2021年2月28日日曜日

TRPGの世界観の話

  TRPGにはシステムごとに固有の世界観が用意されていますが、個人的にはあまりシステムのオリジナル世界観にこだわらない方です。例えばN◎VAですとたしかに完全に無視するわけにはいきませんが、ファンタジーの場合は割と新規で世界観を創ってしまう事の方が多いです。

 世界観を創ること自体全然苦にならないので、一から創造したほうがやり易い、むしろPL達が何かキャラクターの背景を勝手に言いだしたらそれに合わせて周囲の世界観を創ってしまう事も多いのです。

 以前D&D3.5で『ロマンシングサガ・ミンストレルソング』キャンペーンをやっていた時は、モンクの人が聖闘士を名乗っていたので、敵に黄金聖闘士を出したことがあります。タウラスのグラップルモンクとサジタリウスのアーチャーモンクというネタ敵だったのですが。マルディアスの世界観とはまるで外れているのですが、細かい事は気にしません。

 もちろん、システム固有の世界観を楽しむというのも楽しいですし、自分がPLの時はあまり世界観から外れないようなキャラクターを作ります…多分。


追記:世界観はルール同様にGMとPLとの情報共有の手段の1つと考えているので、コンベンションのように全く初めてそのシステムを遊ぶ人がいる可能性がある場合は世界観をほぼ白紙でマスタリングする事が多いです。一方でキャンペーンの場合はそのPL達に合わせて世界観を用意します。大体5~6人のPLで遊ぶことを考えると、多種多様な趣味をもつメンバーが集まっている中では全員に原作の世界観を憶えてもらうよりPL達の好みに合わせた世界観を創りだしたほうが情報共有しやすいからというのが実情です。

2021年2月23日火曜日

この素晴らしい世界に祝福を!TRPG上級ルール

  まったく遊ぶ予定は無いのですが、一応入手しました。軽くパラパラしか読んでいないのですが、内容について少し説明します。

 まず、最初にリプレイ。基本ルールのリプレイメンバー+αで上級ルールを利用したリプレイになっています(まだ読んでません)。

 次に追加ルールですが、今回は魔王軍という事で、本来敵側のキャラクターをPCとして使えるルールが増えています。とは言え基本的には冒険者側を遊ぶシステムなので、なぜ冒険者側についているのか何らかの理由付けは必須です。

 クラス関係は追加スキルが色々と。今回で基本クラスのサブクラス(アーチャー等)もスキルが揃ったので、初期キャラで選ぶとスキルが足らないという事は無くなりました。それから上級職を低レベルから遊べるようにするための追加ルール。これは原作キャラを基本ルールで再現しようと思うとかなりの高レベルになってしまい遊び難いために用意されたものと考えれば良いかと思います(…原作モノシステムで原作キャラ再現はゲームバランス的には上手くいかない事が多いので何とも言えないところがありますが)。後はチートデータも追加されています。これは多数のライトノベルのキャラ再現用という感じでしょうかね。

 アイテムは高レベル向け装備などが追加されています。

 新規なのは拠点ルール。お金を支払って自分たちの拠点を作りボーナスを得ることが出来るようになっています。キャラクターとは独立したパーティ全員の共有物ですし、完全な追加要素なのでキャンペーン用のデータと言えるでしょうか。

 ワールドセレクションでは原作を読まなくてもある程度世界が解る設定が記述されています。原作モノで原作に依存せず遊べるのって結構重要なんですよね。

 GM用としてはモンスターやトラップなどの追加データもあるのですが、重要なのはエネミーチートデータ。これはいわゆるGM権限によるルールの超越を敢えてルール化してやり易くしたものと言えます。本来ならこういったものが無くてもシナリオに合わせてGM権限を行使しても問題ないのですが、慣れていないGM向けとしては明文化したほうが判りやすいということでしょう。しかも、PC側以上に極端なメリット/デメリットが設定されているので、PLサイドもそのチートデータの弱点を突くことが推奨されています。

 あとは少しレベル高いキャラクター向けのシナリオが1本。

 こんなかんじでしょうかね。

2021年2月21日日曜日

長距離移動判定について

  ゴブリンスレイヤーTRPGにおいて、目的地のダンジョンに向かう時に長距離移動判定を行う場合があります。

 この判定、p161~p163にかけて長々と書かれているのですが、計算が面倒な割に正直言って優秀な判定とは言えません。ワイルダネスアドベンチャーならともかく、ダンジョン探索がメインのシナリオであるなら、目的地に着くまでの判定は1~2回の判定でパパっと処理してしまった方がいいかもしれません。

 まず、一般的なキャラクターの移動力は15~19程度と仮定します。移動力が高ければ判定にボーナス、低ければペナルティを与えるとし、判定には以下の修正をつけます。

9以下なら-4、10~14なら-2、15~19なら修正なし、20~24なら+2、25~29なら+4、30~34なら+6、35~39なら+8、40~44なら+10

 判定は通常通り体力持久+冒険者レベル+【長距離移動】によるボーナスによる判定を行います。目標値はシナリオの難易度にもよるのですが、街道なら12、平原なら15、森や岩場なら18、砂漠や沼地なら20といった感じでしょうか。地形によって乗用馬などが使用できるかどうかGMが判断します。

 例えば判定に失敗したら1d3消耗、成功したら1消耗、目標値+5以上で成功したら消耗無しとします。判定の成否に関係なく移動できたものとします。消耗量は地形や天候などで調整しても良いでしょう。

 応用例として、目的地まで直線ルートだと湿地を越えなければいけないので乗用馬が使えずに目標値20だが判定1回(ただし、判定失敗したら1d3+1消耗)、大回りすれば平原を歩けるので乗用馬が使えて目標値は15だが判定2回必要といった事もできます。(GMがアドリブを効かせることが出来るならば、PL達が「湿地の中でも安全そうな場所を探して歩く」という宣言をした場合に、観察判定でGMが設定した目標値に成功すれば長距離移動判定の目標値を下げるといった事を認めても良いかもしれません。)


 目的地に着くまでの長距離移動判定であるならばこの程度の障害で十分です。シナリオ作成の要点でも書いたように、序盤はあまり消耗せずに進行させたいところなので、足が極端に遅いか体力持久が極端に低くなければ何事もなくても何ら問題ありません。

2021年2月16日火曜日

パスファインダー:キングメーカー

  これ遊びたいなぁ。

 日本語版の発売日が決定、予約が開始されたそうです。

 翻訳にPRDJの取りまとめをしている石川さんが監修されているそうです。(最近石川さんがキングメーカー遊んでいるわけだ。たぶんテストプレイだと思いますが。)訳語はPRDJに準拠したものになると思われます。

 なんか見た感じ物凄くボリュームがありそうな感じ。


 個人的に問題なのは何かと物入りな時期なのと、そのタイミングでPS4が空いているかどうか(自分のPS4ですが、嫁さんも使う事がありますので)。そのころに予定していた他のゲームは慌てないのでまた後にしようかな。

 このパソコンでも推奨のスペックあるのですが、ゲームができる夜中はネットとこのパソコンが存在しない環境で生活しているので出来ないのですな。

ゴブリンスレイヤーTRPGにおける探索

  久しぶりにゴブリンスレイヤーTRPGの話。

 ダンジョン探索系のシナリオですと、盗賊や斥候という役回りの人がダンジョン内を探索しながら移動するという事が良くあります。しかし、罠や隠し扉や敵を警戒してあれもこれも一つずつ調べ始めだすと時間がいくらあっても足りません。

 そこで、このシステムでは消耗を利用してみます。本来の観察判定は知力集中を基準に行いますが、ここでは知力持久による観察判定を行います。この達成値は「次の区切り」までの観察判定と第六感判定の達成値として扱うことが出来るとします。この「次の区切り」というのは1時間経つか緊張状態(戦闘などによる継戦カウンターを進める状況)になるまでを表します。この判定を行う毎に1点消耗しますが、大成功の場合は消耗しません。

補足1:個別で特定の場所を観察判定を行うことも可能とします。この場合は重点的に調べたと扱い、1点消耗するとします。この時も大成功の時は消耗しません。

補足2:この観察判定では探すものが特定されていない(そもそも何もない事もある)為にGMが目標値を宣言できません。そのため、高い達成値による追加効果というのを与える事ができません。


 この持続的な観察判定で因果点を使用すれば1時間以内であればすべての罠も隠れた敵も見つけてしまうので、一気に探索を進める事が出来ます。しかし、見張りのような少数で弱い通常の戦闘に値しないような敵との遭遇ですら効果が途切れてしまいます。そのため、見張りなどの弱い敵を戦闘せずに乗り越えるというテクニックを身に着けるとより効果的になります。

 このルールを採用すると探索時の張りつめるような緊張感が削がれてしまうのですが、ゲームとしては他の部分に重点を置けるようになるので、今まで通りのダンジョン探索シナリオでも違う雰囲気にすることができます。PL達がダンジョン探索シナリオに慣れて、しらみつぶしに探索してプレイ時間がかかってしまうようならば採用してみても良いかと思います。

2021年2月15日月曜日

ルール勘違いしてた

  久しぶりにゴブリンスレイヤーTRPGのルールブック読み返していたら勘違い発見。

 因果点を使って成功を大成功に変えた場合に達成値に+5があるのは命中判定や呪文行使判定だけなんですね。

 通常の判定は成功を大成功にするという効果しかありませんでした。

 という事は、通常の判定では成功と大成功の2段階という形にして、もし達成値によって効果に差をつけるとするなら、「達成値が目標値+5以上の場合は大成功と同じ効果を得られる」とするのが良さそうな感じです。

 うーん、完全に勘違いしてました。

2021年2月14日日曜日

育種のはなし その2

  バラの育種は元々趣味で片手間にやっていましたが、ここ数年は依頼もあるのでもう少し力を入れてやっています。とは言え大手育種メーカーのような大規模なことは出来ないのですが。

 正直なところ近年の新品種は各社メーカーが囲い込みをしている為にフリーで作る事が出来る品種があまり増えていないという事もあって、育種はある程度せざるを得ないというのが本音です。

 いわゆる防衛育種というもので、自分で生産するためだけの品種とは言え、いくつもの選抜基準に適合した個体でないと品種として世に出す事は出来ません。しかし、最終的な鉢花としての試作を自分の所でするわけではないため、試作段階の品種がこちらが生産を諦めた後で出荷先で増殖されるという事があります。

 現に10年以上前に自分が作った品種が渡り歩いて全く違う人の手で生産して売られているものがあります(当時は完全に趣味だったので)。当然自分の名前を出していないので作者不明の謎のバラになってます。花色が独特で香りが非常に良かったのですが、採算が合わなかったため生産する事がありませんでした。ネットで検索するとバラ好きの人の手で大切に育てられているようです。

2021年2月12日金曜日

農業の問題点

  比較的少ないコストで始められるものが多いためか農業をはじめとする第一次産業は易く見られがちなのですが、どんなに技術が進んでも多くの仕事は天候や季節の影響を強く受けるため技術革新でも時間短縮できない事が結構あります。

 例えば前回の接ぎ木の話ですが、特定の樹種に限れば接ぎ木が出来る時期は1年のうちで1~2か月程度の限られたものが多いため、接ぎ木の時期の違う様々な樹種の生産者を渡り歩いても半年も仕事があるわけではないのです。ですから、年中作業が可能なら2~3年で1人前になれるような内容でも10年かかってしまうという事がおきます。

2021年2月11日木曜日

職人の不足

  我が家では生産規模も大したことがありませんし、自分と父親が接ぎ木を出来るので問題はないのですが、周囲の大規模苗木生産者は接ぎ木を高齢の職人に依存していたので、とうとう職人不足で思ったように接ぎ木が出来ない状況になってきてしまっているようです。

 現在の接ぎ木職人は殆ど80歳以上(既に多くの方が亡くなっている)で、20年以上前から対処しなければいずれ接ぎ木職人が不足するのは判っていたのですが、なにもせずにそのままだったので今のような状況に陥るのは当然でした。(一人前に給料をもらえるようになるのには10年くらいはかかかるので。)

 職人仕事の多くが近年の技術革新で要らなくなったのも確かなのですが、技術革新してもどうにもならなかった職人仕事も等しく軽んじられてきたから今のような状況になったのだと思います。

 接ぎ木はその技術はもちろん、長年の経験に基づく様々なノウハウの集大成なので、後継者がいないと間違いなく失われていく仕事です。


2021年2月9日火曜日

育種のはなし

 自分がだいぶ前に育種したミニバラが今年ようやくEUで販売されることになりました。宣材用の写真も観ましたがさすがプロですね。

 ちなみにその品種は日本では別の名前で細々と生産・販売しています(ヨーロッパでは種苗登録されまが、日本ではしていません)。

 まぁ…ここ最近だと勝手に増殖して…という問題はあり得るのですが、個人的にはアメリカやEUくらいの商圏でないと花苗の場合では種苗登録の価値があまりないのですよね。もちろん、種苗登録しなければ海外に持ち出されて登録していない地域で勝手に作られるという可能性はあるので、本気で権利を守ろうとするならしたほうが良かったのでしょうが…(自分では海外で販売するつもりがなかったからです。)

2021年2月2日火曜日

言い切らざるを得ない

  自分も仕事の上で講師をしているので思うのですが、講師といった立場で受講者に話をする際は物事に対して言い切らざるを得ないです。実際には殆どの事象で例外があるので言い切ると「それは違う」という事が当然のごとく発生するのですが、時間の限られた講義という場では言い切らないと話を理解してもらえないからそうせざるを得ません。例外を質問された場合は、その例外について個別で説明しています。

 ネット上で通常の講義のように言い切って話をすると、必ずどこかに存在する例外を指摘されて炎上するという事が当然のごとく起きてしまいます。例外を指摘する声が大きくなってしまうからだと思います。

2021年2月1日月曜日

有志活動の限界

  自分も参加していたPRDJのようなwikiをはじめとする有志で運営する活動は長く見ると明らかに問題点があり、長期間有志による活動によって運営する事は多くの場合不可能であると感じました(もちろん例外もあるのですが)。

 有志の集団(しかも責任者がいない)というのは、偶々その時点での目的が一致した人達の道が重なっただけであり、その活動をそれぞれの有志の人がずっと続けていくことはほぼ出来ません。あくまで趣味やボランティアなので、本業の方が忙しくなったり家庭の事情で出来なくなるという事があっても当然の事です。

 しかし、一時的であろうと上手く機能してしまうと、その恩恵を得るだけの外側の人たちは自分が何もしなくても有志がやってくれるであろうという甘い考えに陥ってしまいます。自分が新たにその有志の活動に協力しようという奇特な人はあまりいないので、長期間になると徐々に人が減り衰退してしまうという事です。

 さらにはその有志による活動をネタに金を稼ごうという強欲な人が出てきてしまうとすぐに瓦解します(例えばゲームの攻略wikiなどがそれに当たります)。


 現実的には有志による活動が可能なのはせいぜい数年程度で、その活動を望む人たちが持続的に行うには責任者と活動に見合った報酬が必要だという事です。