2020年9月13日日曜日

著作権的なシナリオの立場

  シナリオというのはシステムの二次創作品なので、根本的な著作権的にはシステムを作っている側が持っているんですよね。
 ただ、安易にシステムを作っている側が著作権を振りかざすと自滅してしまうから見逃しているだけだったりします。しかし、あまり甘く見てはいけないと思います。
 本気でその存在の影響力が大きくなれば、著作権を振りかざしても成り立つんですよね。例えばCoCの7版はシナリオに対して著作権の所在を明記しているようですが、それはCoCがそれだけ自分の存在を誇示できるほどの立場になっている事の表れだと思います。こうなった場合、ユーザーも従来は見逃してくれたから…などという安易な考えではダメでしょう。趣味の世界で著作権のような権利を主張すればユーザーは面倒がって一定量離れるのですが、全員いなくなるわけではないのですね。たとえ権利の主張によってユーザーが減っても成り立つほどの圧倒的な存在になってしまえば、権利を主張した分収益を回収できるので利益率は格段に良くなります。
 多分、日本のTRPGでそのレベルまで達しているシステムはあまりないのかなとは思いますが、海外の翻訳ものだと著作権を行使するスタンスでも十分経営的に可能なシステムがあると思いますので注意が必要です。



追記:この記事を書いた後で、F.E.A.R.の規約が改訂されていて、電子書籍の二次創作を認めないという方針になっていたという事が話題になっています。
 最大の問題は、どうやらこの規約改定がいつの間にかされていたという事で、告知もされず改訂日も書いていないという事でさすがにこれは会社としてかなり拙いものがあります。(訂正:実際には8/19にひっそりと規約更新があったらしいです。失礼しました。)

 もっとも、改訂した内容に関しては自分として一定の理解を示します。
 会社としても以前のように新作が次々と作れる状況ではないようですから、今後F.E.A.R.が電子書籍によるシナリオの販売などに力を入れるとなると、同人で安価に販売される電子書籍の二次創作は自社商品と競合してしまうという事になります。
 消耗品でもあるシナリオ集は電子書籍向きですし、以前に比べると売れる商品になっているため自社で確保しておきたいポジションなのでしょう。

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