は出しませんし、事前準備ではやることがあまりない非術者でも呪文効果を得られるのでなかなか便利なアイテムです。
 ポーションはコンベンションのシナリオでも途中のイベントなどで配置しておいても良いでしょう。とくに消耗品コストを何倍かにしている場合はあまり所持していない可能性があります。

呪文などの準備時間には一般に
1ラウンド/レベル
1分/レベル
10分/レベル
1時間/レベル
などがあります(もちろん、それ以外の呪文もあります)。一般的に冒険者の活動時間は6~8時間ですから、1時間/レベルはともかく、10分/レベルは常時にかけ続けることは難しいでしょう。(もちろん高レベルになると、低レベル呪文なら《呪文持続時間延長》などを組み合わせたり、ワンドを使いつぶすつもりで常時維持することが出来るようになります。)1分/レベルや10分/レベルの呪文は戦闘が起きそうな場面であらかじめ使用しておくといった使い方が多くなるため、非戦闘時のGMの状況説明や演出、イベントの配置順が重要になってきます。

 次回はようやくシナリオに関して

2017年10月18日水曜日

Pathfinderゲームマスターガイド3 -戦闘1-

 このシステムにとって戦闘は一番の花形です。しかし、ミニチュアのような駒とフロアタイルのようなボードを使用するため、戦闘処理は抽象戦闘のシステムに比べ非常に時間がかかってしまうのが最大の難点です。
 そしてもう一つの問題は、ミニチュアとフロアタイルそのものかと思います。見栄え良くしようと、色々揃えようとすると結構金銭的な負担にもなります。ゲームそのものは簡単な駒やボードでも遊べるので、最初から気合を入れて揃える必要はありません。

3-1.戦闘のパターン
 前回のタイムスケジュールのにも書きましたが、基本的には「最初の戦闘+途中のイベントによる戦闘+クライマックス戦闘」というのがこのゲームでの戦闘になります。最初の戦闘と途中のイベントによる戦闘は30分、クライマックス戦闘では1時間時間を確保しています。4時間のプレイ時間なら戦闘は3~5回程度でしょうから、途中のイベントによる戦闘は1~3回程度となります。これらの複数回の戦闘が単調にならないように、異なる敵種や出現パターンの戦闘を組み合わせて用意する必要があります。

 戦闘のパターンは基本的に

a.弱い敵多数
b.強い敵単体もしくは少数
c.強い敵単体もしくは少数+弱い敵多数
d.敵を倒す以外の目的の戦闘

の4つです。
(以前は強い敵と非常に強い敵を区別していましたが、今回は統合しました)

a.弱い敵多数の戦闘
 PCより弱い敵がPCの人数より多数出現する戦闘です。
 この遭遇でGMが注意すべきはPCの広範囲呪文(ファイアボール)などです。少なくとも初期配置で全滅しないようにできるだけ散開して配置します。
 同じ敵ばかりを用意するのではなく、基本的な前衛に加え、射手や魔術師、飛行クリーチャーのような複数種の敵数種を組み合わせても良いでしょう。
 戦闘の処理を簡便化するために、あまり特殊な能力を持つ敵を多数出さない方が良いです。例えばクラス持ちの人型モンスター(ゴブリンなど)の場合、前衛や射手はファイターやレンジャーではなくNPCクラスのウォーリアにします。なお、過去に記事で書いたことがありますが、NPCクラスの場合、脅威度はクラスレベル-2ではなく、クラスレベル×3/4-1(端数切捨て)とした方がバランスが取れます。例えば6レベルのゴブリンのウォーリアであれば脅威度は4ではなく3になります。
 この遭遇はどちらかというと練習向きの戦闘なので、最初の戦闘に向きます。途中のイベントによる戦闘で使っても良いですが、物量作戦にするか地形効果を利用しないと手ごたえがないかもしれません。

b.強い敵単体もしくは少数の戦闘
 PCと同程度あるいはそれ以上の強さの敵が単体もしくは少数出現する戦闘です。
 この遭遇でGMが注意すべきは、両者共の一発KOの呪文や特殊能力です。もちろん、意図的に一発KOを想定した戦闘であれば全く問題ありません。
 強敵には2種類のタイプがあります。リッチのように防御性能は大したことはないが即死や全滅の危機に陥る呪文や特殊能力を持つタイプと、ドラゴンやジャイアントのように特別特殊な能力は少ないが単純に高いスタミナとパワーを持っているタイプです。
 特に注意が必要なのが前者です。こういった敵は対策が立てられると全く良い所なしで瞬殺されますが、逆にPCを容赦なく全滅させる可能性もあるのでコンベンションで敵として出すのはかなりリスクを伴います。この手のモンスターは知性を持つ者が多く交渉の余地もあるため、敵ではなく中立として登場させるには面白いです。「このモンスターと敵対するのは得策でない。できるだけ交渉で解決したい。」と思わせるのであるなら魅力的な存在です。もちろん、PLによっては戦いたいと思う人もいるでしょうから、戦う時のためのデータは用意しておきます。
 後者の場合は戦闘そのもには比較的問題はありません。ただし、タフなモンスターの多くは何らかの弱点を持っています。その弱点を突かれれば瞬殺されるものだと割り切らなけいけません。
 いずれにしても、スリルはありますが短時間で勝負が決することが多い戦闘ですので、途中のイベントによる戦闘に向きます。むしろ、偵察や情報収集によって敵を確認して一気に勝負を決する、といった戦闘が出来るように仕組んでおくと時間短縮ができます。もちろん、前情報なしで突っ込んで力押しで倒すことも良くありますので、正攻法の正面突破でも倒せるバランスにはしておきます。

c.強い敵単体もしくは少数+弱い敵多数
 aとbの両方を兼ね備えたバランスの良い組み合わせが可能な戦闘です。基本的に多数の弱い敵が壁や後方支援の役割をし、強敵が大技で攻撃するというコンビネーションを取ります。
 この戦闘の場合の弱い敵はあくまで強い敵の大技を出すための時間稼ぎですから、壁役ならある程度タフならばそれほど攻撃力は必要ありませんし、後方支援型の場合は、功撃自体は放置できない脅威であっても、1,2回攻撃すれば倒せる程度の紙耐久でも構いません。
 この戦闘は多くの場合正攻法で戦わなければいけませんし、持久戦になる可能性が高いですので、クライマックス戦闘に向きます。もし、プレイ時間に余裕があるならば途中のイベントによる戦闘に採用しても良いでしょう。
 また、リーダー格の敵を倒した時点でお供は戦意喪失することにして戦闘終了にしても良いです。特に途中のイベントによる戦闘の場合は早く戦闘を終わらせる為にそういった処理をします。

d.敵を倒す以外の目的の戦闘
 敵のパターンはa.b.cいずれの場合も可能ですが、GMがある程度慣れてくると敵を倒すこと以外を目的とした戦闘も出来ます。敵が襲ってくる敵を避けて目的地に達すれば良いとか、矢が雨あられと降ってくる中、複雑な罠を解除すれば突破できるといった、B級映画で見られるようなピンチのシーンを演出する戦闘です。
 一般的な戦闘と比べてやや強め敵を用意したり、次々と増援を沸かせるといったこともできます。この戦闘の場合、PLに「敵を殲滅するのが目的ではない」ということをそれとなくアピールしなければいけませんが、力押しで倒せるようなバランスにしても問題ありません。敵を倒す以外の目的の戦闘だからと言って、(シナリオ的に不都合が無い限り)敵を殲滅することで攻略出来ても良いのです。
 ゲームバランスを取るにはセンスを要しますが、敵を倒すことが目的でないので、非戦闘要員を戦闘で活躍させることも可能です。上手くいけばドラマチックな演出ができますが、失敗するとつまらない戦闘にもなりかねないので実践経験が必要です。
 このタイプの戦闘は途中のイベントによる戦闘に向いています。また、超高レベルのシナリオの場合はクライマックス戦闘にも向きます。超高レベルの場合、呪文や特殊能力のコンボによって単に敵を倒すだけでは即戦闘が終了してしまう事が良く発生しますが、敵を倒す以外の目的の場合の対策が立てられていることは少ないのです。

3-2.シナリオ中の戦闘パターンの組み合わせ
 最初の戦闘+途中のイベントによる戦闘+クライマックス戦闘のなかで、戦闘パターンとその強さを調整しておく必要があります。ここでは敵の脅威度をPLのパーティのレベルから算出し、PLvと表記します。

例えば、戦闘回数が4回であるなら、
 a(PLv-1) → c(PLv+1) → b(PLv) → c(PLv+2)
と設定してみます。
 最初の戦闘はやや弱め、クライマックス戦闘は強めにしますが、途中の戦闘は必ずしも徐々に強くしていく必要はありません。強さにバラツキがあっても良いですし、故意に敵の強さに強弱を付けなくとも異なった敵構成や地形効果を利用した戦闘を用意するだけでかなり戦闘に変化をつけることができます。
 また、シナリオの構成によっては出てきたモンスターが必ず戦うわけではないですし、複数攻略ルートを用意しているなら、敵の出現パターンは何種類も組み合わせがあります。この場合、どのようなルートを通っても似通った戦闘が連続しないような敵を配置しておく必要があります。

 次回も戦闘についての続き。

2017年10月15日日曜日

Pathfinderゲームマスターガイド2 -時間管理-

 コンベンションで一番大事なのは時間管理です。どんなに素晴らしいシナリオでも時間切れで尻切れトンボになったら興醒めですし、運営スタッフの方々にも迷惑がかかります。PLの方々に満足してもらうには時間通りもしくは時間より少し早めに終われるようにしなければなりません。それ故、シナリオを作る時点でタイムスケジュールを組んでおく必要があります。

2-1.時間配分
 一日のスケジュールを大方決めておきます。例えば開始10:30、終了16:30だとします。市町村の施設を借りようとするとこれくらいが時間制限になる場合が多いかなと思います。時間は5時間ありますが、昼食などによる休憩を1時間確保しておきます。会場の近くに食事をする場所が沢山あればよいのですが、そうでもないと軽い食事でも結構時間がかかってしまいます。今回の例では実質プレイ時間は4時間ほどを想定します。

10:30 ゲーム開始、キャタクター選択or持ち寄ったキャラクターの最終打ち合わせ
          各自PL・GMの自己紹介とキャラクター紹介

11:00 導入、交渉や情報収集

12:00 最初の戦闘

12:30 昼食

13:30 探索等のイベント(3~6個程度)

15:00 クライマックス戦闘

16:00 エンディング、座談会

 こういったスケジュールを組むことになります。

 プレロールドの場合は、各キャラクターを簡単に説明する必要がありますし、自作キャラを持ち寄った場合でも最終的な打ち合わせをしないといけませんので、それなりに準備時間が必要です。
 戦闘は基本30分、クライマックス戦闘では1時間を想定しています。正直、フロアタイルとミニチュアを使用し、準備を含め戦闘にどうしても時間がかかってしまうこのシステムでは、30分程度ではガッツリとした戦闘はできません。本当はもっと時間が欲しい所です。戦闘に関しては後で詳しく説明します。
 実際にはこのスケジュール通りに行うのはかなり難しいので、駆け足で処理したいと思うこともありますが、GM自身は慌てた素振りはしないように努めたほうが良いです。GMが焦るとPLが落ち着いて遊べません。
 エンディング、座談会に30分取っていますが、予備の時間も兼ねています。
 シナリオに分岐があっても別のルートの話をする必要はありません。もしも、は無いのですから。

2-2.昼食について
 ゲーム外の話なので、ここで補足しておきます。昼食はできるだけPLの方と一緒にとりましょう。
 特に初めての方と遊ぶ場合、ゲーム外でのコミュニケーションが昼からのプレイに役立います。

次回はこのゲームの花形、戦闘に関しての話です。

2017年10月13日金曜日

Pathfinderゲームマスターガイド1 -事前準備-

 自分がコンベンション(というかTRPG)から事実上引退してから6年ほどにもなりますが、その間にPathfinderも結構サプリメントも増えて、日本語化の兆しも出ている中でなかなかPathfinder の新たなGMのなり手がいないような感じもします。
 多数存在する公式シナリオは現状では英語ですし、シナリオを自作するのは結構大変な作業であるので判らなくもないです。もしかしたらGMは上手くできて当たり前みたいな感じになってしまっているのかもしれません。しかし、経験を積まなければ上手くなれないので少しでもその気がある人はどんどん挑戦してほしいものです。
 
 おそらくコンベンションでGMをすることはもう無いでしょうから、自分がGMをしていた経験からいくつか参考にになったらな、と思って久しぶりにPFの記事を書いてみようかと思います。今回はシナリオ作成というよりはコンベンションでのプレイを前提とした話を考えています。

1.レギュレーションの設定

 1-1.使用ルールの選択
 特にコンベンションでのプレイで言えることですが、使用ルールは少ない方が好ましいと思います。使用ルールが多すぎるとデータに追われてゲームに集中できなくなりがちです。使用ルールは
Core Rulebook、Bestiary、(Game Mastery Guide)
もしくは
Core Rulebook、Bestiary、(Game Mastery Guide)+ Advanced Player's Guide、Bestiary2
のいずれかの構成をお勧めします。
(追記:熟練者が参加者にいる場合は全くの最小限より少しだけ追加ルールを入れた方が良いかと思います。)

 個人的には基本ルールのみでも特徴ルールは採用することを推奨します。特徴は単にキャラクターを強くするためのルールではなく、キャラクターの役作りや冒険に出る動機づけのためのフレーバーテキストが役立つルールなのです。

 ちなみに、現在はPathfinder Unchainedというルールブックで一部のクラスが再定義されていますが、こういった追加データを使うかどうかを決めるのはGM自身ですので、自分で十分把握していないと思うなら使わないときっぱり決めて良いのです。

 もちろん、多数のルールを採用するハイパワーなセッションをするのがダメなわけではありません。ですが、GM自身が採用する追加ルールのほとんどを記憶しているくらいで無ければルールの参照だけで限られた時間が費やされてしまいかねません。

 1-2.キャラクター作成ルールの選択
 まず決めるべきはプレイヤーキャラクターのレベルです。2~6レベルくらいが遊びやすいでしょう。1レベルではアンラッキーによる事故死が多いですし、9レベルを超えると呪文などにより、GMの予想もしないような展開になる可能性が高いです。

 能力値の決定方法ですが、コンベンションでは遊ぶ時間に制約があるのでキャラクター作成は事前作成もしくはGMによるプレロールドキャラにしなければなりません。いずれにしてもその場でキャラクターを作成するわけではないのでダイスを振って決めることが出来ません。したがって能力値購入制を使います。やや強めのキャラクターになりますが20ポイントにすると不満のないキャタクターが作れるでしょう。(10レベル以上のハイパワーなシナリオなら25ポイントをお勧めします。)

 レベル上昇によるHPはHDの半分+1(D10なら6)とすると良いでしょう。

 1-2-1.プレロールドキャラを利用する場合
 初めて遊ぶPLを受け入れる卓や、コンベンション当日にPLを受け入れる場合はプレロールドで行います。
 プレロールドの場合、遊びやすくルールの少ないキャラクターをGMが自ら事前に作っておく必要があります。ファイター、ローグ、クレリック、ソーサラーをメインに、PL受け入れ可能人数+2人分を作成しておきます。受け入れ人数より多めに作るのは、最後に選ぶ人にも選択の余地を作るためです。もっとも、役割分担を考慮すると選択の余地がほぼないのが現実ですが、一応余分に用意しましょう。
 特徴ルールを使用する場合、キャラクターを選んでから個別に選択してもらっても良いですし、各キャラクターごとにすべて決定しておいてもよいです。

 1-2-2.事前に各PLが作成する場合
 大型のコンベンションの場合、事前に掲示板やメールのやり取りをしてキャラクターを事前に作成するようなことが可能な場合があります。PLにとっても個性的なキャラクターが作れゲーム開始から十分キャラクターの能力を把握しているので、一般には好まれると思います。ただし、GMはいくつか注意が必要です。
 レンジャーの得意な敵や特定の敵種に特化したようなキャラクターの場合、シナリオとミスマッチした場合にとても残念なことが起きます。(逆にマッチしすぎて無双状態になるのも良くありませんが。)それを避けるため、ネタバレしない程度に登場する敵の傾向などを提示しておいたほうが良いでしょう。また、作成したキャラクターはGMが完全に把握する必要はありませんが、キャラクターの方向性は確認しておくべきです。
 場合によっては作成したキャラクターの傾向に合わせて、敵や罠を調整する必要があるかもしれません。プレイヤーキャラクターにシナリオを合わせるというのは、本来ならこのゲームのセオリーから外れることかもしれませんが、ゲームを楽しんでもらうためには仕方のない事かとは思います。
 特徴ルールを使用する場合、2つのうち1つは自由に選択させ、1つは今回のシナリオ用の特別な特徴を人数分+α準備し、選んでもらいます。

 1-3.消耗品に関する特例
 コンベンションなどのような単発シナリオでは魔法の品の消耗品が非常に有効です。むしろ効果的過ぎてゲームバランスを崩してしまう可能性があります。魔法の品の消耗品の多くはキャンペーンであれば切り札的な使い方が一般的で、比較的安価なワンドなどを除けば乱用することは現実的ではありません。
 そこで消耗品は価格5倍(もしくは価格は基本価格でチャージ回数1/5)とします。例外としてウィザードやウィッチが呪文習得するために必要としたスクロールは基本価格のままとします。
 このルールを適用すると魔法の品の消耗品は非常にコストパフォーマンスが悪く、せいぜいワンドくらいしか使い物にならないでしょう。GMの判断ですが、好みで2~4倍(チャージ回数1/2~1/4)にしても良いです。消耗品が安ければ安いほど派手な戦闘に、逆に高いほど各自のキャラクター固有能力が生かされます。

 
 1-4.世界設定と信仰 (追加)
 このシステムには公式ワールドとしてゴラリオンという世界設定が用意してあります。この世界は魅力的ではありますが、こういった世界観に関しては無料で配布されていないためprdjには存在しません。プレイヤー全員がゴラリオンの世界観を理解しているのであれば大いに利用して構わないのですが、コンベンションのように不特定多数でそもそもPFのシステムに初めて触れる人がいることを考慮すると、世界観に極端に依存したシナリオでは置いてけぼりの人が出来てしまいますのであまり望ましくありません。
 ただし、クレリックなどの信仰系のクラスは信仰する神を決定する必要がありますので、この神様に関してはゴラリオンの神格を利用すると良いでしょう。(現状英語版しかありませんが)基本ルールには掲載されていますし、prdjのPRD外の項目には神格が掲載されていますのでこれを利用します。この世界の神格は非常にスタンダードで理解しやすい神格が多いです。
 身内のキャンペーンであればオリジナルワールドやオリジナルの神格でもよいですが、コンベンションのような不特定多数の場合は公式ワールドを使用しつつ、知識を共有できる最小限の情報で遊ぶのが良いかと思います。

 次回は時間管理について

2017年10月9日月曜日

ラブライブ!サンシャイン!!

 小3の長女と一緒に観てます(ここでは放送は深夜なので録画ですが)。
友人がアイマスにはまっていたころ(彼は今でも相当熱烈なファンですが)はアニメのアイドルなんてと思っていましたが、なんかラブライブはハマってしまいました。
 ちょうどラブライブ1期目がスタートした時は次女の先天性の発達障害が判って自分も落ち込んでいた時期であったからというのもあるのですが、こういったスポコンものって観てて楽しいのです。ありがちな王道展開ではあるのですが。

 長女は少年漫画で育った嫁と違って、いかにも少女らしい趣味なんです。教育したわけでもないのに。嫁はこういうアニメは全く興味なしというか、どちらかというと毛嫌いしてます。

 初代ラブライブは男性青年向けと思われるキャラクター構成でしたが、予想外に女子高生などにうけたこともあってかサンシャインの方はかなり女性視聴者を意識した作りになっていると思います。また、初期からそうなんですが、深夜アニメに乱発している安易な色気が無いのが個人的に好きです。子供に見せても全く問題ないですしね。
 サンシャイン2期目、早速話を重い方向に持ってきましたが、今後の展開が楽しみです。

 どうでもいい事ですが、ラブライブ(サンシャイン含む)の登場キャラの母親役の声優の面々が自分たちが学生時代にトップを走っていた人たちというのが時代を感じます。あれから20年は経ちますしね。

2017年10月8日日曜日

過去の記事の話

6年も前に書いた記事ですがパスファインダーキャラクター作成ガイドのページを見ていただいている方が今でもいる様子。それゆえ気が向くと見直して、加筆修正しています。検索してみるとPFのキャラ作成記事は他の方も書いているようですが、それほど多くないみたいです。

自分がPRDJの編集から離れてからかなり時間が経ち、サプリメントもかなり増えたようですが、いざ新しく人を募集して遊ぼうとすると基本的な情報がどうしても必要になるとは思います。
この手の膨大なサプリメントの積み重ねのゲームの一番の問題は後出しデータの方がどうしても強くなってしまう(これは製作者側心理の問題と、少しずつデータを強くしないと新しい商品が売れないという2つの問題がある)ので新しいデータを使いたくなる気持ちは十分理解できますが、やはり初心に帰って基本だけでの説明は必要だと思っています。

 あの記事書いている時点ですでにAPG出ていたはずですが、当時から追加データに関しては全く気がありませんでした。今だと、APGのクラスは当たり前のように使っているのになぜ説明が無いんだと思われるかもしれませんが、ご理解ください。

本当はまた遊ぶ機会ほしいですがね。子供も大きくなって自分の時間がとるのは難しくなっているのです。

 まぁ、シナリオ書くと糞と言われかねないようなシビアなシナリオ書いてしまったりしますし。ちなみに自分がマスターすると大してシビアで無かったりするのですよ(力押しできないような面倒なギミックは多いのは確かですが)。シナリオで書くときは最大限シビアに準備して、実際のプレイではプレイヤーの錬度を見ながら間引きして調整しているので。それを他人にあそんでもらおうとすると細かい調整できないから糞シナリオになってしまうのですな…(苦笑)
 前にシナリオ書いた時はそういう意味で若かったのです。

2017年10月5日木曜日

今更ながらサガスカーレットグレイスについて思う

久しぶりにまた始めたので色々と考える。
昨年末のゲームなのでもう廃れてはいるのですが、個人的に河津さんの作品は好きなので久しぶりにまた遊んでいます。

河津さんはTRPGから入った人なので、いろいろなところTRPG的な要素が多いのです。対談などの話からするとD&DやAD&Dを翻訳して遊んでいたような感じですね。ロマサガ1や今回のサガスカのように、象徴するドメインを持つ神格が多数存在するという多神教の世界観はAD&Dの世界観そのものですし。
それに、プレイヤーがストーリーを創るという考え方もTRPG的です。ゲーム的に有利不利は別としてプレイヤーがやる気がなければ無視できるイベントや戦闘も結構あります。

日本のRPG(いわゆるJRPG)の多くはストーリー重視といわれますが、これはTRPGで言えば吟遊とも言われ(キャラクターではなく)プレイヤーの意思に反してGMの都合で勝手に話が進む悪い典型例の一つとされています(D&DのDMGには悪いマスタリングの一例にも挙げられています)。ですから、欧米でJRPGがRPGとしてあまり良い評価されないのはストーリー重視かどうかというより、遊び手を無視して作り手が勝手に話を盛り上げることが原因だと思います。本来、RPGではドラマチックな展開よりプレイヤーの意思を尊重すべきですからね。ドラマチックになるかどうかは結果論であって、それありきではいけないのです。
ただ、日本ではドラマチックな展開がTRPGでも好まれる傾向にあります。日本人はそういうのが好きなのです。世界ではあまり評価されなくてもそういう文化なので仕方がないのかもしれません。

話はサガスカに戻します。
このゲーム、見た目でまったくもって損していると思います。パッケージを見てもどんなゲームか全く想像つきませんし、登場キャラクターも今時の可愛らしいキャラクターは全くいません。若い女性キャラといっても20前後ですし、仲間キャラクターの平均年齢は30~40くらいです(これは河津さんいわく、メインで遊んでもらう世代に合わせたからだそうです)。
顔つきこそ違いますが、キャラクターの設定年齢などは洋ゲーに近いのかもしれません。
発売までに発表している動画を見てもあまり面白そうに見えません。このゲームはパズル的な要素のある戦術ゲームなので、システムを理解したうえで自分で操作しないとゲーム画面を見ただけでは面白さがまったく判りません。しかも、ダンジョンもなければ街もない、そのわりに戦闘に戦闘…というかプレイ時間の大半がフィールドの移動+戦闘+ロード時間というかなり尖がったゲームなので理解できない人も多数いると思います。ええ、結構ロード時間はそれなりに長いですね。vitaのハード的限界ギリギリみたいですし、のんびり行きませう。
ドラクエをはじめとするJRPG=RPGという固定観念を持っているとこんなのRPGじゃないとか言い出しても仕方がありません。ある意味オープンワールドではありますが、ここ最近のオープンワールドRPGとも違いますしね。

河津さん、面白いゲームは作れても面白そうなゲームを作るのは苦手なのかもしれません。
他ハードに移植をするならモブ絵のネヴァーンやミラーネを書き下ろして可愛いキャラにするだけでもかなり違うかも。
あと、要望はロード時間もっと短くとか、PtLv30以上向けの強敵とか、操作性改善とかいくつもありますけどね。

2017年10月3日火曜日

政治用語の解説ページが面白い

衆議院解散から、新党立ち上げなどドタバタ劇が進んでいますが、それに関して各個人が立ち上げているネット上の用語解説ページをいくつか巡っているとなかなか興味深いです。
例えば今なら「リベラル派」といた用語だと色々なページで解説がなされています。

用語の説明の内容がどうとかではなく、書いている人が右寄りか左寄りかで片方の思想に物凄くひいきした書き方をしたページが多いです。個人のHPなのでどのように書こうが自由ではありますが、いろんな人に見てもらいたいなら特定の思想に極端に偏った書き方は本来は良くないとは思います。
もっとも、そういった個人ページも何らかの形で広告収入を得ようとしているページがほとんどなので、敢えて自分の思想を前面に押し出して賛同者を得るという手法を取っているのかもしれません。思想が絡む内容に関しては、個人のページや広告が入ったページの記事内容はあまり過信しない方が良いでしょうかね。変な洗脳されかねませんので。

冷静に、真なる中立的な立場で記事を書くことはとても難しいことですし、言っていることが正しかったとしても右からも左からも共感を得られる可能性はまずありませんから仕方がないでしょうがね。