2019年6月12日水曜日

呪文と因果点

シナリオを作るうえで注意すべき点は他にも呪文と因果点があります。
これらの点でもGM視点で考えてみます。

呪文
 呪文はゴブリンスレイヤーTRPGの花形システムとも言えます。
 なにせ1シナリオ数回しか使用することが出来ない代わりに、劇的に状況を変えるチャンスがあるからです。
 実際には休息を取れば再使用できるようになりますが、他のシステムより劇的な効果なだけにGMとしては安易に回復する機会を与えてはいけないと言えます。リソース消費型のキャラクターの活躍ばかりが目立ってしまうからです。
 従って、長期間のサバイバルシナリオをするのでなければ「1シナリオ=1日の呪文使用回数」の形を取ることになります。もし、キャンペーンで大型のダンジョン1つに潜る形をとるなら、1セッション毎にクエストを用意して1日毎にサブシナリオをクリアする形式を取るのが良いでしょう。

 システム的に呪文はどのキャラクターでも魔法遣い系職業さえとれば習得できますが、初期キャラであれば魔法戦士系だと1~2回、魔法遣い系だと2~3回程度になる可能性が高く、大体平均PC1人当たり1.5~2回呪文が使用できるであろうと想定できます。

 こういった限られたリソースを序盤から使うことを非常に嫌う傾向は強く、最後まで温存してラスボス戦で一気に放出という事態が発生しやすいので、シナリオを作る点で如何にしてゲームの前半に呪文を使ってもらえる機会を用意するかが決め手となります。

 例えばPCが4人であれば、1回のシナリオで6~8回程度呪文が使用されると予想されます。最終戦闘まで温存させる呪文はPC1人当たり1回を目標とし、途中のイベントやモブ戦で2~4回ほど消費してもらいたい所です。1戦闘1回くらいはモブ戦で使ってもらえる可能性があるとしても、それ以外にも使ってもらえる機会を用意しないとノルマが達成できません。もっとも、キャンペーンでシナリオ作成前からPCデータを知っていなければ非戦闘呪文が上手く決まる機会は多くありません。戦闘以外でPLが呪文を使いたいという機会があれば、無理が無い限りできるだけ有効に機能するような展開に話を持って行った方が結果的にGMにとっても都合が良いと言えます。


因果点
 いわゆるヒーローポイントのようなもので、一党全員で共有して使用します。
 初期値はGMがシナリオやPLの熟練度から判断して決めますが、コンベンションのような相手が知らないなど失敗が許されない状況なら3スタート、仲間内で見知った相手なら5~7スタートくらいが適当かと思います。

 因果点が8~11でシナリオを終了した場合、経験点にボーナスを貰えます。12以上になってしまうとこのボーナスは無くなります。
 オーバーさえしなければ使えば使った方がボーナスが貰えるので、ゲーム終盤なら有効だと思えば思い切って使うようにPLに薦める方が良いでしょう。もっとも、因果点の数値が上がると成功率は低くなりますが。

 こういったヒーローポイントの消費による特典は昔は残せば残すほどたくさんボーナスが貰えるシステムが主流でした。ところがこの形態では日本人ではうまく機能せず、勿体無くて使えないという状況が続出してしまいました。特にこのシステムのようにPC全員で共有のシステムの場合、節約志向の人がいると機能不全に陥ってしまうのです。

 因果点のルールでは、時に無駄遣いをするほど特典が得られるという不自然にも思えることも起きますが、PLには落ち度が無いのでご褒美だと思えば問題は無いです。経験点が増えれば早く成長するのですが、シナリオの難易度はそれに合わせるだけですからGMとしては何ら困ることは無いのです。

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