2011年9月17日土曜日

Pathfinder初心者プレイヤーガイド -クラス編(クレリック)-

http://www29.atwiki.jp/prdj/pages/30.html

 クレリックはパーティの生命線とも言えるクラスだ。信仰系クラスはドルイドもあるが、クレリックの方がより、宗教的で信仰系に相応しい存在のクラスである。
 クレリックは属性によってエネルギー放出の効果が異なり、結果的に役割がかなり異なる。善のクレリックは範囲回復能力を持った回復の専門家、悪のクレリックは範囲攻撃能力を持った雑魚掃討役だ。中立は正か負かいずれか一方選択することになりどちらかの立ち位置になる。また、クレリックは信仰する神によって領域能力を獲得し、その能力によっても大きく役割が変わることがある。
 クレリックの大きな欠点は皮肉なことに善のクレリックの回復能力の強さ。善のクレリックの回復能力は非常に優れているため、パーティがクレリックの回復の力に頼りがちで、戦闘中は毎ラウンド回復しかできないという事態に陥りやすい。しかもマスター側もクレリックの回復能力前提の敵を用意してしまったりするので余計に回復しかできなくなってしまう。一方、悪のクレリックは攻撃寄りだが、その攻撃力が(低レベルを除き)やや見劣りする。数値的には回復とダメージは全く同じだが、非戦闘時でも使用できる能力かどうかでまるで強さが違うように感じてしまう。そもそも悪のクレリックは敵向きな性能になっているのでPCとしてはあまり適していないだろう。
 もう1つは、信仰した神の教義によって行動がいくらか制限されることだろう。パラディンほどではないが、教義は行動指針になる一方、制約される場合もあることに注意しておきたい。

能力値
最重要:【判断力】【魅力】
重要:【筋力】【耐久力】

 クレリックは主要な能力が信仰呪文とエネルギー放出だが、呪文が【判断力】、エネルギー放出が【魅力】と必要な能力が分かれてしまっている。どちらも高いに越したことはない。後は【筋力】だ。クレリックはパーティの前衛が不足する場合は前に立つ場合もよくあるし、作り方によっては(呪文などによる強化が必要なため限定的ではあるが)純戦士系にも引けを取らない戦力にもなりうる。鎧も中装鎧まで装備できるため、クラス能力を最大限に生かすために【筋力】もできるだけ欲しい。多くの場合、【敏捷力】や【知力】は諦めざるを得ない。

クラス能力
 6レベルまでに得られる能力はオーラ、エネルギー放出、領域、祈り、そして信仰呪文である。オーラは善、悪、秩序、混沌の神格に対応したオーラをもっていることを示す能力だ。
 エネルギー放出はこのクラスの目玉能力だ。半径30フィートという広範囲に回復やダメージを与える。正を選ぶと回復(アンデッドにダメージ)、負だとダメージ(アンデッドに回復)となる。正直、正を選んだ方が使いやすい。どちらもそのままだと敵味方関係なく回復/ダメージとなるので、後述の特技で目標選択できるようにすると良い。
 領域能力はクレリックが1レベル時とそれ以外にもう一度特殊な能力を得る。また、領域呪文という呪文スロットを獲得する。領域能力や領域呪文は気休めのようなものもあるが、中には役割を変えてしまうほどの能力や呪文もある。本来ウィザードやソーサラーしか唱えられないファイアボールだって使えるようになったりもする。信仰した神によって選べる領域が異なるので、使いたい領域を選んでから神様を選択してもいいだろう。
 祈りは準備した0レベル呪文を回数制限なく使用する能力。
 信仰呪文は本来クレリックの主要能力のはずだが、エネルギー放出が強いので、地味になってしまっている。回復だけでなく、仲間や自分を強化する呪文が多いので、戦闘前に準備時間があるなら色々使いたい呪文が多い。攻撃呪文は正直ウィザードやソーサラーより劣るので、あまり期待はできない。領域呪文でウィザード/ソーサラーが使う攻撃呪文があるなら、使用回数は限定されるが結構戦力になる。

技能
 〈知識:宗教〉はクレリックらしく欲しい。〈知識:次元界〉〈交渉〉〈治療〉〈呪文学〉など、クレリックには欲しい技能が多いのだが、いかんせん技能ポイントが足り無すぎる。どうしても技能が欲しいなら前に立つことを諦め、【筋力】の代わりに【知力】を上げるしかないだろう。

特技
 《選択的エネルギー放出》、まずこれ。これががないと正/負どちらのエネルギー放出でも使い勝手が悪すぎる。正なら《エネルギー放出回数追加》で非戦闘時の回復能力を上げるのもいい。負の場合は基本が攻撃になるのでわざわざ回数を増やす必要もない。《来訪者へのエネルギー放出》で攻撃対象を増やしたり、《エネルギー放出の一撃》で使用機会を増やす方向がいいだろう。パーティ構成によっては問題があるが、《アンデット威服》は対雑魚アンデット戦で敵を無力化できる手段としても使えるので覚えてもいいだろう。
 術者として《戦闘発動》の特技も有効な選択肢。特に前線に出やすいクレリックには必須とも言える。
 呪文修正特技はどうしても使いたい呪文との組み合わせがあるならとってもよいが、エネルギー放出系特技を優先すると余裕がない。しかし、呪文主体で戦うスタイルなら呪文修正特技を優先的に習得したいところ。
 秘術系で言い忘れているが、アイテム作成特技はマスターが許可するキャンペーンなら非常に有効なのでいずれはとりたい。
 また、基本が中装鎧までしか着られないので、【筋力】があり、前に出て戦うクレリックを作る場合は、《鎧習熟:重装》をとる選択肢もある。

装備
 信仰武器+中装鎧というのが基本だろう。信仰武器にもよるが、信仰武器があまり攻撃に向かない場合や射撃武器の場合はモーニングスターを持つのが無難だ。片手武器の場合は盾はバックラーかライトシールドにしよう。ヘヴィシールドでは手が空かないので聖印が持てず、呪文やエネルギー放出が使えなくなってしまう。
 信仰武器が両手武器の場合、パラディン同様(GM判断だが)スパイクガントレットを装備して片手を離した時でも機会攻撃範囲を確保したい。両手武器が信仰武器の場合呪文と戦闘が両立しにくいのでなかなか難しいところだ。後衛で回復+サポート専念か自分を強化して前に出るかどちらかのコンセプトでいくことになると思われる。
 聖印と呪文構成要素ポーチは必須装備なので忘れずに。

呪文
 呪文は正のエネルギー放出を選べば、常に回復呪文に置き換えられる関係で、それほど神経質にならなくてもいい。仲間を強化する戦闘支援呪文を主体に準備しよう。
 負のエネルギー放出を選んだ場合は、置き換えが攻撃呪文なので、準備は回復呪文主体となる。非戦闘時の回復はワンドで済ませ、戦闘時の回復で自分の回復呪文を使おう。余裕があれば、戦闘支援呪文を準備しよう。
 エネルギー放出や近接戦闘をメインにせず、呪文主体で攻撃に参加するならホールドパーソンのような精神系の攻撃呪文で戦う方法もある。敵を選ぶが決まれば一発逆転も可能だ。
 0レベル呪文の中に1回の攻撃ロールかセーヴィング・スローか技能判定に+1というとても使い勝手の良いガイダンスという呪文があるのでぜひ準備しておこう。

まとめ
 一般的にパーティはクレリックに回復能力を求めるため、正のエネルギー放出を選ぶことになるだろう。支援・回復という役割が明確なのでどちらかというと自分が活躍するのではなく、仲間の活躍をサポートする縁の下の力持ちという立場が性格的に向く人だとより楽しめるだろう。
 どうしても、支援キャラが嫌なら思い切って負のエネルギー放出を選ぶのも手だ。これならだれも回復役として頼りにしないから、思う存分自分を呪文で強化して前に立って戦えるはずである。もっとも、回復能力が明らかに落ちるので他のPLの了解を得た方がよい。(負のエネルギー放出を選ぶくらいなら他のクラスを選べと言われるかもしれないが…)

0 件のコメント:

コメントを投稿