2019年9月25日水曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG 戦士と武道家の見せ場

2020/06/14 補足

 PLが熟練者ぞろいの場合、前衛職の特に戦士と武道家の見せ場がほとんどなくなってしまうという問題が起こりえます。
 術者のPLが前衛職を底上げするタイプの呪文を使う場合は問題ないのですが、強力な範囲呪文や攻撃呪文で直接敵を片付けようとするタイプの場合、少々敵を強化した程度ではいとも簡単に殲滅されてしまい、前衛職の出番は呪文の倒し損ないを片付けるくらいの仕事しか残らないという事態に陥ります。
 戦闘系職業でも斥候や野伏は戦闘以外でも技能判定で出番が多いのでそれほど問題はないのですが、戦士と武道家はそうもいきません。特に問題なのが戦士です。専業戦士は飛び道具すらないので、見張りを片付ける等の主要な戦闘以外ですら出番があまりないという状況が発生する可能性があります。

 対策としては、まず戦士のPL自身が戦士以外の職業を得る事です。軽鎧を装備している場合は野伏をとるか、呪文遣い系職業のいずれか、重鎧を着ている場合は神官か竜司祭を習得します。
 しかし、それをしてもPCとしての出番を増やすことは出来ても戦士としての能力を生かせるようになるとはいえません。

 戦士としての見せ場をつくるにはどうしても呪文に依存しない戦闘が必要です。これにはGMがそういった場面を用意するしかないでしょう。たとえ戦闘以外で呪文を使える機会を沢山用意したとしても、全くリソースが残らない状況まで熟練PLが呪文を使い切ることは考えられません。少しでも呪文が残っているなら先に発動して前衛の見せ場を潰してしまう可能性は多々あります。
 

 方法としては…
①《沈黙》の呪文をあらかじめ場に発動させておく
②敵に呪文を無効化する、あるいは耐性持ちの能力を付与する
③呪文が発動しにくい環境を作る(例えば、呪文が不安定な環境という設定で、出目4以下は大失敗になるという空間を用意する。)
④敵に《抗魔》を習得させる


 ①は待ち伏せしている状況などで使用します。あらかじめ待ち伏せできる状況作りも必要です。もっとも、真言術や精霊術には《沈黙》が効かなかったりしますが…

 ②はD&Dなどの呪文抵抗能力と同じような事です。D&Dでも強力なモンスターの場合、セービングスロー以外の呪文抵抗能力を持っていたりするのは、一発KOの呪文で簡単に倒れにくいようにするためです。このシステムはD&D以上に「呪文は切り札」のコンセプトなので多用したくはないですが…
 炎や毒などの特定の属性への耐性/無効能力をつける事で、目立ちすぎる特定の攻撃呪文だけを封じる事も可能です。

 ③はかなり変則的ですが、狭い場所で長大な武器を振った時に大失敗になるのと原理は同じです。出目4以下という事は1/6で大失敗なので結構発生しますが、PL自身で振った出目が悪い時のみため高確率の割りには納得してもらえると思います。

 ④は正攻法ですが、PLのすべての呪文を完全に封じる事が出来るのでかなり嫌がられる可能性があります。《抗魔》合戦にならないようにこのようなハウスルールを採用すると良いでしょう。ボスではなく副官クラスのモブに習得させることで、特定の敵を倒せば呪文も自由に使えるような展開も作れます。


 これらはあくまで呪文が猛威を振るいすぎて前衛の見せ場が無い場合に行う処置であり、そういった問題が起きていない卓状況でわざわざ起こす必要はありません。
 リソースを消費しない戦士より呪文という大きなリソースを消費する術者が瞬間的に活躍できるのは当然であり、本来ならリソース総量を超える多くのイベントを用意することでリソースを消費しない職業に見せ場を作るのが一番良いのですが、高レベルになって呪文リソースが増えるとプレイ時間の問題でそのバランスの取り方にも限界があります。そういう状況では一時的に呪文が使えない(役に立たない)環境を作り出す事も必要となるのです。


(追記+一部訂正)
一応、呪文抵抗能力のアイデア的には以下のようなものです

「呪文抵抗能力」
 呪文を発動した時の出目がこの能力を持つ怪物のレベル以下の場合は、抵抗の成否に関係なく一切の悪影響を受けないとします。これは場に発動する呪文を含めて望まぬ効果全てに対して効果を発揮します。
 抵抗判定自体は通常通り行います。というのも祈念の処理は抵抗判定を行った後でしなければいけないからです。祈念により成功を大成功にした場合、この出目にも+5のボーナスを加えるとします。

 例えば、10レベルのリッチがこの能力を持っているならば、リッチに呪文を通すためには
①出目が11以上で、リッチが抵抗に失敗する
②出目が6~10で、リッチが抵抗に失敗した場合に、祈念で成功を大成功に変える
③出目が11以上だが、リッチは抵抗に通常成功した場合に、祈念で失敗を成功に変える
のいずれかとなります。

0 件のコメント:

コメントを投稿