2021年7月26日月曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG入門者ガイド 6-2 (武器・サプリメント導入版)

  サプリメントの採用により、武器のバランスは大きく変化しています。他の項目に比べあまりに変化が大きいため、流石にガイドを用意しておかないといけないと思い書いてみます。武技のバランスがまだ把握しきれておらずルールブック自体に誤植も非常に多いため、今後も適時修正を加えていく予定です。


 武技そのものは剣系が圧倒的に多く、次に目立つのが斧・槍・弩弓。露骨に武技は基本ルールでイマイチな評価だった戦士(特に片手剣・両手剣)と弱くはないけれど斥候に比べると見劣りする野伏(特に弩弓)を強化するためのものとなっています。

 ただし、剣や弓が強くなるのは武技や技能が揃ってからなのでキャンペーンで低レベルから少しずつレベルを上げていく場合は基本ルールよりはマシになったものの序盤は茨の道になるのは間違いないです。


(2022/11/24改訂)

 <戦士の手>という武技の追加で、命中修正の低い武器が一気に使いやすくなりました…が、技能に【猿の如く】というものがあり、こちらは高位になれば近接武器であれば体力点の値まで命中修正を軽減でき、しかも<戦士の手>と異なり武器を指定しなくて良いので優秀です。注意が必要な点は、+1~+3の魔法の武器によって武器の命中修正が0以上になると【猿の如く】の命中修正の効果を受けられません。【猿の如く】は、本来の武器の命中修正ではなく魔法の効果などを含めた武器の命中修正のペナルティを打ち消すという裁定がされています。

 対して<戦士の手>は本来の武器の命中を基準とするため、命中修正の付く+1~+3の魔法の武器の恩恵を得ることが出来ます。

 ややこしいところはありますが、基本的には使いたい武器種の命中修正がマイナスの場合は<戦士の手>を修得し、それでもマイナスが残っている場合は【猿の如く】も併用するという感じになるといったところでしょうか。


▼片手剣

・命中が全般に低い

・受け流しが出来る武器が多い

・斬落の技能が使用できる武器が複数ある

・殴刺斬すべてに対応した武器がある

・武器の種類が多い

対応する武技が非常に多い


 一般的なファンタジーではスタンダードな武器種ですが、このシステムでは最も扱いが難しい武器種です。命中修正±0の武器は短剣しかなく、それ以外は全て命中がマイナスですので低レベルで使用するには<戦士の手>や【猿の如く】が必須です。

 対応する技能も武技も非常に多いのですが、大器晩成型で低レベルではあまり活躍が期待できません。中レベル以降で技能や武技が揃ってくると非常に強くなります。

 戦士用片手武器で受け流しが可能な武器は片手剣だけなので、片手剣+盾の重戦士は攻守に優れた理想的な姿であるものの、必要な技能や武技が揃う頃にはかなり高レベルになってしまうでしょう。

 本来は戦士・斥候用の武器種ですが、武技によって武道家でも使用する事が出来るようになります。



▼両手剣

・戦士専用武器

・命中が全般に低い

・基本的に両手持ち専用

・受け流しが出来る武器が多い

・斬落の技能が使用できる武器が複数ある

・殴刺斬すべてに対応した武器がある

対応する武技が非常に多い


 片手剣同様扱いにくい武器です。ただし、片手剣に比べれば命中修正±0でそこそこ実戦で使える湾刀があるのでまだ初期でも使えそうです。湾刀以外を低レベルで使用する場合は<戦士の手>や【猿の如く】が必須となります。

 真価を発揮するのは片手剣同様に、技能や武技が揃ってからです。極めれば近接武器最強クラスの武器系統になると言えます。低レベル時の武器の命中性能を考えると片手剣よりはかなり使いやすいでしょう。


▼斧

・全体的なバランスは悪くない

・基本的に受け流しは出来ない

・大型のものは扱いにくい

・投擲に特化した武器がある

・武技が目立つのは奥義から


 斬属性がメインの攻撃重視型の武器です。扱いやすい武器は限られていますが、命中修正±0の武器であれば初期でも使いこなせます。

 戦斧は両手武器として使用できるが長大ではなく、命中修正が±0という事もあって薙ぎ払い向きです。それ以外の両手斧は命中修正がマイナスなので使用するには<戦士の手>や【猿の如く】が欲しい所です。

 受け流しは斧槍以外は使用できない為、両手持ちの場合は回避が低くなりがちです。

 剣に比べると対応する武技は多くなく、強力な武技は奥義を修得できるようになってからです。ただし、戦士レベルで投擲(しかも武器が手元に戻ってくる)ができるようになる武技があるため、剣とは違う戦い方が可能です。重鎧を着ると飛び道具に乏しくなるので、神官戦士や専業戦士用武器としても向いていると言えます。

 新たに追加された武器、長鈎は攻撃力は大したことがないものの追加効果が非常に強力です。【薙ぎ払い】や範囲攻撃の武備を組み合わせると…


▼槍

・全体に命中は低く、扱いやすいものは限定的

・大型のものはかなり扱いにくい

基本的に刺突武器なので技能によるダメージ効力値の伸びが悪いが、【刺突攻撃】と【猿の如く】の技能が揃うと異常な効力値になる

サプリメントで新たに騎乗用武器が追加された


 刺属性が主体の武器です。

 両手持ちの槍で薙ぎ払いをする場合は柄で足払いをするような形となります。メインの刺攻撃では薙ぎ払いが出来ないので補助的な攻撃手段となります。

 両手武器には受け流しが出来て命中修正±0の武器もあるので、これらなら初期でも使いこなせます。

 長大なものは軒並み命中が低すぎるので、レベルが上がって魔法の武器を手に入れたとしても<戦士の手>の武技や【猿の如く】の技能が必要でしょう。

 武技はあまり多くありませんが、槍専用の技がいくつか存在するので差別化は出来ます。戦士技能で投擲もできる武技があるので重鎧を着た戦士の切り札にもなり得ます。

 刺し武器は高位の【猿の如く】を修得すると異常なまでの効力値(最大だと効力値+24)が出せるようになったので極めると安定したダメージが期待できます。

 サプリメントで騎乗ルール追加に合わせて騎乗専用の槍が追加されています。


▼戦槌

・一部を除いて命中が高い

・殴もしくは刺の単一属性

・受け流しができない

・薙ぎ払いができるのは基本的に長大な武器のみ

対応する武技は少なめ


 命中が高く安定感抜群の武器種です。欠点があるとするなら、薙ぎ払いが長大な武器でしか行うことができません(実際には円匙で可能ですが…)。狭い場所だが一度に複数体倒さなければならない状況では不向きです。

 また、武器では受け流しが出来ないため受け流しを活用するなら盾で受け流す必要があります。両手持ちなら受け流しは出来ません。

 攻撃手段は殴または刺の1種のみで、特定の属性の攻撃手段が必要な場合は武器を使い分ける必要がありますし、斬属性が必要な場合は他の武器種も併用する必要があります。

 対応する武技はあまり多くなく、高レベルでの伸びしろはイマイチです。しかし、剣・斧・槍と違い<戦士の手>や【猿の如く】のような武技や技能が必要なく命中が高いため、神官戦士系や重戦士で盾を用いて防御系の技能や武技に専念したい場合にはお勧めできる武器系統です。



▼棍杖

・一部を除いて命中が高い

・威力は両手武器としては控えめ(重武器を除く)

・魔術師/神官/死霊使い向けものや特殊な効果をもつものが多数存在する

対応する武技は少なめ


 基本的には武道家用ですが、軽武器なら斥候も使用できます。命中が高いので低レベルでは非常に役立ちます。

 魔術師・神官・死霊使いの呪文の達成値を上げる追加効果付きの武器も存在します。

 鞭などの受け流し不可の武器が多数あります。使いこなすには<戦士の手>や【猿の如く】が必要ですが、受け流し不可のため命中修正を±0にできるなら対人戦で有効です。

 基本ルールでは殴属性の両手武器しかありませんでしたが、サプリメントで片手武器や斬属性の付いた武器も増えています。刻印の杖は唯一斬属性も持っていますが武器としての性能は大した事がないので、死霊使い以外のキャラクターがわざわざ持つほどの性能はしていません。

 サプリメントで追加された仕込杖を使いこなすには「軽」の棍杖と片手剣の両方を修得する必要があり、斥候もしくは戦士/武道家のマルチクラス、あるいは武道家で<剣指刀掌>の武技を修得する必要があります。

 対応する武技はあまり多くなく伸びしろはイマイチですが、根杖で格闘用の武技を使用できる武技が存在します。この場合使用する技能は格闘になるので注意。



▼格闘武器

・全体に命中高め

・多くの武器が片手と両手両方で使用可

・二刀流と薙ぎ払いの両方使用できる武器が存在する

・武闘家用技能の【発勁】が使用できる

・大半は投擲不可

素手専用武技が存在する


 基本的には武道家用ですが、基本ルールの格闘武器は全て軽武器なので斥候も全て使用できます。

 1種の武器で片手武器用の技能の【二刀流】と両手武器用の技能の【薙ぎ払い】が使用できるものもあります。ただし、二刀流をする場合は両手にそれぞれ武器を装備する必要があります。こういった武器は本来片手用の装備で、もう一方の空いた方の手で武器を持った腕を支えて使うことで両手武器として使うイメージです。それ故二刀流をするなら2つ装備が必要となる訳です。

 受け流しに特化した武器として長傘があります。

 【発勁】の対象であり、技能を習得することでその真価を発揮する武器種ですが、命中も悪くないので低レベルから使えます。

 投擲用以外の武器を投げることは稀でしょうが、格闘武器は一部を除き投擲が出来ない点は注意が必要です。

 実は戦士用に比べると武道家用武器の武技は少なく、格闘武器もそれほど武技は種類はありません。ただし、素手専用の武技も存在します。素手自体は斥候も使用できますが、素手専用武技は武道家でしか使用できないので注意。



▼投擲武器

・そのものを投げる武器とスリングのような投石武器の両方がある

・スリング系は命中が高く低レベルで有用

・そのものを投げる武器は趣味性が強い

・只人は初期から技能持ち

・他の武器種に属する近接武器も投擲するときはこの技能が使用できる

武技は弩弓より種類が少ない


 遠隔攻撃手段の一つである投擲武器ですが、スリング系の投石杖が低レベルでは非常に有効です。武闘家、斥候、野伏のいずれかで使用できるため、後衛の術者はサブ職業としてこれらいずれかの職業を習得しておくと呪文を使用しなくても十分戦力となります。

 スリング系が強いのは命中が高く、【速射】が使え、弾の補充が容易だからです。

 そのものを投擲する武器はかなり強力なものもあるのですが、高価なのに投げると失う可能性もあるので低レベルではあまりお勧めしません。

 投擲可能な近接武器はその武器種が属する武器技能か【武器:投擲武器】の技能かいずれかを使用して投擲できます。また、投石杖は投石するときは【武器:投擲武器】を、棒で直接殴る時は【武器:棍杖】を使用します。

 武技は明らかに弩弓より劣ります。野伏で遠隔攻撃の専門家を目指すなら弩弓、武道家や斥候でサブウェポンとしての遠隔攻撃なら投擲武器と棲み分ける事になります。



▼弩弓

・野伏専用武器

・全体的にはスリング類に比べ扱いづらく、高レベル向け

・【速射】【曲射】の技能を鍛えることで真価を発揮

・一部の例外を除き刺武器

・森人は初期から技能持ち

武技が非常に強い


 野伏専用な上、【速射】や【曲射】を極めることで実用的になる、近接武器の剣と同じポジションの熟練者向け武器です。

 弾を拾うだけで使えるスリング類と違い弩弓は矢・太矢などを購入しなければいけません。低レベルでは結構負担になります。

 大型の弩弓は射程が圧倒的に長いのが特徴で、この点は投擲武器より優れています。

 抱大砲を除き刺属性なので敵によっては投擲武器と使い分ける必要があります。

 サプリメントで追加された弩弓専用武技が非常に強力なので野伏なら投擲武器ではなく弩弓を使ったほうが良い、というくらいの有意差をつけてあります。ただし、様々な武技を使おうとすると矢を大量に消費するので注意。

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