2017年6月2日金曜日

リソース管理とゲームバランス

RPGではリソース管理が非常に重要になる。
例えばファンタジーRPGでHPとMPの概念があるなら戦士のリソースはHPであり、魔術師のリソースはMPである。もちろん最近のゲームでは戦士も必殺技を使うこともあり、この場合戦士でもMPもリソースとしている。
HPとMP、この2つのリソースは本質的に性質が異なる。
HPはそれ自体を自発的に消費するわけではないし、大抵回復呪文があるためリソースの回復も容易であることが多い。HPは受動的リソースである。
一方MPは休息しなければ回復困難かもしれないが、自発的に消費することができる。MPは能動的リソースである。

ハック&スラッシュタイプで、永遠とダンジョンに潜って何度も戦う、そして帰り道も敵に遭遇する危険性があるようなくクラシックスタイルのシナリオであればこの2つのリソースの価値はほぼ同等である(同価値になるよう設定してあるはず)。能動的リソースとはいえ、いつ必要となるかわからないなら常に全力では消費できない。
しかし、こういったスタイルはいまひとつ日本人には合わないらしく、ストーリー展開を重視したシナリオになる場合が多い。そうすると受動的/能動的リソースのバランスは大きく崩れてしまう。日本人好みのドラマチックなシナリオの場合、ボスを倒してしまえばシナリオは終わってしまうし、途中で問答無用にリソースを削られるような戦闘は(娯楽として無駄な時間に感じられ)省略されやすいので、主要な戦闘ですべて出し切ってしまってよいことになる。しかも、戦闘前にバフをすべてかけて万全で戦うといったことが日常的に行われる。展開的には盛り上がるし、単発なら自分もこういった展開のシナリオを組むことが多い。しかし、そもそも、こういった展開を前提としたリソース管理のシステムで無ければバランスはおかしな事になってしまう。
結局のところ日本人好みな展開になるようなシナリオを組むなら、それに合ったシステムを用意する必要があることになる。

ちなみにD&Dなどでは単発の場合、消耗品の価格を5倍にするルールがあったりするが、消耗品というリソースの乱用を防ぐのであって、自分自身のリソースは一切減っていないので能動的リソースを持つキャラクターの方がJRPG的なシナリオでは優遇されていることになる。

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