2019年7月30日火曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG ルールの処理について

 呪文や一部の技能の処理に関して

 公式の見解は今のところ出ていませんが、「同じ対象や場所において、持続する同一の呪文や技能の『効果』を複数影響を受けている場合、その時点で最も『効果』の高いものを適用する」という方針で良いかと思います。
 もし同じ『効果』が重なるとすると非常に問題が大きいものが一部にあるためです。
 対象となるのはバフやデバフだけでなく同じタイミングで処理する持続性のダメージも含まれます。

2019年7月29日月曜日

生物

 生物は子孫を残すという事が当然かというとそうでもなくて、植物でも子孫を残す能力のない個体は普通にいて、たいていそういう個体の方が花を咲かせなかったり種子をつけないだけ生育が良く寿命も長いから茂りやすいんです。
 もちろん、どんなに茂っても子孫を残せないから個体の寿命が来れば全て死に絶えます。子孫を残せる個体を駆逐し、子孫を残せない個体ばかりが生き残った結果、その個体の寿命と共に種そのものが滅びるという事も普通にあります。
 人間も行き着くところまで行くと同じ運命かもしれませんが。

2019年7月28日日曜日

他人事ですが…

 明らかにイレギュラーな方法で攻略した結果、初プレイで公式のシナリオに参加した人が全く出番が無くなってしまった人がクソゲーと言ってしまうのは悲しいですね…
 明らかにGMの対応が拙かったとしか言いようない…

 GMはPLがシナリオで用意した展開とは違うイレギュラーな方法での攻略するのを認めるのは良いのですが、問題としてはそれで全PLに楽しんでもらえる展開に出来るかどうかです。
 特にアドリブで進める場合、全PLが楽しめているか様子を見ながらもし不満がありそうなPLがいる場合は破綻しないように注意しながら新たなアドリブの展開を用意しなければなりません。
 そういったPLへの配慮が出来る自信が無いのなら、シナリオに不自然にならないように用意したシナリオへ軌道修正した方が良いでしょう。(すでに用意したシナリオとは違う状況ですから、用意されたシナリオの状況を律儀に守る必要すらないのです。)

 正直、自分でも相手の顔が見られるオフラインセッションなら問題なくできるでしょうが、オンラインではアドリブだけで進めるのはかなり難しい気がします。

2019年7月27日土曜日

訂正

 斥候は弩弓は使えなかったですね。
 勘違いでしたので直しておきました。
 最初に思い違いすると他人の話でも見聞きしないと勘違いに気が付かないものですね…

2019年7月23日火曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG 5レベルシナリオ『虹の向こう側』


 中~上級者向けです。消耗が激しいシナリオなので、種族・習得技能・習得呪文などメンバー構成によっては途中でくたばる可能性があります。
 疑問点はレスでお答えします。
 都合により内容を手直しする可能性があります。

 今回のシナリオのゲームバランスは今まで以上に保証できません。全滅しそうな場合はGMが調整してください。
 

『虹の向こう側』


▼ キャラクター作成
 このシナリオを遊ぶためには冒険者レベル5(経験点16500点、成長点116点)のキャラクターを作成してください。
 4~6人用のシナリオですので、3人の場合はやや難しいかもしれません。


 因果点は5点開始です。
〔ハードモード〕の記述は、PLが熟練者の場合、これらのデータを追加してください。また、因果点は7点スタートになります。


▼ 冒険の概要
砂漠の中で発見された小さな遺跡の権利を手に入れた豪商のサファッドでしたが、『黒い太陽』と名乗る悪党にその遺跡を占拠されています。
 そこで盗賊団を排除して、遺跡を調査するようにPC達一党は依頼されます。



▼ 補足
 このシナリオでは人型の敵が多数登場します。敵を倒した後、武具を回収する場合、彼らの防具は全て使い物になりません。武器は1/2の確率で破壊されて回収できません。倒した数の半分(端数繰り上げ)だけ回収できます。


▼ 導入
 PC達一党は砂漠の外れにある小さな街に来ています。君達は昨日までの仕事も終えて宿屋のフロアでのんびりと朝食していると、恰幅の良い髭面の男が声をかけてきます。君たちが今まで何度か仕事を受けたことのある旅の豪商のサファッドという只人の男です。
 「おお、君たち久しぶりだね。ちょうど良いところであったよ。今ちょうど冒険者ギルドに仕事を頼んだら、実力的に適任だという君達がこの街にいるからと探していたのだ。」
 サファッドがいうに、この砂漠の外れで見つかった遺跡の権利を買い取ったので、ここを旅立つ4日後までにその遺跡を調査して来て欲しいとのことです。遺跡の財宝を入手したら、その一部を依頼の報酬に加えるとのことです。
 ただ、問題なのはその遺跡に『黒い太陽』というこの辺で幅を利かせている悪党が住み着いているようなので、そいつらを追い払ってもらわなければいけないとのことです。
 その遺跡までは1日(6時間)ほど歩かなければならない少し離れたところなので、調査できるのは丸1日しかありません。
 「私も4日後にはここを発たなければいけないのじゃ。悪いがすぐにでも出発してもらえんかね。3日分の食料と水と荷物を運ぶラクダ1頭はこちらで用意するから。」
 もし、これでは十分ではないとPC達が要求するならば目標値15の交渉:説得判定(知力集中+【交渉:説得】)または交渉:誘惑判定(魂魄集中+【交渉:誘惑】)に成功すれば1人当たり1本の強壮の水薬を貰うことができます。
 『黒い太陽』については目標値15の犯罪知識判定(知力集中+斥候レベル+【犯罪知識】)に成功すれば、この辺りで幅を利かせている武力集団で、不用意な旅人や冒険者を身ぐるみ剥いで奪う危険な集団であることが判ります。
 『黒い太陽』についてサファッドに尋ねると、「大丈夫、やつらを退治しろとは言っておらん。追い払うだけなら君達の実力なら何とかなるじゃろ。」と根拠もなく自信満々な笑みで答えます。

・ 場所
砂漠の中の遺跡
・ 依頼人
サファッド
・ 依頼内容
遺跡に住み着く『黒い太陽』を追い払い
遺跡を調査して財宝を手に入れること
・ 報酬
1人銀貨30枚+入手した財宝による追加報酬


▼ 砂漠
 砂漠を歩くのはかなり消耗を伴います。移動するのには移動力15で通常6時間かかり、1時間ごとに目標値18の長距離移動判定(体力持久+冒険者レベル+【過重行動】によるボーナス)を行ない、成功すれば1点、失敗すれば1d3点消耗します。この判定ではラクダ(データ上はロバと同じ)を買って乗れば判定に+2、マントを羽織っていれば判定に+2のボーナスを得ます。ただし、砂漠では馬車は使用できません。
 また、徒歩の移動力が20以上なら判定に+2、10未満なら判定に-2の修正を受けます。

 《追風》などで全体の移動力を速くすることが出来れば判定回数を減らすことが出来ます。1.5倍なら判定4回です。

 砂漠の中を効率よく目的地にたどり着くためには、代表者1人が目標値15の生存術知識判定(知力持久+野伏レベル+【生存術】によるボーナス)に成功すれば(呪文などの修正後)1時間早く到達することができます。大成功すれば2時間早く到達できます。もしこの判定で2d6の出目が4以下の場合は大失敗となり、1時間余分に時間がかかってしまいます。リスクを恐れるならこの判定はしなくても構いません。

▼ 遺跡の入り口
 遺跡に近づくと、遺跡の入り口付近には何人かの男達が待ち構えています。彼らは『黒い太陽』です。砂漠ですのでこちらも隠れるわけにはいきません。遠く離れていても遠隔攻撃手段や呪文であれば先制攻撃を行なうことができます。相手はこちらが攻撃を仕掛けるか至近距離に近づくまでは攻撃してきません。2/3は遺跡の中に待機しているので、戦闘が始まると2ラウンド目に1/3、残りの1/3は3ラウンド目の追剥の行動時に出現します。

■追剥×PCの人数の6倍
 この追剥達は石弓も所持しています。
 射撃をする場合、命中が17、ダメージは1d6+4、射程は60mです。全員各5本の太矢を持っています。
〔ハードモード〕この追剥は【護衛】(初歩)を習得しています。この能力はこの戦闘では使用しませんが、怪物知識判定で能力を有している事はPLに伝えます。

 彼らは全体の半分以下になるか、4ラウンド目の頭からモラル判定をして失敗した場合、砂漠のほうへ逃げ出します。(遺跡の中へは逃げません)
 もし、彼らを捕まえることができたのなら、目標値15の交渉:脅迫判定(体力集中+【交渉:脅迫】)に成功すれば、彼らが『黒い太陽』の下っ端であることがわかります。彼らのリーダーがどういった行動をするかは把握していません。
 また、彼らは遺跡の奥には入るなと組織の上層に言われているので入っていないようです。


▼ 遺跡の中央の広間
 遺跡は半地下なっており、入り口の階段を降りていくと大広間があり、そこで『黒い太陽』の下っ端達が何日か住み着いていたと考えられます。広間には明かりがともされていますが、この部屋以外は真っ暗で灯りが必要です。
 広間の壁際には下っ端たちの荷物として十分な食料と水の入ったバックパック、そして寝袋が多数転がっています。
 荷物を漁るなら、1人1回目標値15の観察判定(知力集中+斥候または野伏レベル+【観察】によるボーナス)に成功すると銀貨を1d6枚と武器を1つ(1d6を振り、1:広刃の剣、2:投斧、3:小槍、4:鞭、5:打狗棒、6:小盾)を見つけることができます。達成値が20以上なら加えて治癒の水薬も発見します。
 部屋の中央には台座がありなにやら文字の書かれた石盤がありますが1/3ほど欠けており、十分に読むことはできません。
 目標値18の文献調査判定(知力集中+魔術師レベル+【文献調査】によるボーナス)に成功すれば、この部屋の奥にある3つの部屋にあるレバーを引けば、この部屋で何かが起きるような記述がされています。

 この部屋には前方と左右に細い通路がありますが、右側の通路は殆ど砂に埋もれています。もし、戦闘をこの細い通路で行なう場合、1人しか前に立つことはできませんし、怪物も1匹しか入ってこられません。また、この通路では長大な武器は4以下で大失敗になります。なお、この通路の先の部屋も部屋の天井が低いのでそこで戦った場合も、長大な武器は4以下で大失敗になります。


▼中央の部屋での休息
 PCら一党はこの時点で移動に6時間経ってしまっている場合、休息をせざるをえないでしょう。それより早く到達している場合は、休息前に1部屋だけ他の部屋も探索できます。

 休息を行なう場合、休息を始めてから5時間経ったところで緑粘菌2匹が天井から落ちてきます。もし見張りを立てている場合、目標値12の判定(魂魄持久+冒険者レベル)の判定で誰も成功しないと眠気に負けてうとうとしてしまい不意打ちを受けてしまいます。不意打ちの対象は寝ているものを含めランダムで、その攻撃に回避判定は行なうことが出来ません。
 攻撃を受けた者は自動的に目が覚めてしまいます。
 戦闘に入ってもラウンド開始時点で寝たままの状態のPCの継戦カウンターは進みません。

■緑粘菌×2

 モラル判定は行いません


▼ 正面の通路
 正面の通路は15mほど真っすぐに進みます。
 正面の通路の先には鉄製の扉があります。扉には鍵がかかっており、目標値15の手仕事判定(技量集中+斥候レベル+【手仕事】によるボーナス)に成功すれば鍵を開けることができます。
 強引に扉を壊す場合は、目標値18の怪力判定(体力集中+戦士or武道家レベル+【加重行動】によるボーナス)に2回成功すれば扉を破壊できます。達成値が目標値+5以上なら1回成功するだけで破壊できます。この判定は1回するごとに1点消耗します。判定の成否に関わらず、1回判定するごとに目標値は1下がります。
 破壊する判定に失敗した場合はPLに「いくらかは扉が歪んだが、まだ人が通れるほどではない」と説明してください。
 鉄製なので例えば《腐食》の呪文でもこの扉は破壊できます。
 扉の向こう側には小部屋があり、部屋の半分は砂で埋もれています。その中央にはローブ姿の像とレバーがあります。目標値10の神学判定(知力集中+神官or竜司祭レベル+【神学】によるボーナス)に成功すればその像が交易神を表していることが判ります。
 レバーは動かすことができます。レバーに触ろうとすると、砂の中から岩喰い達が飛び出してきます。あらかじめ砂を調べるか、周囲を警戒していない場合は不意打ちを受ける可能性があります。目標値11の第六感判定(知力反射+斥候or野伏or精霊使いレベル+【第六感】によるボーナス)に失敗すると不意打ちを受けます。
 1ターン目はPCと同じ数だけ出現し、2ターン目の岩喰いの行動順に残りが出現します。
 1ターン目の最初に目標値12の第六感判定(知力反射+斥候or野伏or精霊使いレベル+【第六感】によるボーナス)または直感(魂魄反射+【先入観なし】によるボーナス)に成功すると、まだ見えないところからなにかが来ることに気が付きます。

■岩喰い×PCの人数の3倍
 モラル判定は何体倒されたに関わらず4ラウンド目の最初から行ないます。それまでは行ないません。
 岩喰いを倒した後の出てきた砂山からは革袋が顔を出しています。中を確認するなら銀貨が5d6×2枚入っています。(この出目にも因果点の振り直しは使用できます。)

 この小部屋で戦う場合は長大な武器では出目4以下で大失敗になります。
  
                                                                                                                                                                                                        
▼ 右側の通路
 右側の通路は10mほど先に進んだところで、右側に90度曲がってその先10m先の扉の向こうに部屋があります。
 この通路は左側の曲がり角の辺りの壁が崩れて砂が天井近くまで入り込んでいます。
砂を掻き分けて無理矢理入り込むなら目標値18の怪力判定(体力持久+戦士or武道家レベル+【加重行動】によるボーナス)に成功すれば先へ進めます。何度でも判定できますが、判定するごとに1d3点消耗します。この判定は当然戻る時も行なわなければなりません。
 通れるように砂を掘る場合は、目標値12の怪力判定(体力持久+戦士or武道家レベル+【加重行動】によるボーナス)または労働判定(体力持久+【労働】によるボーナス)を全員でPC人数×3回成功すれば通れるようになります。達成値が17以上の場合は2回分、22以上なら3回分掘ることができます。判定を1回するごとに1点消耗します。
 この砂を掘る判定でスコップのような砂を掘るのに有効な道具があれば判定に+4のボーナスを得ます。
 《隧道》の呪文を使用した場合は、何の障害もなく通れるようになります。ただし、90度曲がっているので途中で石壁に突き当たります。石壁なので気が付かずにまっすぐ掘ってしまうと砂漠の下にトンネルを掘るだけになってしまい目的の部屋には到達できません。

 通路の奥には開いた鉄の扉があり、その奥に小さな部屋があります。部屋の中央には壷を抱えた少女の像とレバーがあります。少女が何者かはわかる術はありません。
 レバーは奥から手前に引っ張るように動かすことができます。
 少女像の壷には金貨が3枚入っています。


▼ 左側の通路
 左側の通路は10mほど先に進んだところで、左側に90度曲がってその先10m先の扉の向こうに部屋があります。
この通路は5cmほど砂が積もっていますが、通るには問題ない程度です。自分達が歩く前に目標値12の観察判定(知力集中+斥候or野伏レベル+【観察】によるボーナス)を行なえば、人が行き来した形跡が砂についています。
 通路の奥には鉄の扉があります。鍵はありますがかかっていません。扉を開けようと扉に触れると直線状に突き当たりの壁まで電撃の罠が発動します。2d6+9点の風属性のダメージ受けます。目標値15の呪文抵抗判定を行ない、抵抗に成功すれば装甲値で引く前にダメージを半分にできます。この罠は一度発動すると、1分間(2ラウンド)は発動しませんが、その後再び起動します。再起動する時に「カチッ」と扉から音がします。
 この罠は扉が閉じた状態でなければ発動しません。
 罠の効果は《抗魔》の呪文で相殺することができます。
 罠に気が付くためには、目標値15の観察判定(知力集中+斥候レベル+【観察】によるボーナス)、罠を解除するならば目標値15の手仕事判定(技量集中+斥候レベル+【手仕事】によるボーナス)に成功する必要があります。
 鉄の扉なので、《腐食》の呪文で扉を破壊した場合は罠も破壊されます。

 部屋に入ると、ツルハシを担ぐ男の像とレバーがあります。男が何者かを知る術はありません。 
 部屋の奥から手前に引っ張るようになっているレバーは古くなっているのか非常に硬くなっており、目標値17の怪力判定(体力集中+戦士or武道家レベル+【加重行動】によるボーナス)に成功すればレバーを引くことができます。この判定は何度でも挑戦できますが判定するごとに1点消耗します。目標値より5以上高い達成値の場合は消耗しません。この判定は1度判定するごとに目標値が2ずつ下がります。
 判定に失敗した場合は「多少は動いている。もう少し力を加えれば動くかもしれない。」とPLに説明してください。
 ロープなどをひっかけて、複数人で協力してレバーを引くといった行動をPLが宣言した場合は、代表者1人の達成値に、残りの人の達成値の10の位を加えてください。この判定で消耗する場合は参加者全員が1点消耗しますが、達成値が高ければ全く消耗しない可能性もあります。


▼ 遺跡の中央の広間 その2
 全てのレバーを引くと中央の部屋の方から地響きがします。中央の部屋にあった石版とその周囲が上昇して、祭壇が現れます。祭壇にはこぶし大の大きなアクアマリンが飾られています。
 PC達がこの部屋に戻ろうとすると、いつの間にかこの部屋には多数の荒くれ者たちが来ています。その中のローブ姿の1人の浅黒い肌の女性が祭壇の宝石を手に取ろうとしています。
 他の部屋から戻ってきたPC達一党を見ると
「おぬしら良くやった。もう用はない。黙ってここから去るがよい。」と、PCらをここから追い出そうとします。
もし、出て行こうとしないなら、
「せっかく、この私が見逃してやろうと情けをかけているのに。」
と半ばあきれ顔で戦闘を仕掛けてきます。


▼ 最終戦闘
 ローブの女性らを倒そうと試みるならば戦闘になります。彼らと戦うことを諦めた場合や逃げ出した場合はその時点でクエストは失敗になります。
 PC達の存在は最初から気が付いているので不意打ちを受けることはありません。

■闇人(ボス)×1
■邪神官×PCの人数
■仕掛人×PCの人数
■傭兵×PCの人数
■追剥(最初の戦闘で逃した全員)

〔ハードモード〕傭兵は【挑発(初歩)】(達成値18[2d6+11])を習得しています。

 この戦闘ではモラル判定は行ないません。しかしボスを倒せば戦意を喪失し、自動的に全員逃亡しようと試みます。

●戦術について〔ハードモード〕
闇人は呪文を使用します。
傭兵は【挑発】を前衛に使用します。
追剥は闇人や邪神官などを【護衛】します。(追剥は捨て駒です)
仕掛人は投げナイフで後衛を集中的に攻撃します。


▼ 遺跡の中央の広間 その3
 祭壇は魔法装置の起動装置になっているようで、祭壇にはアクアマリンに触れて念を込めると魔法装置が起動するようになっていると書かれています。目標値15のいずれかの呪文の発動判定と同じ判定を行ない、成功すれば魔法装置は起動します。この判定は1度行なうごとに1点消耗もしくは呪文使用回数1回を消費します。
 起動すると、地響きとともに水の音がします。外へ出ると遺跡の屋根の尖端から水が噴出し、太陽の光で虹が見えます。
 魔法装置の起動をとめるには同じように集中することで止められますが、判定の必要はありません。
 祭壇にあるアクアマリンは簡単に取り外すことができます。


▼ 帰還
 祭壇からアクアマリンを持って帰還すればミッション成功となります。単純にアクアマリンを渡した場合は、サファッドは喜んで残りの財宝は好きにしてよいといいます。
 もし、遺跡の魔法装置についてサファッドに説明したのなら、「砂漠の真ん中にある水をくみ上げる装置は非常に重要だ」と大変喜び、さらに銀貨を1人10枚ずつ追加で払ってくれます。
 今後は『黒い太陽』の残党から付け狙われるかもしれません。報酬に加え、経験点1000点と成長点3点を獲得します。

 アクアマリンを闇人に奪われたあるいは放置して帰還した場合はミッション失敗となります。この場合、遺跡から入手した財宝を折半することになります。
 アクアマリンが『黒い太陽』に奪われ、遺跡が乗っ取られた事が知れ渡るため、新たに『黒い太陽』の討伐ミッションを依頼されることになるでしょう。成長点3点を獲得します。

いずれにしてもPC達一党の新たな冒険が始まります。


▼真相
 『黒い太陽』はこの遺跡の施設が今では使われなくなった水を汲み上げる施設である事を既に知っており、ここを拠点として利用しようとしていましたが、捜索早々に左側の部屋の電撃の罠で仲間を失ったので、冒険者を利用してここを探索させ、施設が起動させられる状態になったところで乗っ取る計画だったのです。
 『黒い太陽』は何も知らない第三者を仲介してサファッドヘ権利を売り払い、起動させたら取り返す計画でした。
 もっとも、計画の詳しい話が末端まで行き渡っていなかったので、部下たちはまだこの遺跡で待機していたのです。


▼PLが突拍子もない行動をしたら…
 このダンジョンは砂の中にある石壁なので《隧道》を使用すれば、通路も部屋も関係なく砂の中を移動することが可能です。
 石喰いをまだ倒していない状態で《隧道》で勝手な場所に移動しようとした場合は、突如として砂の中から出て来る石喰いの群れに四方八方から襲われます。ここで倒してしまえばもう石喰いは出現しません。
 遺跡の地下が金属製で覆われているので真下には《隧道》では移動することはできません。
 もし、この地下の金属を《腐食》の呪文などで破ってしまったら、地下にある水を汲み上げる装置は壊れてしまい、魔法装置は起動しなくなります。3つのレバーを動かしても何も起こらず、『黒い太陽』たちが現れても、目当ての装置が起動しないため腹いせに攻撃してきます。そして、アクアマリンを入手する手段が失われるのでミッションは失敗になります。

2019年7月19日金曜日

なんとも惨いことに

なんとも惨い事件になってしまいましたね…
犯人は自分と同じロスジェネ世代。
今回の犯人がどんな理由で行為に及んだのかは判りませんが、家族もなく守るべきもの無く自暴自棄になって狂行に出る人がこれから次々出てもおかしくない時代になってしまった気がします。

2019年7月17日水曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG シナリオ作成の要点

2020/11/19 一部修正

 結構売れてるようですが、根本的にシナリオが足らない感があるので、GMをする人は自分でシナリオを作ってみましょう。


基本的なシナリオ作りのポイントはp525~p531に記述されていますので、そこに補完する内容です。先日書いた内容をまとめたようなものです。

●システムの特徴

 このシステムは2d6を使った判定としてはかなり判定基準値に幅があるため、得意な判定は大抵成功する、苦手な判定は大抵失敗する、といった事が明確になっています。
 したがって、例えば「移動力を使用しない」「戦闘は常に全力が出せる」「休息がいつも安全に行える」といった常に安定した状況であったり、同じ判定ばかり要求すると特定の能力に偏ったキャラクターだけが活躍して全くバランスを取ることが出来ません。

 また、一般的な戦闘重視のTRPGと同じ感覚でシナリオを作るとほぼ間違いなくバランスが悪くなってしまいます。これはブレイクスルーである呪文や因果点の効果が大きいため、一つ一つの戦闘毎にバランスを取ることが困難だからです。
 消耗や継戦カウンターといった要素を考慮してシナリオ全体で戦闘バランスを取る必要があります。



●どんなところを楽しんでもらうのか

 職業制のシステムの場合、シナリオを作るうえで職業ごとの役割や見せ場を用意するというのが一般的です。しかし、このシステムの低レベル帯(冒険者レベル1~3)では、あまり明確な役割分担をさせる必要がありません。特定の職業に就いていなくても特殊な技能以外は誰でも判定できる事と、低レベルでは職業による判定ボーナスより能力値による判定ボーナスの方が大きい事もあり、斥候でないキャラクターの方が罠解除能力が高かったり前衛職として戦士や武道家だけでなく斥候でも問題なく前に立ててしまうからです。職業別の見せ場作りは冒険者レベルが4以上になってからでも遅くありません。

 低レベル帯(冒険者レベル1~3)では消耗・継戦カウンター・呪文のリソース管理に力点を置いた方が良いでしょう。


●判定に使用する能力値の決め方

 判定能力値が12個もあると考えると複雑に感じますが、実際には体の「どの部分を」「どのように」使うかという2つに分けて考えると解り易いです。
 どの判定を用いるかは、大体以下のようなイメージで使用すると良いです

スタミナや筋力を使う判定→体力点
精神力や意志力を使う判定→魂魄点
手先の器用さや俊敏さを使う判定→技量点
知識や知覚を使う判定→知力点

短時間の能動的に行う判定→集中度
長時間に及ぶ行動の判定→持久度
瞬間的で受動的に行う判定→反射度


 戦闘中には集中度・反射度を使用する判定が多い一方、持久度は殆ど使用しません。
 しかし、戦闘中以外の行動は「○○し続ける」といった持続的な行為が結構あるので、能動的・受動的にかかわらず長時間継続する行為の判定は持久度を判定に使用しましょう。
 非戦闘時に持久度を用いた判定を積極的に使用すると能力値の使用頻度にバランスを取ることが出来ます。

 特に消耗するかどうかの判定で持久を使った判定を導入することで、戦闘における持久度の重要性を示すことが出来ます。


●移動力の活用

 移動力はスクエア戦闘などのハウスルールを採用していない限り使用することはあまりありません。目的地までの移動など多少で良いので移動力の差が影響するような判定などを盛り込むとよいでしょう。


●目標値の決め方

 シナリオ中でPCに何らかの判定をさせる場合の目標値は

冒険者レベルや職業レベルを足せる能動的な判定:冒険者レベル+10±2
冒険者レベルや職業レベルを足せる受動的な判定:冒険者レベル+12±2
冒険者レベルや職業レベルを足せない一般技能判定:12±3

くらいが妥当かと思われます。
 能力値による基本値が5、2d6の出目が5、職業レベルは冒険者レベルと同じ、技能は特になしを基本としています。高レベルシナリオの場合は技能をいくらか習得している事を考慮し、上限を4~6レベルでは+1、7レベル以上では+2しても良いでしょう。
 能動的な判定が受動的な判定より低めなのは、能動的な判定はPLが行動を宣言しない限り判定を行わない為です。

 〔熟練者向け〕:目標値を2段階に設定し、上記の目標値+5で通常の成功より良い結果を得られるようにすると、能力値・職業・技能を専門化する価値も出ます。
 より良い結果が得られる効果は例えば、
①行った行動にさらにボーナスを得る
②本来は成功しても消耗するところを消耗せずに済む
といった追加効果を付けるとよいでしょう。

 「出来る」と「出来ない」の間に「出来るけれど疲れる」という状態を挿入することで、PLの思い通りシナリオは進むが徐々に疲弊するという消耗ルールの特徴を効果的に表現することが出来ます。

 また、判定に成功しないと話が進まない状況で判定に失敗した場合は「酷い目にあったが何とか乗り越えた」という扱いにすることで、成功した場合より多くの消耗や負傷などの代償を伴うが望む行動は出来たことにするのも良いでしょう。


●リソース

 このシステムで重要となるリソースは「消耗」「継戦カウンター」「呪文」です。因果点は事故救済も兼ねているのでここではリソースとみなしていません。途中の戦闘や罠による負傷も回復させるために呪文のリソースを消費するかの程度で負傷自体をリソースとして考える必要はあまりありません。
 低レベルの単発シナリオの場合はこれらのリソースを満遍なく消費するように組み立てた方が良いでしょう。あくまで途中の戦闘はリソースを消費させる手段の1つと考えたほうが良いでしょう。


 ボス戦前に消耗が(継戦カウンターによるものを除く)3~5、継戦カウンター8~10、呪文1人1~2回使用くらいがリソース消費の目安です。これ以上浪費させるとPLがビビって行動できなくなる可能性があります。
 消耗は成功したら0または1、失敗したら1d3消耗するくらいの判定を2~3回ほど行うと丁度良くなります。
 序盤は目標値を低く消耗量も控えめで、中盤以降に消耗しやすく設定しましょう。序盤から消耗量が多いとPL達は「このシナリオは消耗が激しい」という錯覚を生じて行動が慎重になりすぎます。序盤は楽勝ムードを演じさせてPL達に勢いをつけさせる方が良いでしょう。

 〔熟練者向け〕:消耗する判定を4~6回分用意する代わりに、呪文を使用したり行動を工夫することで判定を回避できるようにしたり、上記の目標値の決め方で述べたように高い達成値を出す事で消耗を減らせるようにしても良いでしょう。


 継戦カウンターは標準の2回のモブ戦のみ場合、地形効果や増援などの工夫をしないとなかなか8~10進めるのは難しいです。継戦カウンターを進めるには戦闘回数を増やせば簡単ですが、プレイ時間が間延びするのでできれば戦闘2回でそこまで進められるようなギミックを用いて変化をつけると良いでしょう。
 標準のモブ戦では冒険者Lvと同じLvをPCと同数~2倍となっていますが、それよりも弱い敵をもっと沢山用意する方法もあります。(詳細はボス戦の項目を参照)

 〔熟練者向け〕:冒険者と同じレベル以下のモブを冒険者の半分以下の数の門番や見張り、非戦闘要員などとの遭遇を1シナリオ中に1~3回程度通常の戦闘以外に用意します。こういった遭遇は一瞬で倒せるのですが、戦う以上は継戦カウンターを消費するので速やかに排除する術も必要となります。
 これらは基本的には1ラウンドで処理できることを想定した敵なので、プレイ時間に余裕がなくPL達の同意が得られる場合は「1ラウンド消費して全滅させた」と扱ってしまっても良いです。また、熟練のPLであれば戦闘ラウンドを消費せず突破する手段を思いつくかもしれません。元々戦うためのイベントではないので、GMが妥当だと思えば判定や呪文の使い方次第で戦わずして突破する事を認めても良いでしょう。
 時間の無駄にも見えますが、もしこういった戦闘が無いと「戦闘は常に全力で戦えばよい」思考に陥ってしまいがちです。熟練PL相手ならばリソースを使うべきか否かを状況判断させる事もゲーム性となります。


 呪文はボス戦前に平均1人1~2回分くらい消費する機会があるのが理想的です。呪文の消費量は消耗や継戦カウンターなどの他のリソースと連動しています。
 例えば《追風》を使って移動力を上げれば長距離移動による消耗する判定回数を減らせたり、《火球》で範囲攻撃すれば弱い敵を早く殲滅出来て継戦カウンターを進まなくすることができます。
 呪文を使用するかどうかの判断はPLがすることなのでGMとしては予測は出来ないのですが、戦闘以外で用意したイベントでも、特定の呪文を効果的に使用した場合どう処理するかをあらかじめ予測しておくと慌てなくて済みます。キャンペーンやプレロールドならPCが使用できる呪文は大体把握できるのでよりイメージしやすいです。

 このシステムでは途中のイベントを全て呪文で片付けて楽々乗り越えられたとしても全く問題はありません。その場合は、最後のボス戦でほぼ呪文が尽きていることになるでしょうから、正面からの殴り合いで決着をつける事になります。逆に呪文を温存してボス戦を呪文連打で瞬殺しても問題はありません。この場合は途中のイベントで相当苦労しているでしょうから。
 PL達が呪文連打で楽勝でイベントを攻略したにもかかわらず、なお呪文でボスが打ちのめされる場合は、ボスにたどり着くまでのイベント量が単純に不足していると考えられます。



●ボス戦

 ボス戦は最後の見せ場です。
 ただし、ボス戦にたどり着くまでに呪文や因果点を温存していた場合は瞬殺される場合がありますが、そんな事もあると割りきってしまいましょう。そういった手慣れたメンバーの場合はボスを強くするよりも、まずそれ以前のイベントをもっと手強いものにしてみましょう。

 ボス戦では強敵を少しだけ出すというのはこのシステムでは(特に単発シナリオでは)あまり良い選択ではないです。
 システム的に判定基準値の幅が大きいため、敵の命中や回避を高く設定することだけで脅威を与えようとすると「職業レベルが高い」「命中や回避の高い装備」「特定の能力値の高い種族」を極端に優遇することになり、活躍機会の公平性が損なわれてしまいます。
 ボス戦ではお供として多数のモブを出す事で、どんなキャラクターでも活躍できる機会を作り出せます。
 その際、3レベルシナリオ以上の場合は冒険者レベル+2のボスでは冒険者レベルと同じレベルのモブの支援を受けられないので、支援を受けるためにはPCのレベルより低いボスのレベルの半分以下のモブを必ず用意する必要があります。

 モブ戦・ボス戦共にPCの冒険者レベルより低いレベルのモブを出す場合は、PCの冒険者レベルとの差の倍数(1差の場合は1.5倍)だけ登場させると丁度良いかと思います。実際に戦うと敵としては弱くなると思われますが、雑魚多数に対する対策を立てなければならないのでPLが感じる脅威としては同じくらいになります。このシステムでは弱い敵だからといって沢山いると消化試合にはならないのです。
 例:5レベル冒険者に対して1レベルの怪物を出す場合は4体で5レベルの怪物1体相当と扱う


●怪物(熟練者向け)

 ルールブック記載の敵は(ホブゴブリンのような一部を除き)やや控えめな強さにしてある感じです。テキスト上は特定の攻撃に対する耐性がありそうな記述がされていても実際には耐性が設定されていなかったりします。
 おそらく低レベルでの事故率を抑えるためだと思われます。
 もしPLが熟練者ぞろいならシナリオに合わせて怪物のデータも少し加工しても良いでしょう。例えば装備している武器を変更したり、追加の攻撃手段を増やしたり、耐性をつけたりといった方法です。怪物知識判定に成功した場合は、この変更点も含めデータを公開すれば不満もないでしょう。
 単純に命中や回避を上げるだけのような安易な調整はお勧めしません。(持たせる武器を変更するなどで結果的に変化する場合を除く)

 特に単独のボスを出す場合はレベルの高い怪物を出すのではなく、既定の強さの怪物を出す代わりに大幅に改造する必要があります。ルールブック上のデータはお供を引き連れている前提ですので、単独の場合は通常の3倍以上の耐久力を与えないとお供を引き連れているボスのようには継戦カウンターを稼ぐことは出来ないでしょう。


●報酬

 報酬はp531に記述されていますが、この報酬だけでは正直少ないので、これ以外に冒険中に敵の所持品や隠された財宝などで入手できる機会を用意すると良いかと思います。
 能動的に行動をすることで報酬が増えるようにするとPLも積極的に動いてくれると思います。
 敵の武器などを回収する場合、全て持って帰られるのが嫌ならば1/2~1/3の確率で壊れて使い物ならないとしても良いでしょう。(個人的には換金率3割なのであまり気にしないですが。この場合、敵の武器などは基本的にすべて売却するものと仮定し、3割計算で財宝の一部と考えます。)
 ダイスを振って決めるランダムトレジャーを用意する場合は数値の高い出目の方がより良い報酬になるようにチャートを作成します。因果点で振り直す時に出目を+1する選択肢があるからです。

2019年7月13日土曜日

また気が向いたら…

 しばらくTRPGをする予定がないので気が向いたらまたシナリオを…と考えてます。
 シナリオ作るだけなら1本2,3時間もあれば出来るのですが、いかんせん文才が全くないので文章がただのシナリオプロットの羅列になってしまうのと、書いているうちにアイデアが煮えつまり過ぎて書くこと自体が面倒になってしまうというのが(苦笑)

 今度は5レベルを考えてますが、高レベルの場合単にキャラクターのレベルが高いだけでなくPLの技量も考慮するので、慣れない人が遊ぼうとすると多分…クソゲー化します。
 ゴブスレの冒険者レベル5は作成キャラの場合だと冒険回数12回、達成回数10回という事なので、継戦カウンターや消耗ルールはもう慣れてるから、次のステップに移っているだろうと想定してシナリオを作る事になります。

 そういえばシナリオ作っていて思ったのですが、昔は6人パーティも結構普通だったので、4時間ごとに2人ずつ交代で見張りをして12時間休息をとっていたりしましたが、3~4人パーティが普通になった今だと、野外での休息はどうするのでしょうかね。このシステムの場合呪文回復なら6時間連続休息が必要なので、4人なら2人ずつ見張りで6時間ずつ交代で12時間休息くらいですかね。3人だと見張りも辛いですねぇ…

2019年7月10日水曜日

幾つか質問送っておきました

 ゴブスレの戦闘中に起きそうな問題点をいくつか質問しておきました。
 今のところネットで話題にはなってい無さそうな内容ですが、変な論争が起きないうちに問題点は潰しておきたいかなと。

 ルールの不備は実際にプレイすると明確に判るのですが、実際にプレイしなくてもGMをしている方が圧倒的に多い自分の場合、起きそうな問題はルールを読んでシミュレートするだけで結構気づきます。
 PLだけの人だと自分の有利なルールの穴を付くのは得意でも、不利な所は見て見ぬふりしてしまうのですべての穴が塞がらないかも。GMの場合は曖昧なルールで困るのが自分なので穴は塞いでおきたい所です。

2019年7月8日月曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG入門者ガイド 11 (呪文)

 このシステムでブレイクスルー(切り札)とも言えるのが呪文です。
 使用回数は少ないのですが、非常に強力で戦況を逆転させられます。
 6時間の休息を取ることで回復できますが、容易に回復させてもらえる機会は少ないので1日の使用回数がこのシナリオでの使用回数になる事が多いでしょう。
 残り呪文使用回数が0になった場合、オーバーキャストとして2d6消耗することで呪文を使用できますが、消耗が激しすぎるので死を覚悟しなければならないでしょう。

 呪文を使用する際の注意点としては、精霊術は【精霊の愛し子】を取得していないと触媒が必要となり、精霊使いの鞄を所持しないといけません。祖竜術には竜司祭の触媒入れを持っていないと一部の呪文が使用できません(触媒を必要としない呪文しか習得しない場合は持つ必要なし)。
 真言呪文は発動体、奇跡は聖印を持つと呪文行使判定にボーナスが貰えます。これらは必ず持たなければならないわけではありませんが、余裕があれば持った方が良いでしょう。

 呪文で最も派手な活躍が出来るのは範囲攻撃呪文といえます。呪文の達成値を元に、抵抗判定の目標値、呪文の威力、呪文の効果範囲が決まります。範囲攻撃の場合達成値が高いと抵抗しにくく、威力もあって、範囲も広くなるため劇的な効果が得られることになります。
 ただし、注意が必要なのは「対象:すべて」の記述があるかどうかです。
 《火球》《竜息》《力球》《熱波》《吹雪》《破裂》の呪文には「対象:すべて」の記述があるので敵のみにダメージを与えられますが、《石弾》には記述がありませんので無差別にダメージを与えてしまいます。《石弾》の呪文は乱戦中は仲間や人質にも当たってしまうので先手を取って人質などがいない場合しか使えません。
 また、「対象:すべて」の記述があっても、対象から外せるのは視認出来るものだけです。もし、効果範囲内で視認できない場所に人質などダメージを与えてはいけないものがある場合は巻き込まれてしまいます。

 範囲攻撃呪文以外では単体攻撃呪文、回復呪文などを習得しておけば間違いないでしょう。味方を強化する呪文はある程度レベルが上がってからでもいいような気がします。戦闘が一瞬で終わってしまう事が多いからです。
 戦闘以外にも便利に役立つ呪文があるいので、レベルが上昇して覚えられる数が増えたら習得すると良いでしょう。便利呪文は使い方次第では(GM的に)かなり危険な呪文が結構あります。

2019年7月7日日曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG入門者ガイド 10 (技能)

 技能には冒険者技能と一般技能があります。
 冒険者技能は冒険や戦闘に直接関わり職業レベルや冒険者レベルを判定に加える技能と戦闘オプションなどの追加効果を得る技能、一般技能は直接冒険には関わらない技能が多いはずですが、現実には一般技能にも冒険者レベルや職業レベルを加える判定に使う技能や戦闘に役立つ技能があったりと、一般技能は単に必要な成長点が少なく上限が低いだけの技能になっています。

 技能には判定にボーナスを得るだけの技能と、特殊な行動が出来る技能、取得するだけで何らかの効果のある技能があります。
 罠解除や探索といった一般的な行動は技能を取得しなくても判定は行えます。
 特殊な行動をするためには少なくとも初歩の技能を有する必要がありますので、使用頻度の高い命中や回避へのボーナスが来る【武器:○○】や【体術】や行動順決定や不意打ち判定に用いる【機先】、祈念判定に関わる【幸運】を除けば、特殊な行動を行うことが出来るようになる技能や特殊効果を得られる技能を優先して習得しておきたいところです。

【頑健】
 生命力を上昇させます。
 生命力は低いと消耗が激しくなりやすいので、前衛・後衛どちらでも習得して損はないです。
 初歩で生命力+5なのですが、負傷による死亡は生命力の2倍なので、実際には10点もダメージを耐えられるようになるので結構効果は大きいです。
 キャラクターが成長しても自動的に生命力が増える訳でもなく、生命力を上げる手段はこの技能しかないので結構重要な技能です。

【忍耐】
 消耗のEX枠を増やす技能です。消耗の枠が増えるのは効果的とはいえ初歩より上はあまり使用頻度は高くないので、習熟以上の優先度は低いです。

【荷重行動】
 重鎧を着た時のペナルティを軽減するための技能です。拘束を振りほどく時にもボーナスがあります。装備したい鎧が荷重の制限に引っかかってしまうなら習得すべき技能です。重い鎧がまともに着られない最初は要らないかもしれません。

【護衛】
 近くにいる仲間への攻撃や攻撃呪文を庇う技能です。盾持ちの重戦士向けの技能です。盾を持っていなくても鎧を着た戦士なら初歩でよいのでとりあえず習得すると役立つかもしれません。【鎧:○○】【頑健】を合わせて取るとより有効になります。
 (追記)高位の【護衛】技能を取得していると1つの範囲攻撃に対して何人も庇うことが可能です。高い生命力が必要になりますが、徹底的に防御特化するのもありです。

【挑発】
 敵の攻撃を自分に向けさせる技能です。戦士か武道家なら初歩で良いので早めに習得すべき技能です。頭の良い敵の場合、GMはその敵にとって最適な行動をしてもよい為、近くに前衛がいても魔術師や精霊使いを狙って攻撃してきます。そういった攻撃を前衛に向けさせるためには必須です。また、ボスを支援しているモブを挑発して支援効果を打ち消すことも出来ます。
 追記:サプリメントp143~p144の記述により戦士か武道家のレベルを1レベルでも取得していないと使用できない事になっていますので斥候メインの方は注意。

【受け流し】
 受け流し効果のある武器や盾を装備した場合の回避にボーナスを得ます。【体術】による回避へのボーナスに加えられるので効率よく回避判定を底上げできます。ただし、受け流せない攻撃もあるので注意。
 なお、低レベルでは長傘のような高性能な受け流し用武器を持つのでなければ、【体術】の初歩を優先した方が良いでしょう。

【強打攻撃:斬】【強打攻撃:殴】【刺突攻撃】
 攻撃が命中した時の効力値にボーナスを得ます。技能を取得しても直接ダメージが上がるわけではありません。
 【強打攻撃:斬】【強打攻撃:殴】は体力が高いとより効果が高く、【刺突攻撃】は体力に関係ないですがやや成長率は緩慢です。
 基本的に命中を上げる以外ではこの技能で効力値を上げることでダメージを上昇させます。 
 武道家は他の技能でダメージそのものを上げる技能があるのでそちらを優先しても良いでしょう。

【拘束攻撃】
 使用できる武器は多くないですが、命中・回避・盾受け・脱出判定にペナルティを与えられるため、ボスを弱体化させる手っ取り早い手段と言えます。
 強力なボス少数を好む傾向のGMの時は特に活躍します。
 
【速射】
 連射可能な飛び道具で2回(以上)攻撃できるようになります。2回目以降は命中が下がりますが、初期キャラにお薦めの投石杖はもともと命中に+2あるので速射でペナルティを受けても十分2回目が当てられます。

【狙撃】
 狙いをつけるのに主行動が必要です。2刷で加筆されているので初刷を購入した方は注意。
 狙う事により命中とダメージがかなり上昇しますし、極めていくと射程が伸びたり大成功率が上がったりと反則的な性能になります。
 とはいえ、乱戦中に1ラウンド待ち構える余裕はあまりないので、主に不意打ちで先制攻撃する場合に使用します。

【二刀流】
 速射と異なり、2回の攻撃両方にペナルティを受けるうえに移動できないのでやや使いづらいのですが、必ず両手の武器で攻撃する必要はありません。
 【受け流し】を習得した上で、片方の武器を受け流し専用と割り切って、武道家や斥候なら長傘を持ち、もう片方の武器のみで戦うという回避盾になる事ができます。もちろん、長傘二刀流なら武器の受け流し効果で武器だけで+4も回避にボーナスが貰えます。
 …え、格好悪いって?

【薙ぎ払い】
 両手持ち武器を持つ攻撃重視スタイルならほぼ必須の技能です。専業の戦士か武道家なら初期キャラでなくともできるだけ早めに習得すべき技能と言えます。
 薙ぎ払いを行うと命中を下げる代わりに2人(技能を育てればそれ以上)に攻撃できます。命中が下がるのでダメージも下がりますが、格下の敵ならそれでも十分倒せるでしょう。
 このシステムでは迅速に敵を倒して継戦カウンターを蓄積しないように戦うことが大切です。命中もダメージも高い超一流の戦士でも1体しか攻撃できないキャラクターでは1ラウンドに1体しか倒せません。攻撃重視の戦闘職なら格下のモブを1ラウンド2体以上倒せる能力も求められます。【二刀流】や【速射】でも技能を鍛えれば可能ですが、雑魚掃討にはこの【薙ぎ払い】が最も優れています。
 毎回格上の強敵が少数しか出してこない脳筋GMですと出番ないかもしれませんが…

【怪物知識】
 判定に成功すれば怪物のデータを参照できる優秀な技能です。初歩でもよいので習得すれば判定に失敗しても名前を知ることはできますので、必ず呪文遣いの内1人は習得しましょう。
 他の技能と比べ技能によるボーナスが非常に大きいので純粋な戦闘職が習得しても結構有効です。

【魔法の才】
 いくつかある呪文遣い用技能の中で特に重要な技能です。元々呪文使用回数は0~3回しかなく、術者でも基本の呪文使用回数は1~2回しかないのが普通です。その呪文を初歩で1回追加できるのですからできるだけ取った方が良いでしょう。呪文の使用回数の増加手段はこの技能で増やす以外に基本ルールには存在しません。



 【斬落攻撃】や【瞑想】のように大きな効果を得られる代わりに技能段階の低い、もしくは低レベルのうちはあまり役立たない技能もあります。こういった技能は「達人」「伝説」あるいは高レベルでバランスを取っていると考えられます。
 特に低レベル帯では、「初歩」で今一番有効に使える技能が何かを見極めて習得する必要があります。

2019年7月6日土曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG入門者ガイド 9 (冒険アイテム)

  戦闘に使用する物もあれば、サバイバルに使用するものあり、様々な品があります。
 純粋に判定にボーナスのあるアイテムは明確で判りやすいですが、それ以外のアイテムでも上手い使い方が出来ればGMが判定にボーナスをくれるかもしれません。

 注意すべき点は持っていると移動力に-2(もしくはそれ以上)されるアイテムが結構あるということです。しかもこの効果は累積します。
 特に移動力が低い鉱人や蜥蜴人だとこのような品を複数持つだけで移動力が下がりすぎて足手まといになりかねません。余裕があれば戦闘中に使用するもの以外はロバを購入してロバに持たせると良いでしょう。
 (ただし、ロバに移動力下がるアイテムを持たせた時にロバの移動力下がるのかどうか、ルールブック上では判断できなかったので、公式に質問出しておきました。)
 (追記:公式のQ&Aにて移動力-20ぶんまではペナルティを受けないと記されました。)

 もっとも、肝心なダンジョン等ではロバが入れる場所ばかりではないのですが…

2019年7月5日金曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG入門者ガイド 8 (盾)

 このシステムの場合、盾は盾受け判定をすることで、成功すれば装甲値に盾受け値を足せるようになります。つまり敵の攻撃が確実に当たってしまう代わりに防御力が少し上がるというものです。弱いモブに対してであれば十分かもしれませんが、少し強いと単に盾を持っただけではすぐに貫通してしまいます。
 装甲値に加えるという仕様から、盾受けを有効利用しようとするには鎧も回避よりも装甲値を重視する必要があります。装備としては鎧下も併用し、技能も【盾】技能に加え、【鎧:○○】や(蜥蜴人であれば)【竜の末裔】も重ねてることで高レベルでも盾の効果を発揮する事が出来るようになります。それでも支援効果付きのボスの攻撃は厳しいので、回避特化の仲間に任せた方が良いかもしれません。

 盾にはもう一つの用途があり、受け流しにも使用できます。盾受けではなく回避するスタイルでも特に武器が片手斧や片手戦槌など武器で受け流せない場合は盾で受け流しをする事も考えられます。特に鎧が軽装で片手武器+盾というスタイルなら受け流し用の盾が選択肢になります。

 小型盾と大型盾があり、大型盾は戦士用ですが現実的には高レベル重戦士向けです。小盾、吊盾辺りが一番実用的でしょう。
 小型盾には武道家でも使える大篭手がありますが、元々鎧の装甲値が低く回避主体の武道家は無理して持つ必要はあまりありません。

2019年7月4日木曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG入門者ガイド 7 (鎧)

 鎧は3つに分類され、武道家は「衣鎧」のみ、戦士・神官・竜司祭は「衣鎧」「軽鎧」「重鎧」、それ以外は「衣鎧」「軽鎧」となっています。
 神官・竜司祭は「重鎧」を着てもペナルティがないだけで回避はできないので、あくまで戦士と兼業が出来るというだけだと考えれば良いです。武道家は「衣鎧」しか着られないので、武道家と兼業した場合は鎧が「衣鎧」しかないと考えれば良いでしょう。

▼衣鎧
 武道家が着る鎧は事実上選択肢が綿鎧しかありません。
 高位の神官や竜司祭なら司教服も選択肢になります。
 隠密性を考慮するなら布鎧もあるのですが移動力が下がるので、元々足が遅いならとりあえず鎧を着ないという選択肢もあり得ます。

▼軽鎧
 もっとも使用頻度が高いのですが、選択肢も多いです。
 野伏レベルを持つなら、狩人の外套は有力な選択肢となります。ただし、野伏自体は回避能力が無いので、戦士か斥候で回避を行う必要があります。 隠密性重視の場合は野伏の外套が有力な候補に挙がります。
 資金が出来れば胸鎧や下着鎧も選択肢となりえます。
 下着鎧はネタアイテムのように思えますが、結構実用的です。女性専用という訳ではなく男性用だと闘奴のような格好になると思えばよいです。

▼重鎧
 事実上、戦士専用の防具です。全般に高価なので初期キャラでは出自で多額の資金を入手していないと着ることはできません。
 回避が下がるので、モブはともかくボスの攻撃を避けるのは困難になります。その割に装甲値はそれほど上がりません。ただし、特定属性の攻撃に耐性がつくメリットもあります。
 体力持久が低いと移動力がかなり落ちる上、消耗しやすいという問題もあります。移動時は馬に乗るなどして足並みを揃える必要も出てきます。特に鉱人・蜥蜴人は足が遅いので重戦士をしたい場合は最大限移動力に割り振る必要があります。
 利点に比べなにかと欠点が目立ちますが、高レベル帯で【荷重行動】などの技能を取得して防御特化する前提でのバランスだと考えられます。低レベルで出自による資金でガチガチに着込むというのは無くはないですが、中レベル帯以上では中途半端に重鎧を着るくらいなら軽鎧で避けながら戦った方が無難です。
 重鎧を着る場合は大型の盾を持って、ボスを支援しているモブを【挑発】して支援効果を剥がしたり、仲間のカバーに徹するというのがスタンダードでしょう。



 実際の所、データの問題というだけで見た目は(GMの許可を得れば)無理のない範囲で自由に決めていいのではないかと思います。いわゆる「○○相当」というGM判断です。
 鎖帷子を着てメイド服だと言っても良いですが、データ上は鎖帷子そのものであり、ジャラジャラ音はするという事です。

2019年7月3日水曜日

ゴブリンスレイヤーTRPGを応援する立場として

 久しぶりにTRPG熱がでて今一番応援しているゴブリンスレイヤーTRPGですが、今後の展望として一番望まないのがPL向けサプリメントですね。
 理解不能にも思えますが、PL向けサプリメントというのは同じメンバー同士でキャンペーンなどで長期間遊び続けるための道具であり、現在のTRPGプレイ環境下では必要性を感じず、熟練者と初心者の格差をつけるだけで良いことがないと考えています。
 なにより、ルールブックが安くて覚える量が少なくて済むというアドバンテージをどんどん失ってしまうため長所が無くなります。
 というのも、膨大なデータで遊ぶならパスファインダーのようなもっとガッツリした出来の作品があるので、同じ路線では太刀打ちできません。

 とりあえずはリプレイを出版するみたいですが、確かに1冊はあってもいいかなとは思うものの遊ぶ人が増えればリプレイ動画などで事足りてしまうリプレイは複数は要らないかな。
 むしろ今はシナリオ集ですね。特に低レベル(冒険者レベル1~3)を重点的に。
 近年の安全装置やシナリオ作成ガイドラインでレールが敷かれているシステムと比べて、このシステムはシナリオでゲームバランスを取らないといけないクラシックなところがありますし、GMはしたいが自分でシナリオを作る自信がないとか、時間が無いといった人も今は多そうな感じです。仲間内だけで遊んで失敗して経験を積んだ昔と違い、限られた時間で失敗なく見知らぬ相手と遊ぼうとなると、公式シナリオであるという安心感はGMだけでなくPLの方も感じるはずです。

 電子データならシナリオ一本ずつでも売れますし、ある程度まとまったら書き下ろしを加えて書籍化して売ればいい事です。
 シナリオアイデアを募集して、公式で良い作品を添削して公式シナリオとしても良いとは思います。「添削します」という前置きで募集するならそれがNGな人は参加しないだけでしょうし。

2019年7月1日月曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG入門者ガイド 6 (武器)

サプリメントを採用されている方はこちらを利用してください。

2020/04/11 補足

 様々な武器種が用意されていますが、良くあるファンタジーのシステムと比べるとかなり特徴的なシステムとなっています。最初からすべての武器が選べるのですが、実戦で使うにはある程度レベルが上がって技能を習得しないとまともに使いこなせない武器が普通に並んでいます。しかし、使う上で特別レベルや技能による制限がついているわけでもないので、有効かどうかを自分で判断する必要があるのです。

 こういった仕様は装備だけでなく、技能や呪文でも同様のことが言えるですが、特に武器は見た目のイメージが影響して有効かどうかの判断を誤りやすいと言えるでしょう。




▼片手剣
・命中が全般に低い
・受け流しが出来る武器が多い
・斬落の技能が使用できる武器が複数ある
・殴刺斬すべてに対応した武器がある

 一般的なファンタジーではスタンダードな武器種ですが、このシステムでは最も扱いが難しい武器種です。命中修正±0の武器は短剣しかなく、それ以外は全て命中-2以下です。
 【強打攻撃】【受け流し】などを習得し、魔法の武器を入手したり、呪文による支援や強化があるとその真価をようやく発揮できます。
 戦士用の武器では唯一片手武器でかつ受け流しが出来る為、高レベル帯では大型の盾を装備する重戦士にも向きます。また、【受け流し】が達人になれば剣と盾の両方の受け流しボーナスが得られます。
 剣は「便利な武器」であって「強い武器」ではありません。はっきり言って低レベルでは性能を引き出せないので非推奨です。主武器とするなら少なくとも戦士や斥候レベルが5くらいになってからにしましょう。



▼両手剣
・戦士専用武器
・命中が全般に低い
・基本的に両手持ち専用
・受け流しが出来る武器が多い
・斬落の技能が使用できる武器が複数ある
・殴刺斬すべてに対応した武器がある

 片手剣同様かなり扱いにくい武器です。ただし、片手剣に比べれば命中修正±0でそこそこ実戦で使える湾刀があるのでまだ初期でも使えそうです。火力が全体的に高いので当てられるなら十分な攻撃力が確保できます。
 真価を発揮するのは片手剣同様に、技能を習得し、魔法の武器の入手や呪文による支援があるようになってからでしょう。


▼斧
・全体的なバランスは悪くない
・基本的に受け流しは出来ない
・大型のものは扱いにくい
・投擲に特化した武器がある

 斬属性がメインの攻撃重視型の武器です。扱いやすい武器は限られていますが、命中修正±0の武器であれば初期でも使いこなせます。
 戦斧は両手武器として使用できるが長大ではなく、命中修正が±0という事もあって薙ぎ払い向きです。
 受け流しは基本的にできない為、両手持ちの場合は回避が低くなりがちです。
 投擲に特化した軽武器があるので、戦士/野伏の兼業向きの武器種とも言えます。


▼槍
・全体に命中は低く、扱いやすいものは限定的
・大型のものはかなり扱いにくい
・基本的に刺突武器なので技能によるダメージ効力値の伸びが悪いが、体力点の低いキャラクターならば有用

 刺属性が主体の武器で、圃人のように体力点が低いキャラクター向きの武器です。ただし、【刺突攻撃】は斬や殴の【強打攻撃】に比べ技能段階が低いうちは効果が少ないため熟練冒険者でないと性能を発揮できません。
 両手持ちの槍で薙ぎ払いをする場合は柄で足払いをするような形となります。メインの刺攻撃では薙ぎ払いが出来ないので補助的な攻撃手段となります。
 両手武器には受け流しが出来て命中修正±0の武器もあるので、これらなら初期でも使いこなせます。
 長大なものは軒並み命中が低いので初期で使いこなすのは難しいでしょう。


▼戦槌
・一部を除いて命中が高い
・殴もしくは刺の単一属性
・受け流しができない
・薙ぎ払いができるのは基本的に長大な武器のみ

 命中が高く安定感抜群の武器種です。戦士用片手武器なら槌鉾がお薦めです。このシステムでは命中がダメージにも直結するので、命中が高い=威力が高いという事になります。
 欠点があるとするなら、薙ぎ払いが長大な武器でしか行うことができません(実際には円匙で可能ですが…)。狭い場所だが一度に複数体倒さなければならない状況では不向きです。
 また、武器では受け流しが出来ないため受け流しを活用するなら盾で受け流す必要があります。両手持ちなら受け流しは出来ません。
 攻撃手段は殴または刺の1種のみで、特定の属性の攻撃手段が必要な場合は武器を使い分ける必要がありますし、斬属性が必要な場合は他の武器種も併用する必要があります。


▼棍杖
・全て殴属性の両手持ち武器
・一部を除いて命中が高い
・威力は両手武器としては控えめ(重武器を除く)
・魔術師や司祭向けの特殊なものが存在する

 基本的には武道家用ですが、軽武器なら斥候も使用できます。命中が高いので低レベルでは非常に役立ちます。
 魔術師や司祭の呪文の達成値を上げる追加効果付きの武器も存在します。
 鞭もこの武器種に含まれます。
 殴属性しかないので刺・斬属性が必要な場合は他の武器種を併用する必要があります。


▼格闘武器
・全体に命中高め
・多くの武器が片手と両手両方で使用可
・二刀流と薙ぎ払いの両方使用できる武器が存在する
・武闘家用技能の【発勁】が使用できる
・大半は投擲不可

 基本的には武道家用ですが、基本ルールの格闘武器は全て軽武器なので斥候も全て使用できます。
 1種の武器で片手武器用の技能の【二刀流】と両手武器用の技能の【薙ぎ払い】が使用できるものもあります。ただし、二刀流をする場合は両手にそれぞれ武器を装備する必要があります。こういった武器は本来片手用の装備で、もう一方の空いた方の手で武器を持った腕を支えて使うことで両手武器として使うイメージです。それ故二刀流をするなら2つ装備が必要となる訳です。
 受け流しに特化した武器として長傘があります。
 【発勁】の対象であり、技能を習得することでその真価を発揮する武器種ですが、命中も悪くないので低レベルから使えます。
 投擲用以外の武器を投げることは稀でしょうが、格闘武器は一部を除き投擲が出来ない点は注意が必要です。


▼投擲武器
・そのものを投げる武器とスリングのような投石武器の両方がある
・スリング系は命中が高く低レベルで有用
・そのものを投げる武器は趣味性が強い
・只人は初期から技能持ち
・他の武器種に属する近接武器も投擲するときはこの技能が使用できる

 遠隔攻撃手段の一つである投擲武器ですが、スリング系の投石杖が低レベルでは非常に有効です。武闘家、斥候、野伏のいずれかで使用できるため、後衛の術者はサブ職業としてこれらいずれかの職業を習得しておくと呪文を使用しなくても十分戦力となります。
 スリング系が強いのは命中が高く、【速射】が使え、弾の補充が容易だからです。
 そのものを投擲する武器はかなり強力なものもあるのですが、高価なのに投げると失う可能性もあるので低レベルではあまりお勧めしません。
 投擲可能な近接武器はその武器種が属する武器技能か【武器:投擲武器】の技能かいずれかを使用して投擲できます。また、投石杖は投石するときは【武器:投擲武器】を、棒で直接殴る時は【武器:棍杖】を使用します。


▼弩弓
・野伏専用武器
・全体的にはスリング類に比べ扱いづらく、高レベル向け
・【速射】【曲射】の技能を鍛えることで真価を発揮
・一部の例外を除き刺武器
・森人は初期から技能持ち

 野伏専用な上、【速射】や【曲射】を極めることで実用的になる、近接武器の剣と同じポジションの熟練者向け武器です。
 弾を拾うだけで使えるスリング類と違い弩弓は矢・太矢などを購入しなければいけません。低レベルでは結構負担になります。
 大型の弩弓は射程が圧倒的に長いのが特徴で、この点は投擲武器より優れています。
 抱大砲を除き刺属性なので敵によっては投擲武器と使い分ける必要があります。
 森人は初期から技能を有していますが、低レベルで使いこなすには難しいので森人でも低レベルなら投石杖を持った方が無難かもしれません。




 全般に言えますが、低レベルは単純に命中を最優先して武器を選ぶと良いと思います。
 例えば命中の低い只人の戦士だと固定値なら技量集中5、戦闘職の職業2レベルとすると基準値7。
 基本となる雑魚モンスターのゴブリンの回避値が12なので当てるためには命中13が必要です。戦士の場合は命中+1の武器までしか持てないので、命中+1の武器を持って【武器:○○(初歩)】を習得すると出目が4で命中します。もし、命中-2の武器を持ったら7出さないといけない為、命中率が劇的に落ちてしまいます。
 元々命中の高い鉱人ならもう少し選択肢もありますが、技量集中が高くない只人では命中を最優先せざるを得ないのです。
 一人前でもない者が格好をつけると痛い目に遭う、そんなコンセプトのシステムになっています。


 なお、高レベルではGM(やシナリオ製作者)の嗜好によってどの武器種が有用となるのかが異なります。少数の単純に数値の高い敵を多用しルールブックのデータを加工せずにそのまま使うGMですと槌・棍杖・投擲武器が低レベル同様有効ですが、遮蔽や狭い場所といった地形効果や弱い敵多数を組み合わせたり耐性を持っていたり特定の攻撃属性に追加効果が付くといった、変化のある戦闘を好むGMの場合は剣・斧・槍・弓弩が有効になるでしょう。
 自分のGMがどういった傾向の戦闘を好むかを見極めて対策を立てる必要があります。