2013年6月11日火曜日

選んでいるのではなく選ばされている

 バラやアジサイ、ギボウシなど品種の非常に多い植物を生産していると、明らかに売れる品種と売れない品種と言うのが明確に出てくる。しかもこういった差が以前よりはっきりとしてきている。これは根本的に生産過剰なためだろう。本当に売れるときはこれが売れる、これが売れないなんてことなく、全てが売れる。

 売れる品種と売れない品種との差は確かにあり、売れるにはそれなりに理由があるのだが、これが売れる品種だけを揃えると売れなくなるという現象が起きるため、売れない品種もある程度必要だったりする。家電などでも見せ色だとか捨て色といったものが同じである。
 大体、一番こういった植物が売れる時、品種が5~20種くらいの時が一番よく売れる。良く売れるからと品種を増やすと類似品が増えるだけなのでかえって売れなくなる。
 自分の意思決定により、自分の好みのものを選ぶということの欲求の優先順位の高い人にとっては沢山品種があることが好ましいのだが、多くの人にとって選択肢が多くなりすぎることは選びきれず、そもそも選ぶこと自体を拒否してしまう原因になる。
 現実、5種類の中から1つを選んだのでも、実際消費者は自分で選んだと自覚する。言い方は悪いが、5種類の中で1つを選ぶ場合、多くの人は選択肢を提示した側にある特定のものを選ばぶように誘導させられている場合が多い。しかし、選んだ側は自分の意思で選んでいると思って満足しているので、まったく問題はないのである。

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