2018年5月15日火曜日

クローンと寿命

クローンによって作り出された牛が亡くなったそうですが、19歳と一般的な牛の寿命と同じだったそうです。
ただ、オリジナルの牛が何歳まで生きたのかも判らないですし、何頭もの牛を同時に育てて統計を取ったわけでもないさそうなのであくまで一つの結果でしかないような感じです。

少なくとも植物の世界はクローン技術は当たり前で、株分けや挿し木といった栄養繁殖はクローンそのものです。植物の場合、クローンによって繁殖されたものはほぼ同じ時期に寿命が来ます。ただし、肥培管理すると寿命が短くなりますし、逆に栄養が少なすぎても寿命が短くなります。また、温暖な気候であると成長が早い代わりに寿命も短くなる傾向にあります。
本来の寿命が数年の宿根草では環境要因の影響をまともに受けます。
寿命が長い植物の場合は環境要因よりその個体が持つ寿命の影響の方が圧倒的に大きいと言えます。体感的に一年草や元々数年の短命な宿根草を除けば短命な個体と長命な個体では2~3倍の寿命の差が同じ植物でもあるようです。
寿命の長い個体は同じ植物でも基本的に大人になるのに時間がかかるため、花や実が付きにくい傾向にあります。一般に人間にとって都合の良い個体は花や実が付きやすいため、育種の段階で短命な個体が選ばれていると言えます。
つまり育種とは種として優れた品種ではなく、選抜した人間にとって都合のよい品種を選んでいるのです。

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