2017年6月6日火曜日

防御・回復役がなぜ人気がないのか その2

6月5日付の中日新聞朝刊17ページの記事
収入ない「家事・育児・介護」も労働です!の内容より、

一言に「労働」と言っても、「収入が伴う『稼得労働』と、収入が伴わない『非稼得労働』がある」

これはRPGにおける攻撃役の「火力貢献」と防御・回復役の「非火力貢献」の関係と同じといえる。
そして目に見えて効果のある「火力貢献」の方が本当は同程度の貢献をしていても評価され、満足感が得られる傾向も同じである。(おそらく、心理的に-1→0より0→+1の方が効果が大きく感じるのだろう)

また、高度経済成長期のようにインフレによって所得が増え続ける状況の場合、完全分業して夫が外で働き、妻が家事・子育てに専念した方が効率が良くなった。なお、現在はインフレもせず、必死に働いても所得も増えないのでこういった分業は効率が悪くなることがある。
RPGでいえばボスのHPをインフレさせるほど分業した方がよくなり、「火力貢献」は「非火力貢献」より効果的になるのである。

現実世界はともかく、TRPGの場合は目的を達成することよりも優先すべきはPLが皆満足することであるから、「非火力貢献」を相当優遇しなければならない。かといって前書いたように「非火力貢献」の効果を上げすぎると「選びたくないのに強いから誰かがやらされる」というより不遇な立場になりかねない。対処法としてはやはり共稼ぎの状態を作る事ではないだろうか。
実世界だと夫が『稼得労働』100に対して妻に『稼得労働』80+『非稼得労働』100の両方行えというのは無理な話だが、ゲームの場合は数値を調整するだけなので攻撃役の「火力貢献」100に対し、防御・回復役に「火力貢献」80+「非火力貢献」100というのは無理な事でもない。

また、ボスのHPをそこそこで抑えつつ雑魚をそれなりの数用意することで、「火力貢献」の優位性を抑えることができる(敵が複数いるなどHPが分割されている場合、超過ダメージによるダメージロスが発生する)。
ただし、敵の数を多数出し過ぎればプレイアビリティが低下するし、呪文などの範囲攻撃手段の優位性が高まるなど別のバランス調整も必要となるので、どの程度出せば良いかは単純ではない。
少なくともHPが一括で超強力なボス1体というのは皆を満足させる点では多くのシステムでバランスが良くないと思われる。確かに強力な敵を倒すという事は達成感は高いのだが…

なお、これはTRPGやオンラインRPGのように1人1役の場合で、PL全員がどうすれば満足できるかを考える場合であり、1人プレイのCRPGならばキャラクターはただの駒に過ぎないから完全分業でも満足することができる(これはこれでブラック企業と同じような…)。

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