2011年9月13日火曜日

高カロリーなシナリオ、その2

 TRPGを料理に例えることは、しばしばあるのだが、マスターがプレイヤーという他者の欲求を満たす行為を行なうという点では、調理人と食べる人との立場と非常に似ている。シナリオは料理で言えばレシピだ。

 身内でのプレイは家庭料理に近い。メンバーの嗜好もよくわかっているし、多少毎回味が違っても、「今日は塩加減間違えてないか?」という程度で、失敗しても笑って済ませられる。毎回同じマスターのキャンペーンなら多少味付けにばらつきがあっても問題にならない。
 家庭料理が飽きないのは、好きなものが出てくるからだけでなく、味が均一でないからだ。
 一方、コンベンションのようなプレイは外食と言える。マスターの方も、どんな嗜好の人が来るかわからないので、どんな味付けがよいか難しい。無難すぎると今ひとつな味になるし、奇抜すぎると食べられない人が出てくる。
 高カロリーなシナリオはジャンクフードやB級グルメといえるだろう。こういった料理は味が濃くて一口目からおいしいと感じなければいけない。高カロリーなシナリオは最初の戦闘から全力出さないと倒せないような敵が出てくるわけだ。しかも、厄介なことに、濃い味付けに慣れてしまうと、普通の味付けでは物足らないと感じてしまう。より、濃い味付けでないと満足しなくなるのだ。
 逆にフランス料理のフルコースのようなシナリオだと、スープ1つとっても、食べ終わった後にちょうどいい味付けをしているので、一口目は今ひとつと感じてしまう。しかも、上品過ぎて堅苦しくなってつまらなくなりがちだ。どちらにも行き過ぎると問題が多い。

 コンベンションが外食と全く違う点は、PLは「お客様」ではないことだ。確かにゲームをするために遠方から来て、参加費を払っているかもしれない。でも、そのマスターにシナリオやゲームへ対価を払っているわけじゃない。マスターもPLに楽しんでもらえるよう努力すべきだが、必ずしも上手くいく保障はできない。会心のできのシナリオは何度も使いまわすということはしばしばあるが、これも仕方がないことだ。熟練マスターといえど、納得いくシナリオがいつもできるわけではないので。(と、いいつつ、自分は今までテストプレイ以外でほとんど同じシナリオのマスターをしたことがない。)
 できればゲーム終了後に卓内で10分でもいいから感想戦ができる時間があるといいと思う。シナリオが上手くいかなかったら、プレイヤーの方から「ここはこうした方がよかった」というアドバイスがあると、マスターにとってもうれしいものだ。

…と自分は思うのだが、余計なお世話か。

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