2019年6月10日月曜日

継戦カウンターと消耗

9/30追記・一部改訂

 継戦カウンターと消耗はゴブリンスレイヤーTRPGの最も基幹となるいわゆる疲労ルールですが、PLにストレスを与えるルールでもあるので扱いは慎重に行う必要があると考えられます。
 この継戦カウンターと消耗が戦闘以上にゲームバランスを左右する重要な要素です。コントロールするのは経験が必要でしょうが、厳しすぎずぬる過ぎずという調整が上手くいくと面白いシナリオになります。
 GM視点でのこの2つのルールを考えてみます。

継戦カウンター
 戦闘をすることで蓄積する疲労を表すルールで、累積するごとに疲労が溜まりやすくなります。
また、負傷が生命力に達すると継戦カウンターによる消耗も増えます。
 基本的に戦闘以外では増えないので、シナリオを作るうえで戦闘イベントを用意しないといけません。またPLが戦闘にどれくらい時間かけるかはある程度想定は出来るものの不確定要素が多いのが扱いが難しい所です。
 戦闘回数は前座のモブ戦が1~2回、ボス戦が1回というのが標準的なシナリオなのですが、継戦カウンターで脅威を感じるようになるには10位溜まらないといけません。かと言ってボス戦を含め20まで溜まってしまう状況はシナリオの作り方に問題があった可能性があります。
 モブ戦は1回の戦闘で2~5程度、ボス戦が3~5程度溜まる位が適量ではないかと思います。

 普通に規定量のモンスターを素直に用意するとモブ戦1~2ラウンド、ボス戦で2~3ラウンド程度になるのではないかと思いますが、もう少し引き延ばそうとするなら少しひねりが必要かもしれません。
方法としては…

①弱い敵をたくさん用意する
 これは先日から何度か話している方法で、中~高レベル帯で効果的な方法です。処理に手間取る欠点はあります。
 PL側が対策を立てれば飛躍的に処理能力が上がりますし、範囲呪文を使う機会でもあります。

②増援
 最初からすべての敵を出すと広範囲呪文で殲滅されるので、それを防ぐ手段です。理不尽に感じられやすいので増援を出す場合はあらかじめ増援が来そうなことを示唆したしたほうが良いかもしれません。

③悪条件
 命中が下がると効力値が下がりダメージも減ります。
 地形効果や天候で敵味方命中や回避にペナルティを与えたり、長大武器を振り回しにくい狭い場所を作ってミスを誘います。
 いずれにしても、敵の強さに比べて被・与ダメージが減るため戦闘が長引きやすくなります。

④離れた場所の敵
 敵との遭遇がかなり離れた場所から始めると、射撃や呪文が得意でない限りまず近づかなければいけません。魔法戦士を作ると移動力が壊滅的になる可能性がある一方で遠隔攻撃呪文があれば優位に立てるので、呪文に依存した一党ほど良くも悪くも大きな影響を受けるでしょう。
 PL側も射撃や投擲武器で簡単に対処できるので、敵に《矢避》の呪文を使わせるなどで対策しておくとより効果的かも。
 また、離れた場所に散開して敵を配置すると結構厄介になります。

(追記)
⑤非戦闘イベント
 本来敵と戦う時に使用する継戦カウンターですが、時間制限のあり命がかかっている緊張感のある状況なら非戦闘イベントでも、全員が1回行動するごとに継戦カウンターを進めてよいと思います。
 たとえば、時限爆弾が爆発しそうな状況で解除する、沈没しそうな船から脱出するといった状況です。


消耗
 継戦カウンターと並ぶもう一つの疲労ルールで、こちらは溜まる事で直接的にPCにペナルティを与えます。重度になると2d6のシステムとは思えないほどのペナルティになるので注意が必要です。
 システム上、「消耗する→生命力半減→負傷していた場合に継戦カウンターによる消耗が激しくなる」という悪循環が設定されているので、激しい消耗は命取りになります。

 シナリオを作る際に、全体を三分割して、序盤は消耗が1~2、中盤は消耗が3~4を目標とし、中盤終わりの時点で休息や帰還が出来ない状況に持ち込んだところで終盤(ボス戦)に持ち込むという形が良いかと思います。この消耗には継戦カウンターの分も含みます。
 高レベルになれば回復手段も増えて来るので、もう少し消耗量が増えるようにイベントを増やしても良いでしょう。

 序盤から消耗が激しすぎると途中で休息しようと試みたり、一度街に帰ろうと言いだす可能性が出てきます。途中までは楽勝ムードな位の方が上手くいくと思います。



 継戦カウンターも消耗も休息することで回復することが出来ます。この「回復できる」という事が曲者で、シナリオを作る際に安易に回復できるポイントを用意すると呪文のリソースを含めシナリオバランスに支障をきたす可能性が高いです。
 基本的には何らかの理由で簡単には回復できない状況作り(人質がとられていてのんびりしている猶予はない、ダンジョン内で安全に休息出来ない等)が必要で、もし休息が出来るならそれ相応のペナルティを受けるようにするか、最初から休息を想定した消耗量を考慮してイベントを設定しておく必要があります。

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