2019年6月29日土曜日

3回目の正誤表

https://ga.sbcr.jp/sp/goblin_slayer_trpg/

発売されて3度目の正誤表が出てます。
正誤のレベルではなく記述の変更という感じのものも結構あります。
7月に2刷が発売される事になってますが、修正箇所が結構多いので初刷がβ版っぽい感じに…
もう一冊買い直すことになるかも。

2019年6月28日金曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG 自作簡易スクエア戦闘ver3

11/29 一部表記変更&改訂

スクエア戦闘は位置把握が楽ですが処理が大変になるのでさらに簡単なルールにしてみます。
あくまで位置把握がメインでタクティカルな戦闘がしたい場合は別のシステムを遊んだ方が良いと割り切ってます。

今回は斜め移動無しの簡略化したスクエア戦闘ルール

・1スクエアはおよそ5m四方扱い
・同じスクエア内には基本的には何人でも入れる
・同じスクエア内にいる敵味方はお互いに5m以内の「近接距離」の間合いにいるものとする
・非常に大型のモンスターの場合、縦横2マス(合計4マス)を「近接距離」と扱う
・広範囲のモンスターの「近接距離」内を移動して移動阻止されてもそのモンスターの「近接距離」内であれば移動することが可能
・隣接するマスにいる敵と味方は5mよりは離れているが10m以内にいるかのように扱う
・(移動力-5)÷5マス(端数切捨て)移動できる。斜め移動はできない。
・移動力が9~1で移動可能マスが0以下になってしまった場合でも1マス移動できる。移動力0以下は移動できない。
・2倍の走行、4倍の全力疾走の場合は(移動力×2-5)÷5、(移動力×4-5)÷5という計算を行う
・射撃武器や投擲武器で他のマスに攻撃をする場合も同じ処理をする。ただし、そのマスのいずれの角からひいたラインも攻撃マスの角が遮られている場合は射線が通らないとする。

移動力及び遠隔攻撃の射程と移動&射程マス数


例:移動力23の森人の移動は通常で3マス、走行で8マス、全力疾走で17マス移動できます。
消耗によって移動力が半分になると、通常で1マス、走行で3マス、全力疾走で8マスになります。

例2:移動力12の鉱人の移動は通常で1マス、走行で3マス、全力疾走で8マス移動できます。
消耗によって移動力が半分になると、通常で1マス、走行で1マス、全力疾走で3マスになります。

                                                                                                                                   
呪文などの範囲に影響する場合、以下のように処理します。

効果範囲が、
半径1m~2m  指定した個人+そのマスの中の人は2d6+【幸運】判定をして7以下の人
半径3m     1マス全体
半径4m     縦横2マスの内、1マスは全体+残りの3マスの人は2d6+【幸運】判定をして7以下の人
半径5m     縦横2マス全体
半径10m以上    以下の■マス
  10m   
□ ■ ■ □ 
■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■
□ ■ ■ □ 

  15m
□ □ ■ ■ □ □
□ ■ ■ ■ ■ □
■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■
□ ■ ■ ■ ■ □
□ □ ■ ■ □ □

  20m

□ □ □ ■ ■ □ □ □
□ □ ■ ■ ■ ■ □ □
□ ■ ■ ■ ■ ■ ■ □
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
□ ■ ■ ■ ■ ■ ■ □
□ □ ■ ■ ■ ■ □ □ 
□ □ □ ■ ■ □ □ □ 


追記:今回、移動できるマスを(移動力-5)÷5としたのは、「隣接するマスにいる敵と味方は5mよりは離れているが10m以内にいるかのように扱う」というルールに沿うためと射撃ルールと統一するためです。

2019年6月25日火曜日

2d6のシステムなのになぜ修正値の幅が大きくて成り立つのか

 ソードワールドも2d6のシステムですが、以前から2d6のシステムで判定修正値が2も差があったら話にならないと言われたりして来ました。
 ところがゴブリンスレイヤーTRPGは2どころか武器の命中差が武器によって4以上も差があったり、能力値の判定基準値にも4以上差があったりします。こんなに差があってゲームとして成立するのか自分も疑問でした。


 そもそもなぜ2d6のシステムで判定修正値が2も差があったら話にならなかったのか考えると、原因が判ります。
 役割分担が明確で専門家が判定する、PCが強くなると目標値も同じように上がっていくという事が当たり前なら、専門家が判定しても成功するか失敗するかというところでゲーム性を出そうということになります。
 この方法の場合、GMが設定する目標値は想定される判定基準値の上限に近い所でゲームバランスを取ろうとします。

 ゴブリンスレイヤーTRPGは専門家でなくとも判定できますし、低レベルの頃は技能レベルより能力値の方が影響が大きかったりします。
 判定基準値が5以上違うのに2d6のシステムでゲーム性を成り立たせるなら、得意な人は1ゾロ以外失敗しないくらいの値にしないとある特定の判定によって起こり得る達成値の中央値が目標値と同じくらいになりません。
 (目標値は能動的な判定は冒険者Lv+10±2、受動的な判定は冒険者Lv+12±2位が妥当でないかと思われます。)

 実際に運用するとなると以下のようになります。
 
 命中判定の場合、さすがに低レベルでは命中の低い武器は推奨しませんが、レベルが上がれば用途があります。ある程度レベルが上がっても比較的回避値の低い敵と戦い続けるこのシステムの場合、命中を自分で下げて複数の敵を倒したり、強敵だが普通に当てられる敵に斬落を使って大成功による痛打を狙うという戦い方も選択肢として出てきます。
 命中の高い武器で当たるかか当たらないか瀬戸際の勝負で戦う敵は一流の戦闘職にとってはそれほどありません。(実際に限界ギリギリ回避値の高い敵を用意すると、消耗などで判定基準値が下がった場合に全く当てられなくなって事故が起きます。判定基準値は良く下がりますが上げる手段はあまりないのです。)
 
 罠の場合、PLの宣言なしで自動的に罠発見の判定をGMがさせるのではなく、罠がありそうな演出をしたうえで、PLが「その場所の罠を探す」といった宣言をして初めて探索判定をさせます。この目標値は低めで良いのです。
 「罠を探す」と宣言した時点で高い確率で罠が見つかることになりますから、何もPLの宣言なしに罠を探す判定をさせては楽しくなりません。

 受動的な判定の場合、悪路の強行軍することによる体力持久+冒険者レベル+【長距離移動】によるボーナスといった判定で目標値13で、失敗したら1d3消耗といった場合、初期キャラ・固定能力値ですと只人なら基準値9、森人なら基準値3となり、只人なら運が悪くなければほぼ成功しますが森人ならなかなか成功しません。運ゲーという訳ではなく最初から只人なら成功するが森人では困難な事を想定して用意されている判定です。


 結局のところ、何をしたいかをPLに判断してもらう代わりに全般に比較的低い目標値で設定すれば2d6判定で判定基準値に大きな差があってもゲームとして成り立つという事です。もし、2d6で7~9くらいを出す事で成功するように目標値を設定してしまうとPL達はより成功率を上げる事ばかりを考える考えるようになってしまうものです。
 目標値が冒険者Lv+10±2というのは能力値5、2d6の出目5というのを基準にしています。「判定能力値が高い」「職業Lvが冒険者Lvより高い」「対応する技能を持っている」が揃っていれば楽勝、どれも足らないとかなり厳しい、そんなバランスで目標値を設定すれば良いのではないかと考えています。

2019年6月24日月曜日

ゴブリンスレイヤーTRPGの短所と長所

短所
・文字が小さい
・エラッタが多い
・ルールブックの参照性が悪い
・どの行動がどの判定なのかわかりにくい
・ゲームバランスがGMやシナリオに依存してる
・原作モノ

長所
・価格が安い
・新しくて入手しやすい
・TRPGの遊び方の教科書的記述がある
・ルールが簡単
・単発シナリオが作りやすい
・原作モノ


 短所としては、ルーブックはもう少し読みやすく作って欲しかったかなと。一つの行為に対するルールがあちこちに跳んでいてわかりにくいです。
 誤植の多さも問題ですね。単純な誤植だけでなく、詰めが甘い所もちらほら。気づいた点はいくつも質問を出しました。(追記:2刷ではかなり修正されています)
 あと、コンセプト上仕方がないのでしょうが、ゲームバランスがGMやシナリオに依存しているので同じゲームをしているのか疑う位に楽勝な場合とシビアな場合が紙一重です。
 程よい緊張感を保つプレイをするにはそれなりにGMの技術を要します。


 長所は解り易く、単に容易に入手できて安く、その割にはしっかり出来ているという事です。実際に遊ぶとD&DやSWで十分という人も確かにいるでしょうが、しっかり作られたシステムは何分冊にもなったりと、そもそもルールブックが高くて手が出し辛いというのが欠点です。
 あと、この系統のシステムは絶版モノが多いので、いくら良いシステムでも中古探しをしないと遊べないようなものではお勧めはできません。

 また、最近のシステムらしく、TRPGの遊び方やトラブルが起きないためのマナーなどの記述が非常に丁寧に書かれています。入門者には非常に参考になるでしょう。

 判定する能力値は少々判りにくいですが、判定そのものは簡単なのと、実の所2d6システムのわりに判定基準値に幅が広く、しかも底上げ手段が口プロレス以外にほぼ無いので目標値を高く設定する必要が無いというのがGMとしては楽です。
 原則的にPLの能動的な行動は目標値低め、受動的な行動はやや高めにしておけば問題ないです。
 そもそも何をしたいか行動を宣言した時点で行動の半分は成功しているようなもの。古いスタイルかもしれませんが、GMに行動を指定された判定で高い達成値を出す努力するものではなく、どんな行動ができるか・したいかを考えるゲームだと思えばよいです。

 あとは、単発シナリオが作りやすいと思います。キャンペーンとなるとショートシナリオの連続で伏線を張って最後に本編で繋げていくテクニックが必要でしょう。


 原作モノであることは長所でもあり短所でもあります。
 これは原作モノゲームの宿命ですが、ゲーム性を取ると原作と合わなくなり、原作にゲームを合わせるとゲームバランスがおかしくなるからです。
 知名度がある事は良い点ではありますが。

 もう一つ一長一短なのは、武器・技能・呪文どれも低レベルで使いやすいものと使いにくいものが明らか設定してあるので、GMがキャラ作成時にアドバイスをするか、プレロールドで初心者向けに扱いやすいキャラクターを用意したほうが良いという事です。(正直、サンプルキャラの只人の剣士自体がブラックジョークだと思うのですが…)

 PLとしては初心者でもまったく問題なく遊べる簡単なシステムですが、GMの方は柔軟な対応が求められるのでやや熟練者向けな感じはします。経験を積んだGMのサポートさえあれば遊びやすいシステムだとは思います。

2019年6月23日日曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG プレイ検証

 実際のプレイ検証をすると、最初のモブ戦が非常に重要という気がします。
 今回のプレイでは、3回の戦闘は
PCの人数と同じモブ→PCの人数の2倍のモブ→ボス1+PCの人数の2倍のモブ
という基本構成に、敵を弱くする代わりに数を増やす補正をつけたものを使用しましたが、最初の戦闘の敵の数が少なすぎたかなという感じです。

 最初の戦闘から敵は弱くても良いので結構多めの数を出しつつ、その状況から後の戦闘の敵の数を調整した方がいいのかなと。というのも、最初の戦闘から呪文をぶっ放してもらわないと、呪文や因果点があり余って最終戦で全然ピンチを演出できない感じです。
 しかも、継戦カウンターも全く進みません。

 コンベンションではPLの熟練度が手探りになるものの、最初だから練習でーと思ってると最後まで呪文が余ってしまいます。1シナリオで戦闘はたった3回ですのでモブ戦とはいえ最初から緊張感のある戦闘を用意したほうが良さそうです。
 プレイ時間に余裕があるなら、チュートリアル戦闘は標準の3回の前にもう1回したほうが良いかもしれません。
 この場合は、チュートリアル戦闘→休息→モブ戦×2→ボス戦といった感じです。本編の前に休息時間を与えればまず大丈夫でしょう。

ちなみに、今回はキャラ作成1時間半、プレイ時間2時間半くらいでした。
プレロールドなら4戦でも時間内に収まる思います。

2019年6月22日土曜日

薄氷の圧勝

ゴブリンスレイヤーTRPGのGMしました。
冒険者レベル3(経験点8000、成長点52)でPL4人


ガンビット+因果点でほぼ雑魚壊滅…ボスのトロルも1ラウンドキル
最初からそういうバランスのゲームだと判っていましたからこんなものでしょう。
因果点5スタートでしたが、今回のメンバーだったら途中でもっと因果点を使いたくなるような危機を用意しないといけなかったかなとも。呪文で因果点乱用されてしまったので。

それと想定以上に薙ぎ払いが猛威を振るいましたね。鉱人戦士5lvと蜥蜴人武道家5lvが容赦なくバッサバッサと薙ぎ払ったので一瞬にして中ランクのモブまで呪文使わずして瞬殺されてしまいました。

結局PCにダメージを与えられたのは鉱人戦士が1ゾロを振って避け損ねた(ウルフの支援を受けた)ホブゴブリンの攻撃1回のみ。とは言え、一撃で生命力に迫る負傷を与えたので、こんなのを何発も喰らってたら終わってましたが。

 今回は呪文+因果点が決まったので一見楽勝に見えたのですが、もし要所で呪文が決まらなかったら死闘になっていたと思われます。



 元々、シナリオのバランス自体がGMの調整次第な所もあるうえにPLの取得技能や呪文使用タイミング+因果点の決まり具合で劇的に変わるので、PLもGMもTRPG経験者と未経験者では同じシナリオをやっても全くプレイ感が違うと思われます。

 正直なところGMもPLも経験が浅い人ばかりでプレイすると大事故が起きる危険があるシステムだという事は注意すべき点です。

2019年6月21日金曜日

高レベル帯での敵の数 その4

 高レベルでのボス戦の場合、レベルの低い敵をある程度数出さざるを得なくなります。
 というのも、統率できるモブはボスのレベルの半分以下のためです。
 かと言ってモブを多量に出すとこれまた処理が面倒な事になります。1体のボスが統率できる数には限りがあるので、残ったモブがそれぞれ行動するとなるとGMの処理回数が増えてしまいます。

 ルールブック上ではボスは1体又は2体というルールがあるので、この2体というルールを利用してみます。ただ、PCレベルを上回るボスを複数出すのはかなり危険なので、2体目のボスを低レベルのものに分割します。また、さすがにボスを複数出す場合はモブは上限ではなく同レベルのPCの人数までの方を採用します。

 こうすると、7レベル4人のPCに対して、9レベルのボス×1、5レベルのボス×4、5レベルのモブ×4、1レベルのモブ×16といった敵集団が作れます。数は25体もいますが、9レベルのボスが5レベルのモブを、5レベルのボスが1レベルのモブをそれぞれ4体ずつ統率して5つのユニットを組むのでGMが主行動を行うのはボス5体のみとなって処理は実際の敵の数の割りには簡単になります。
 PCの人数が増減する場合は5レベルのボス1体と1レベルのモブ4体の1ユニット単位で増減させればよい事になります。


 ちなみに、雑魚をたくさん用意するのは絶対というわけではなく、途中の戦闘で沢山出したならボス戦は少数精鋭にする方法もあります。似たようなパターンの戦闘が続かない事が大事なので、毎度毎度雑魚多数にする必要はないのです。
 特にボス戦まで範囲攻撃呪文を温存している場合、高確率で初手《火球》《石弾》が飛んでくるでしょうから、ボス戦で弱いモブが活躍する機会は低くなります。もし出すなら2ラウンド目以降の増援が良いかもしれません。

2019年6月19日水曜日

先日のシナリオ手直し

 先日のシナリオ、3Lvモンスターのデータをホブゴブリンを参照にしていたらしく何となく妙に強い気がしたので他の3Lvモンスター見たらただホブゴブリンがLvのわりに強いだけみたいなので下方修正しました。
 多少戦いやすくなったと思います。

 色々考えた結果、このシステムの場合は敵の回避はあまり高くない方が良い気がしますね。
 回避低めで生命力で調整という感じ。
 昔から一般的にボスは避けずにHPで耐えるというのがセオリーではあるのですが、このシステムの場合は余裕で当ててもダメージを上げるためにさらに命中を上げる価値はあるので、命中の高いのは放置して命中が一番低い剣や弓を使っても普通に当てられるくらいの低さで調整した方が良いのかもしれません。

2019年6月16日日曜日

持久度と移動力

 能力値の1つである持久度と状態の1つである移動力、この2つに共通するのはステータスの重要性がGMやシナリオに依存しているという点です。


 持久度は他の6つの能力値に比べこのゲームの花型である戦闘においては重鎧の荷重によるペナルティと呪文の維持判定くらいにか使用しない為、ある特定のキャラクターしか使用しません。知力点も戦闘では魔術師以外使用しないのですが、持久度はさらに使用頻度が低くなってます。

 移動力はスクエア戦闘を採用すれば明確に必要性が判りますが、基本的にルールは抽象戦闘で、スクエアは使用しません。つまり、スクエア戦闘自体がGM依存のハウスルールになります。

 しかし、このシステムの重要な消耗ルールを積極的に取り入れるGMの場合、この2つのステータスはとても重要になります。
 目的地まで移動する間にどれくらい移動できるかを判定する場合、体力持久を基準とした判定を基準とした効力値と移動力掛け算しますし、ここに風雨や酷暑、吹雪といった劣悪環境による消耗の判定を組み合わせた場合、持久力も移動力もないキャラクターは消耗ばかりして目的地に着く前にヘロヘロになってしまいます。
 しかし、問題は移動力不足や劣悪環境によってどれくらい消耗するかがルールブック上では明確には規定されていない事です。恐らく、下手に厳密に数値をルール化するとシナリオ製作において色々と問題点が多いため、詳細なルールをGMに任せていると考えられます。

 長距離移動判定の項目を見るとなかなか解りにくい書き方がしてありますが、文章からすると例えばこんな処理をするのではないかと考えられます。

冒険者レベル1で
体力持久2で移動力20の森人
体力持久7で移動力15の只人
体力持久7で移動力10の鉱人
がいた場合で、例えば冷たい雨の中を移動するため長距離移動判定を行い目標値15に成功しないと1消耗し、この判定の効力値(マントなどによる寒さなどに対するボーナスを除く)で移動速度を計算するとします。
出目は全員7だとすると、只人は【長距離移動(初歩)】を持っているので達成値は15で成功、森人は達成値9、鉱人は達成値14で失敗になります。(鉱人はマントなどを羽織っていればこの判定に成功します)
さらに、効力値に移動力を掛けるので1時間での移動力は、森人は160×20=3200m、只人は240×15=3600m、鉱人は200×10=2000m

只人の足並みに揃えるなら森人と鉱人は1消耗で3600m移動
森人の足並みに揃えれば鉱人は1消耗で3200m移動
鉱人の足並みに揃えれば消耗なしで2000m
といった感じでしょうか。

…ただ、この処理とても面倒な気がするのですねぇ…

 標準的に体力持久は5、移動力は15と見積もって移動力の差の1/3(端数繰り上げ、ペナルティなら少なくなるように繰り上げ)の修正をつけた長距離移動判定を1回させて、目標値に対して失敗したら1消耗(時間が長いなら1d3消耗)といった簡便な判定で消耗量を決めた方が良いかなと考えています。
 

2019年6月14日金曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG用シナリオ(1レベル向け)

 「ゴブリンスレイヤーTRPG」  「シナリオ」 といった検索でくる人もいるようですので、気まぐれでまたシナリオを用意しました。このシナリオも昔D&D3e用でコンベンションで使用したシナリオをゴブスレように調整したものです。ラスボスすら全く違うので別物になっていますが…

 相変わらずバランスは保証できません、あしからず。
 なお、このシナリオは斥候・野伏・魔術師のいずれかがいないと結構厳しいかもしれません。 


「竜眼草」


6/17更新
・記述漏れ修正
・若干ラスボスを弱体化

2021/4/7
・追記を一部加筆

▼  概要

 小さな村の裏山に住み着いたゴブリンを退治し、谷に生える薬草を採りに行くのが今回の依頼です。
 特に複雑な分岐もない単純な構成になっています。
 このシナリオは初期で作成したキャラクター向け3~5人用に作ってあります。

因果点:初期3を推奨
1人もTRPG初心者がいない場合は5~7


▼  導入

 たまたま掲示板に張ってあって手に取った依頼だからと現地へ行ったものの、これまた小さな村へ来たものです。酒場も宿屋もありません。細々と農業や畜産業で養っている程度です。

 君たち一党が受けた依頼は以下のようなものとなっています。



・  場所
ヘンリ村

・  依頼人
アン

・  依頼内容
山を越えた場所に生えた薬草の採取

・  報酬
1人当たり銀貨10枚



 PC一党が村に到着すると、依頼主のアンが出迎えます。

 彼女は目的の薬草「竜眼草」を取ってきて欲しいとお願いします。この草はこの村の裏山を越えた竜の谷と呼ばれる所に生えているのですが、山の山頂を超えるのは危険を伴うため、今までは山の中腹に昔から掘ってある石造りのトンネルを通り抜けて谷へ行っていたそうです。

 ところがそのトンネルに半月ほど前からゴブリンが何匹か住み着いて通れなくなっています。今のところ住み着いたゴブリンは村に直接危害は加えていないのですが、いつ村に襲ってくるかも判りませんし、なにより薬草採りに行けないのが大きな問題です。

 依頼主のアンには病床の母親がおり、その母親に薬を飲ませるために定期的に「竜眼草」を採取しにいかなければなりません。なお、今回の依頼の報酬は村の人たちが出し合って用意してくれたものです。依頼主はアンですが、村人にとってもゴブリンは脅威だからです。

 アンは竜の谷へは自分で行ったことがないので、詳しいことは判らないといます。ただ、目当ての竜眼草の手持ちのサンプルを見せてくれます。

 PC達一等はこの竜眼草をPCの人数×2株持ち帰ることが目的となります。





▼  石の隧道

 山の中腹までの道のりは村人で樵(きこり)をしている者に案内してもらえます。ただ、樵が付いてくるのは、中腹にある古いトンネルの付近までです。このトンネルの奥にはゴブリンが住み着いているとのことです。

 もし、この樵に竜の谷の状況について聞いた場合、危険なモンスターはあまり見ないが以前から時々蔦縄(ローパー)が現れるし、時々大きな個体もいるから注意はしておいたほうが良いと警告してくれます。



 トンネルには所々に明かりをつけるための燭台が設置されていますが、今はゴブリンが住んでいるため当然明かりはついていません。

 トンネルの長さが100m程、幅が10mほどのかなり大きなトンネルで、壁も床も石で補強されています。博識判定(知力集中+魔術師レベル+【博識】によるボーナス)で目標値12に成功することで判りますが、このトンネルは古い時代に軍事利用されていたらようです。人力で掘るのはかなり困難であり、魔法の力によって掘られたのでしょう。



 少し進むと、ゴブリンたちに遭遇します。少なくともこちらが灯りを灯しているならば不意打ちはできませんが、相手もさほど警戒しておらず不意打ちされることもありません。もし、PC一党が全員【暗視】能力を持っており、灯りをつけていなければ、全員が隠密判定(技量集中+斥候or野伏レベル+【隠密】によるボーナス)で目標値10に成功すればゴブリンに不意打ちをすることができます。

 ここに住み着いているゴブリンは今のところそれほど好戦的ではありませんが、それでも武器を持った冒険者を見れば襲い掛かってきます。

 ここにいるのはゴブリン×PCの人数と同じ、ゴブリンアーチャー×PCの人数と同じ

です。ただし、全員モブで、半分以下に減ったらモラル判定をして失敗すると逃走を試みます。

 ここで逃走したゴブリンはもうこのシナリオでは登場しません。

 ゴブリンたちが住処にしているあたりは食べ残しなどでかなり汚れて強烈な腐臭が漂っていますが、探索するなら探索判定(知力集中+斥候or野伏レベル+【隠密】によるボーナス)で目標値12に成功した人は銀貨を1d6×5枚と下記の武器を1つ見つけ出すことができます。ただし、探索を行なった人は体力抵抗判定(体力反射+冒険者レベル+【免疫強化】によるボーナス)で目標値12に成功しないと吐き気を催して1点消耗します。根気良く探すなら1人2回までは探索判定に成功すれば銀貨と武器を発見できますが、体力抵抗判定も必要です。3回目以降は成功しても何も見つからず吐き気を及ぼす体力抵抗判定のみです。

 見つけ出した武器は、1d6を振り、1なら短剣、2なら小剣、3なら投斧、4なら投槍、5なら長傘、6なら矢10本です。



▼  竜の谷

 石の谷を抜けるとそこは絶壁になっており、崖に沿って谷の下へ降りるための古い階段があるのですが、谷底から高さ10mほどのところから崩れており、そこからはロープで降りるように縄が垂らされています。ただし、この縄を良く調べると観察判定(知力集中+斥候野伏レベル+【観察】によるボーナス)で目標値12に成功すると、ロープが古すぎて途中で切れる危険性があることが判ります。

 ロープを使わずに降りる場合の登攀判定は目標値10(+装備などによる修正)、ロープで降りる場合は目標値6(+装備などによる修正)ではあるものの、自分たちで用意したロープなら大丈夫ですが、備え付けの古いロープではこの登攀判定で出目が5以下を出すと大失敗となり、ロープが切れて真ん中あたりで落下してしまいまいます。

  もし、ロープが切れて落下してしまった場合、5mの所から落ちるので、3d6点の殴ダメージ(装甲値無効)のダメージを受けます。軽業判定(技量集中+武道家or斥候or野伏レベル+【軽業】による判定ボーナス)で目標値15に成功すればダメージを半分にする事が出来ます。


▼  谷底

 谷底にはあたり一面膝ほどの草が生い茂っています。目当ての竜眼草はこの草原の中にあるようです。草むらの中から目当ての薬草を見つけるには、以下のいずれかの判定を行います。



 生存術知識判定(知力持久+野伏レベル+【生存術】によるボーナス)

 博識判定(知力持久+魔術師レベル+【博識】によるボーナス)

 農業知識判定(知力持久+【職業:農業】によるボーナス)

 見本と同じものを見つけ出す判定(知力持久+野伏or斥候レベル+【観察】によるボーナス)



 「薬草を探す」宣言をし、いずれかの判定で目標値15に成功したPCは1株発見することができます。探す判定をして失敗したPCは疲れて1点消耗します。
 大成功すると2株発見できます。大失敗すると1d3消耗します。

 一度でも発見したPCは竜眼草の見つけ方のコツをつかんだことにより目標値が12に下がります。

 この薬草を探す判定で1回目に誰も成功できなかった場合は因果点を3点支払うことで、神の導きにより1株なんとか発見できます。この際、最も達成値が高かった人(複数いれば対象者全員)がその株を見つけたものとします。これにより見つけた人もその後の判定の目標値は12になります。
 ただし、本来は失敗しているので全員消耗は発生します。



 薬草を見つけて収穫に夢中になっているとあたりがガサガサと動きます。いつの間にか蔦草の群れの中に紛れ込んでしまっているのです!

 目標数を探すのに成功し、採取しようとした時点で、そのターンに探すのに成功したPCとその時に辺りを警戒しているPCは蔦草と近接距離状態になります。もし、薬草を探す判定に失敗したPCや何もしていないPCがいればそのPCは2d6×6m離れた場所にいます。

 この場所は下草が茂っており、走ると脚が絡まって転倒する危険があります。走るなど移動力mを超える移動を行おうとする場合、

無理矢理進む(体力集中+冒険者レベル)
下草の少ない場所を見極めて進む(知力集中+冒険者レベル)
軽やかに飛び越える(技量集中+武道家or斥候or野伏レベル+【軽業】による判定ボーナス)

で目標値8に成功しないと、移動力mまで進んだところで足が引っかかって転倒してしまいます。
(この判定では移動力×2mまでの移動をする場合は-4、移動力×4mまでの移動をする場合は-8のペナルティを受けます)

 辺りを警戒していたキャラクターが1人もいない場合、蔦草の群れの不意打ちを受ける可能性があります。(1人でも辺りを警戒していれば不意打ちは発生しません。)第六感判定(知力反射+野伏or斥候or精霊使い+【第六感】によるボーナス)で目標値10に失敗すると不意打ちを受けます。



 登場するモンスターは「蔦縄×PCの数」と「草竜(グラスドラゴン)1体」です。この草竜はドラゴンではなく、あくまで蔦縄が生長してまるで竜の姿のように変化した変異種です。会話はできませんが低いながらも知能も有しています。



草竜(グラスドラゴン)  3lv

生命力:30 呪文抵抗力:13(2d6+6) 分類:植物

移動力:10 先制力:2d6-1 知能:低い モラル:8

攻撃 蔓の鞭  タイプ:近接 射程:なし

達成値:14(2d6+7) 威力/属性:3d6/殴

もしくは

噛み付き  タイプ:近接 射程:なし

達成値:15(2d6+8) 威力/属性:2d6+3/斬

防御 回避:11(2d6+4) 盾受け:なし 装甲値:0(外皮)

支援効果:ボス1体の回避値に+2する/射程5m

特殊能力

ボス(統率者5)統率できるのは蔦縄限定

「迂回攻撃」/蔓の鞭での攻撃は「受け流し」効果を適用できず、盾受け判定に-4ペナルティを受ける。

「締め付け」/達成値[13(2d6+6)]/主行動で使用する。近接の対象1体は回避判定(技量反射)を行なう。失敗すると巻きつかれ、ラウンド終了時に1d6+3ダメージ(装甲値無効)
 巻きつきは自動継続し、対象が自分の手番で締め付けの達成値を目標値とする脱出判定(体力集中)に成功しなければならない。一度に1体しか締め付けを行う事はできない。

「丸呑み」/達成値[14(2d6+7)]/蔓の鞭か噛み付きの攻撃が命中した対象は体力抵抗判定(体力反射)を行なう。失敗すると飲み込まれ、ラウンド終了時に「1d6」点負傷し、草竜の負傷が「1d6」点回復する。丸呑みは自動的に継続し、対象が自分の手番で脱出判定(体力集中)に成功しなければ抜け出せない。同時には1体までしか丸呑みできない。この能力はボスの時しか使用できない。

「群がる触手」/蔦縄の支援効果を1体受けているごとに締め付けの達成値とダメージが+1される。

「花粉のブレス」/主行動で使用。自分の周辺に半径5mの範囲内に花粉を撒き散らす。この花粉を吸った者は目標値15の体力抵抗(体力反射)の判定を行ない、失敗すると体が不調になり1d3点消耗する。この効果は呼吸をしない者や植物には効果がない。この能力は1日に1度しか使用できない。


補足
 もしかしたら、PCは戦闘中に足元の竜眼草の採取をした後、逃走を試みようとするかもしれません。その草竜に襲われているキャラクターがいる位置から崖の下までの距離は2d6×6mです。
 《脱出》の呪文を使用するか、因果点を3点払えば崖の下までは自動的に逃走に成功しますが、草竜は追いかけて来るでしょう。
 草竜の移動力は遅いものの移動力×4mまでは走行移動できます。また、草竜はPC達のように足を躓いて転倒することはありません。
 この場合、崖の下までPC達がたどり着いた状態から再び仕切り直して戦闘を始めます。
 《脱出》の呪文や因果点では2度目の逃走は出来ません。ただし、飛行や浮遊するなどの手段で素早く全員が崖の上に行く事が出来れば倒すことなく完全撤退する事が出来ます。(怪物をその場に残す事になるので、その後の薬草の採取が困難になる可能性がありますが…)


▼  帰還

 草竜を倒して必要な数の竜眼草を持ち帰れば依頼達成です。アンの母親も今しばらくはこの薬のおかげで治療ができるでしょう。1人当たり銀貨10枚の報酬と経験点を1000点、3点の成長点を獲得します。

2019年6月13日木曜日

キャラクターの持ち込みについて(ハウスルール)

 ゴブリンスレイヤーTRPGの場合、以前別の卓で使用したキャラクターを持ち込んでプレイするというのは今一つ相性が良くありません。
 キャラクターは徐々に成長しますし、装備や所持品といった財産もGMによってばら撒き具合がかなり違うためです。
 また、ダイスを振ってキャラクターを作成するというのが難点です。ダイス目が実際に振ったものなのか判断しようがないからです。
 その場で作成して偶然できたキャラクターで遊ぶというのが本来の姿なのですが、狙ったコンセプトキャラで遊ぶために、以下のようなハウスルールではどうでしょうか。


●能力値
 ダイス目の合計を14になるように7つの能力値に出目1~3を割り振ります。
 ただし、3は最大2つまで。

 割り振り方は
2 2 2 2 2 2 2
3 2 2 2 2 2 1
3 3 2 2 2 1 1
の3パターンです

●状態
 2d6を3回振る出目の合計が21になるように生命力・移動力・呪文使用回数の3つに5~11の間で割り振ります。
4以下や12にはなりません。

割り振り方は
7 7 7
8 7 6
8 8 5
9 7 5
9 6 6
10 6 5
11 5 5
の7パターンです

●出自・来歴・邂逅
出目3~11の中から自由に選びます。
出目2と12を選ぶことはできません。
商人の場合の2d6は7とします。

●経験点や所持金など
シナリオで決められた中で職業・技能・装備を改めて取り直します。
他のシナリオで入手した経験点やアイテムは一切持ち込めません。もし、魔法の品などを持っていて使いたいのなら、そのセッションで決められた所持金の中から捻出してください。
買えないアイテムは当然手に入りません。

●その他
当然ながら他のシナリオでキャラクターが得た知識なども何も役に立ちません。
他のシナリオで死亡していても問題ありません。

 基本的にはキャラクター作成を1からし直すのと同じですが、愛着のある持ちキャラクターが全然イメージが違うキャラクターにならないようにするための救済措置、あるいは事前作成の高レベルシナリオ用ぐらいに考えてもらえれば良いかと思います。

2019年6月12日水曜日

呪文と因果点

シナリオを作るうえで注意すべき点は他にも呪文と因果点があります。
これらの点でもGM視点で考えてみます。

呪文
 呪文はゴブリンスレイヤーTRPGの花形システムとも言えます。
 なにせ1シナリオ数回しか使用することが出来ない代わりに、劇的に状況を変えるチャンスがあるからです。
 実際には休息を取れば再使用できるようになりますが、他のシステムより劇的な効果なだけにGMとしては安易に回復する機会を与えてはいけないと言えます。リソース消費型のキャラクターの活躍ばかりが目立ってしまうからです。
 従って、長期間のサバイバルシナリオをするのでなければ「1シナリオ=1日の呪文使用回数」の形を取ることになります。もし、キャンペーンで大型のダンジョン1つに潜る形をとるなら、1セッション毎にクエストを用意して1日毎にサブシナリオをクリアする形式を取るのが良いでしょう。

 システム的に呪文はどのキャラクターでも魔法遣い系職業さえとれば習得できますが、初期キャラであれば魔法戦士系だと1~2回、魔法遣い系だと2~3回程度になる可能性が高く、大体平均PC1人当たり1.5~2回呪文が使用できるであろうと想定できます。

 こういった限られたリソースを序盤から使うことを非常に嫌う傾向は強く、最後まで温存してラスボス戦で一気に放出という事態が発生しやすいので、シナリオを作る点で如何にしてゲームの前半に呪文を使ってもらえる機会を用意するかが決め手となります。

 例えばPCが4人であれば、1回のシナリオで6~8回程度呪文が使用されると予想されます。最終戦闘まで温存させる呪文はPC1人当たり1回を目標とし、途中のイベントやモブ戦で2~4回ほど消費してもらいたい所です。1戦闘1回くらいはモブ戦で使ってもらえる可能性があるとしても、それ以外にも使ってもらえる機会を用意しないとノルマが達成できません。もっとも、キャンペーンでシナリオ作成前からPCデータを知っていなければ非戦闘呪文が上手く決まる機会は多くありません。戦闘以外でPLが呪文を使いたいという機会があれば、無理が無い限りできるだけ有効に機能するような展開に話を持って行った方が結果的にGMにとっても都合が良いと言えます。


因果点
 いわゆるヒーローポイントのようなもので、一党全員で共有して使用します。
 初期値はGMがシナリオやPLの熟練度から判断して決めますが、コンベンションのような相手が知らないなど失敗が許されない状況なら3スタート、仲間内で見知った相手なら5~7スタートくらいが適当かと思います。

 因果点が8~11でシナリオを終了した場合、経験点にボーナスを貰えます。12以上になってしまうとこのボーナスは無くなります。
 オーバーさえしなければ使えば使った方がボーナスが貰えるので、ゲーム終盤なら有効だと思えば思い切って使うようにPLに薦める方が良いでしょう。もっとも、因果点の数値が上がると成功率は低くなりますが。

 こういったヒーローポイントの消費による特典は昔は残せば残すほどたくさんボーナスが貰えるシステムが主流でした。ところがこの形態では日本人ではうまく機能せず、勿体無くて使えないという状況が続出してしまいました。特にこのシステムのようにPC全員で共有のシステムの場合、節約志向の人がいると機能不全に陥ってしまうのです。

 因果点のルールでは、時に無駄遣いをするほど特典が得られるという不自然にも思えることも起きますが、PLには落ち度が無いのでご褒美だと思えば問題は無いです。経験点が増えれば早く成長するのですが、シナリオの難易度はそれに合わせるだけですからGMとしては何ら困ることは無いのです。

2019年6月10日月曜日

継戦カウンターと消耗

9/30追記・一部改訂

 継戦カウンターと消耗はゴブリンスレイヤーTRPGの最も基幹となるいわゆる疲労ルールですが、PLにストレスを与えるルールでもあるので扱いは慎重に行う必要があると考えられます。
 この継戦カウンターと消耗が戦闘以上にゲームバランスを左右する重要な要素です。コントロールするのは経験が必要でしょうが、厳しすぎずぬる過ぎずという調整が上手くいくと面白いシナリオになります。
 GM視点でのこの2つのルールを考えてみます。

継戦カウンター
 戦闘をすることで蓄積する疲労を表すルールで、累積するごとに疲労が溜まりやすくなります。
また、負傷が生命力に達すると継戦カウンターによる消耗も増えます。
 基本的に戦闘以外では増えないので、シナリオを作るうえで戦闘イベントを用意しないといけません。またPLが戦闘にどれくらい時間かけるかはある程度想定は出来るものの不確定要素が多いのが扱いが難しい所です。
 戦闘回数は前座のモブ戦が1~2回、ボス戦が1回というのが標準的なシナリオなのですが、継戦カウンターで脅威を感じるようになるには10位溜まらないといけません。かと言ってボス戦を含め20まで溜まってしまう状況はシナリオの作り方に問題があった可能性があります。
 モブ戦は1回の戦闘で2~5程度、ボス戦が3~5程度溜まる位が適量ではないかと思います。

 普通に規定量のモンスターを素直に用意するとモブ戦1~2ラウンド、ボス戦で2~3ラウンド程度になるのではないかと思いますが、もう少し引き延ばそうとするなら少しひねりが必要かもしれません。
方法としては…

①弱い敵をたくさん用意する
 これは先日から何度か話している方法で、中~高レベル帯で効果的な方法です。処理に手間取る欠点はあります。
 PL側が対策を立てれば飛躍的に処理能力が上がりますし、範囲呪文を使う機会でもあります。

②増援
 最初からすべての敵を出すと広範囲呪文で殲滅されるので、それを防ぐ手段です。理不尽に感じられやすいので増援を出す場合はあらかじめ増援が来そうなことを示唆したしたほうが良いかもしれません。

③悪条件
 命中が下がると効力値が下がりダメージも減ります。
 地形効果や天候で敵味方命中や回避にペナルティを与えたり、長大武器を振り回しにくい狭い場所を作ってミスを誘います。
 いずれにしても、敵の強さに比べて被・与ダメージが減るため戦闘が長引きやすくなります。

④離れた場所の敵
 敵との遭遇がかなり離れた場所から始めると、射撃や呪文が得意でない限りまず近づかなければいけません。魔法戦士を作ると移動力が壊滅的になる可能性がある一方で遠隔攻撃呪文があれば優位に立てるので、呪文に依存した一党ほど良くも悪くも大きな影響を受けるでしょう。
 PL側も射撃や投擲武器で簡単に対処できるので、敵に《矢避》の呪文を使わせるなどで対策しておくとより効果的かも。
 また、離れた場所に散開して敵を配置すると結構厄介になります。

(追記)
⑤非戦闘イベント
 本来敵と戦う時に使用する継戦カウンターですが、時間制限のあり命がかかっている緊張感のある状況なら非戦闘イベントでも、全員が1回行動するごとに継戦カウンターを進めてよいと思います。
 たとえば、時限爆弾が爆発しそうな状況で解除する、沈没しそうな船から脱出するといった状況です。


消耗
 継戦カウンターと並ぶもう一つの疲労ルールで、こちらは溜まる事で直接的にPCにペナルティを与えます。重度になると2d6のシステムとは思えないほどのペナルティになるので注意が必要です。
 システム上、「消耗する→生命力半減→負傷していた場合に継戦カウンターによる消耗が激しくなる」という悪循環が設定されているので、激しい消耗は命取りになります。

 シナリオを作る際に、全体を三分割して、序盤は消耗が1~2、中盤は消耗が3~4を目標とし、中盤終わりの時点で休息や帰還が出来ない状況に持ち込んだところで終盤(ボス戦)に持ち込むという形が良いかと思います。この消耗には継戦カウンターの分も含みます。
 高レベルになれば回復手段も増えて来るので、もう少し消耗量が増えるようにイベントを増やしても良いでしょう。

 序盤から消耗が激しすぎると途中で休息しようと試みたり、一度街に帰ろうと言いだす可能性が出てきます。途中までは楽勝ムードな位の方が上手くいくと思います。



 継戦カウンターも消耗も休息することで回復することが出来ます。この「回復できる」という事が曲者で、シナリオを作る際に安易に回復できるポイントを用意すると呪文のリソースを含めシナリオバランスに支障をきたす可能性が高いです。
 基本的には何らかの理由で簡単には回復できない状況作り(人質がとられていてのんびりしている猶予はない、ダンジョン内で安全に休息出来ない等)が必要で、もし休息が出来るならそれ相応のペナルティを受けるようにするか、最初から休息を想定した消耗量を考慮してイベントを設定しておく必要があります。

2019年6月9日日曜日

高レベル帯での敵の数 その3

 実際の戦闘パターンを調整してみたところ、モブは全体の敵の総コストの1/2~3/4は冒険者レベルと同じ、残りがそれ以下の雑魚というように、負傷を与えるのと継戦カウンターを削る役割分担をしたほうがいいようにも感じます。
(例えば7レベル冒険者4人なら通常7レベルモブ4体の所、7レベル2体と1レベル12体にする)
 
 というのも、基本的に格下のモブはただの時間稼ぎと1/36のアンラッキーヒットのみで継戦カウンターを削る位しか出来ないので単純作業になりがちです。放置しておくと危険なのを混ぜておくと、強いのを先に倒しておくか雑魚を減らしておくかという選択肢が出てきます。
 それに全キャラクターが対雑魚戦能力を持っているわけでは無いですしね。

 理想を言えば最後のボス戦前に継戦カウンターを5~10削っておきたいところ。(10はシナリオ製作的には上限)
 普通の敵構成では1戦闘で2~3しか削れないので、なんとかその倍モブに粘ってほしい所です。もちろん、対策を立てていれば簡単に一掃されてしまうでしょうが。

2019年6月7日金曜日

レベル帯とシナリオの運用

2020/5/19加筆

 キャラクターを試作したり、何本かシナリオを作ったり、情報収集をしてみるとどうやら冒険者レベルのレベル帯毎にPLにどんなところを楽しんでもらうかが違うような感じがしてきました。
 シナリオを作るうえで、レベル帯毎にどの点に注目したイベントを用意すればいいのかを考えてみました。


冒険者レベル1~3:継戦カウンターと消耗、呪文
 職業は分かれているものの職業ごとの差は戦闘系か魔法遣い系かぐらいの差しかなく、鍵開けや罠解除といった判定でも職業ボーナスより能力値の修正の方が大きかったりするので、有利不利はあっても誰でもどの判定でも挑戦できるという感じです。装備も戦士も斥候も大して変わりませんし、技能も大きな違いはないです。
 クラス制のシステムに多く見られる、職業による役割分担はそれほど考える必要はありません。
 ゲームとして重要なのは呪文と継戦カウンターと消耗ルールの活用です。このゲームの最大の特徴であり、連戦や行軍による消耗を減らしつつボスと戦うまでに限られた呪文を温存できるかが肝となります。

冒険者レベル4~6:職業と技能、属性の導入
 職業ごとの特徴がようやく表れてきます。装備も整ってきますし、職業レベル差が能力値差より大きくなるので、役割分担も必要となってきます。技能も増え、戦況に合わせて使用する戦闘オプション系技能の出番も増えてきます。
 当たれば倒せるような弱い雑魚をいかに効率よく処理するかも考える必要が生まれ、単に高い命中とダメージを出すだけではダメな状況も発生するようになります。無数の雑魚に取り囲まれたときの恐ろしさを知ることになるでしょう。
 職業や技能の特徴を発揮できる「見せ場」が大切になってきます。
 また、武器や呪文の属性も少しずつ導入しましょう。「耐性」や「無効」を時々つけることで戦闘に変化をつけることが出来ます。

冒険者レベル7~9:専門化
 特定の技能は職業レベルが7以上ないと成長させられなくなります。こういった特定の技能を一本伸ばしすることでキャラクターに明確な個性を出す事が出来るようになります。高位の技能は必要な成長点が非常に多いので全て取ることは出来ません。いくつかに絞って取得することになります。
 職業だけでなく、習得した呪文や技能によるキャラクターの専門性に合わせた「見せ場」が必要になってきます。
 また、武器や呪文の属性は積極的に活用してみましょう。単に「耐性」や「無効」をつけるだけでなく、特定の属性で攻撃に有利になるという弱点を敢えて用意してみるのも良いです。

冒険者レベル10:エンドコンテンツ
 職業レベルも10で頭打ちします。ただひたすら成長点を稼いで技能を極めるエンドコンテンツ状態です。
 好きに育てて遊べば良いでしょう。



 多くのデータ積み上げ型システムの場合、最初から職業毎に得意な分野が違い役割分担もされて、レベルが上がるごとにそれぞれの職業で新しいデータがどんどん増えてキャラクターが強化され、敵も強くなり…という感じの楽しみ方になりますが、ゴブリンスレイヤーTRPGの場合は低レベルの頃はあまり難しいことは考えずに、呪文・継戦カウンター・消耗ルールに焦点を置いたシナリオ作りをしたほうが良いのではないかと思います。
 最初から色々できてしまうためレベルが上昇してきたら単純に数値を上げていくだけではゲーム性を維持することはできません。怪物に変化を与えたり、地形効果など戦闘に新たな要素を導入することでゲームバランスを維持し、マンネリ化を防ぐことが出来ます。

2019年6月6日木曜日

公式サイトの正誤表とQ&Aが来てます

https://ga.sbcr.jp/sp/goblin_slayer_trpg/

幾つか疑問点があったところを質問してみましたら全て丁寧に答えていただきました。
スタッフの皆さまありがとうございます。

誰か指摘すると思って送らなかった誤植が修正されていなかったので改めて送らさせていただきました。
やはり誰かがやるだろうじゃダメですね。

高レベル帯での敵の数 その2

 前回は攻撃面に関して弱い敵を沢山出す機会を作った方が良いと書きましたが、防御面に関しても高レベルになっても弱い敵を出した方が良い点があります。

 1つ目は前衛に立つ職業(戦士・武道家・斥候)を低いレベルで習得しているキャラクターの存在です。システム上、2つや3つのクラスを兼業している人が多いため、冒険者レベルより低い前衛の職業レベルのPCも当然います。もし、常に冒険者レベルと同じかより高いレベルである事を当たり前のようにした敵ばかり用意してしまった場合、低レベルでの前衛職を取る価値が全くなくなります(モンスターの命中値が高すぎて避けられないので)。少しでも技能を習得していた方が全く習得していないより有利で低レベルでも取る価値があるようにするには、専業の前衛では物足らないほどの低い命中値の攻撃手段も幾らかは必要になります。
 職業レベルを足さなくても能力値による補正は足せるため、冒険者レベルが低い頃は職業よりも能力値による影響が大きいのですが、レベルが上がってくいるとさすがに職業補正が大きくなるので、レベルが高くなってきたときほどそのレベルにおける標準より命中値の低い攻撃の必要性が増します。

 2つ目は重鎧の防御力がそこまで高くない点です。重い鎧には斬耐性や刺耐性はあるものの、殴攻撃の敵も多いですし、回避や移動力、時には消耗の激しさを犠牲にしている割にはそこまで防御力自体は差がありません。
 この防御力の僅かな差で重鎧の優位性を出すためには小さいダメージがある程度累積する形をとる必要があります。
 モブの支援を受けたボスの攻撃は非常にダメージが大きく、防具の装甲値や盾による軽減効果だけではまともに貫通してくるため、回避した方が良い場面がしばしば見られます。もちろん回避を得意とする武道家が用意されているのでこれも仕方ないのですが、すべての敵が鎧や盾を貫いてくるようでは受けて耐える重戦士の存在意義が失われてしまいます。
 そして、重戦士を目指すキャラクターがようやく望みの重鎧を着られるようになるのが冒険者レベルが4~5になった頃です。

 この2つの点が防御面から見て、冒険者レベルが4以上では弱い敵を多めに出す戦闘を用意した方が良いと考える要因です。

2019年6月5日水曜日

高レベル帯での敵の数

ルールブック上では標準的に敵の遭遇回数は2~3回(モブ戦1~2回、ボス戦1回)を推奨されています。元々成長に時間のかかるシステムなので、短めのシナリオを回数回すというが妥当というところでしょう。

敵を出す目安としては
モブ戦ではPCの冒険者レベルと同じ敵がPCの人数と同じ~2倍のモブ
ボス戦ではPCの冒険者レベル+2のボス1~2体とPCの冒険者レベルと同じかそれより低い敵がPCの人数と同じ~2倍のモブ
とされていますが、この目安は冒険者レベルが3位までの目安かなという感じです。




高レベル帯の場合、システム的にもっと弱くて沢山のモブを登場させる戦闘を1度でよいので入れた方が良いかなと思います。
基本的な敵は上記の基準を元に計算しますが、
数量的には
冒険者レベル-1  ×1.5
冒険者レベル-2  ×2
冒険者レベル-3  ×3
冒険者レベル-4  ×4
冒険者レベル-5  ×5
冒険者レベル-6  ×6
冒険者レベル-7  ×7
冒険者レベル-8  ×8
冒険者レベル-9  ×9

 という感じです。はっきり言ってイカレた物量戦になります。
 例えば7レベル冒険者4人であれば、1レベルのゴブリンやゴブリンアーチャーだけ出すモブ戦なら24体(~48体)という感じです。
当然、7レベル冒険者に対してゴブリンの攻撃はほぼ通りません。
しかし、必ず回避判定をさせられるので大失敗はあり得ます。
その後どうなるかはお判りでしょう。

ほら、ゴブリンスレイヤーさんがしていたような行動をあなたも取りたくなるでしょう。

 まぁ半分は冗談だとしても、【薙ぎ払い】【速射】【二刀流】のような大きなペナルティを受けて1ラウンドで複数の雑魚を蹴散らせる技能が用意されているわけですから、こういった技の見せ場を用意するのもGMの役割かなとも思います。

 なお、実践では単純に1レベルを大量に出すのでは面白みがないので、先ほどの7レベル冒険者4人相手の場合、全モブの構成を例えば7レベル×2体、3レベル×4体、1レベル×6体といった数にします。

2019年6月3日月曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG入門者ガイド 6 (キャラクター作成 職業⑤)

21/03/03加筆

 このシステムでは、1人のキャラクターが複数の職業を取得できます。
 職業は8つありますが、戦士と武闘家、斥候と野伏、神官と竜司祭、魔術師と精霊使いといった2つずつの職業は役割が似ており職業レベルを加えられる技能判定もかなり近い為、類似した職業の組み合わせで取得するのはあまり得策ではありません。(時々勘違いしている方がいるようですが、判定に加えられるのはいずれか一つの職業のみです。複数の職業が判定に用いられる場合、最も高い職業のレベルを用います。)
 なお、神官と竜司祭はそもそも両方取得することが出来ません。
 複数の職業を習得する場合は異なるグループから選ぶと良いでしょう。


 例えば初期キャラクターの場合、作成時に出自+3000点分の職業を取得できます。
 職業は1レベル、2レベルが1000点、3レベルが1500点ですから、キャラクター作成時には出自で習得したい職業に就いていれば「3レベルが1つ」あるいは「2レベルが2つ」、そうでないなら「2レベルが1つと1レベルが1つか2つ」といった形になります。

 ルール的には沢山の職業に就くことも可能ですが、器用貧乏で取り柄が無くなるのでおすすめできません。基本的には1つの職業を極める、2つの職業を平均的に上げる、1つの職業を優先しつつ2つ目の職業を少しだけ上げるかのいずれかをお勧めします。(特定の技能を習得する、特定の装備のボーナスを得るために3つ目の職業を1レベルだけ取得する事はあります。)
 レベルが上がっていくと、およそ1つの職業に専念すると「冒険者レベル+2の職業レベル」に、2つを平均的にとると「冒険者レベルと同じ」、3つを平均的にとると「冒険者レベル-1~-2」程度になります。

 メタな話になってしまいますが、GMはシナリオを作る際に、目標値を冒険者レベルを基準に作ります。従って冒険者レベルより高い職業は有利に働く技能で、冒険者レベルより低い職業は一応判定ができるくらいの状態になります。職業を増やせば判定できることは多くても結果が出にくくなるので、職業1つは冒険者レベルと同じかより高くし、できれば2つまでに絞った方が良いという訳です。

 1つの職業の専業は得意分野では高い判定値が出せますが、出番が少なくなりがちという問題が起きる可能性があります。
 専業術者を目指すならば、魔法戦士タイプでは使いにくい「呪文維持」を必要な呪文を習得したり、祖竜術の《竜牙兵》や精霊術の《使役》のような支配・創造系呪文を習得して行動の選択肢を増やしておくとよいでしょう。(呪文維持自体は主行動をしながらでも行えますが、呪文維持そのものが呪文の難易度+5の上にさらに判定に-4ペナルティを受けることになるため高レベルにならないと維持するのは困難です。)
 また、専業戦士は飛び道具がないので、メンバー構成によっては飛び道具や呪文など接敵しなくても行える行動を確保するために専業を諦めて野伏や術者職をサブに取得した方が良い場合があります。魂魄や知力が低く呪文使用回数が0であっても【魔法の才】さえ取得すれば呪文1回は使用できますし、あまり高い達成値を必要としない呪文であれば発動させることは可能です。また、遠隔攻撃呪文以外にも専業術者が取る余裕のない便利呪文をカバーする選択肢もあります。

 兼業する場合、異なるグループであれば相性が良いとも限りません。
 戦士・武道家と斥候は戦うことに関してできることが被っているので少々もったいないところがあります。
 魔法遣い系の場合は呪文は全職業合わせて1日数回しか使用できませんので、2つ以上の術者の兼業は出番が少なすぎてゲーム的に得策ではありません。魔法遣い系をメインにしている場合は戦士系職業をサブに持たせておく方が良いでしょう。
 魔法戦士をつくる場合でも注意が必要です。このシステムでは呪文使用回数はキャラクター作成時に基本使用回数が確定します。戦士でも呪文を取る(魔法遣いでも前に出る)ことを考えれば最初からそれに合わせた割り振りをしないといけません。前に立ちたいからと生命力と呪文使用回数を優先しようとすると移動力が犠牲になりがちです。
 面倒がって移動力関連の処理を省くGMも多いかもしれませんが、時々移動力計算をすることがあることも考慮しておいたほうが良いでしょう。移動力を上げる呪文が存在したり、馬車や馬に移動力が記述されているわけですから。

2019年6月2日日曜日

口プロレスの許容範囲

ゴブリンスレイヤーTRPGの場合、呪文に関してはアイデアと効力値が見合えばある程度口プロレスを認めていいとは前に書きましたが、個人的な方針としては…

・非ダメージ呪文で直接的にダメージを与える事は原則出来ない
・PCに認めた用法はNPC(敵)も使ってくる可能性がある
・同じ使い方だからと言って次もその使い方を認めるとは限らない
・他のGMがOKしたからと言って自分がGMで認めるとは限らない


 非ダメージ呪文で~というのは、ダメージ呪文は記述のダメージを与える以上の効果のフレーバー要素を原則表現しないからです。例えば《火球》の呪文を使えばダメージを与えるだけでなく、周囲や装備も燃えてしまうはずですが、それを言いだしたら収拾がつかないのでダメージ以外の効果は普通ありません。
 という訳で、逆にフレーバー呪文が直接的にダメージを与えるに至らないという事です。基本的にフレーバー呪文を攻撃的に使用する場合は「ダメージ何点でどうなった」というわけではなく、直接状況に影響を与えるような表現をします。

 口プロレスは、本来PLとGMの共同作業によってより面白い演出をするためのプロレス的要素であるべきで、PLがGMを言いくるめるためのものではないと考えています。