2019年9月14日土曜日

最適化型のシステム

先日、ファンタジーTRPGの大半が最適化型のシステムだと述べたのですが、それはシステム的な構造にもあります。

①戦闘の比重が高い
 戦闘のあるシステムのほとんどが戦闘に勝つことが求められるので、勝率を上げるために最適化されやすくなります。

②データ量が多い
 データの多いシステムは自然に最適化型になってしまいます。沢山のデータがあればどうしても有利不利があり、またデータ同士の組み合わせで化学反応しやすいからです。

③上方無限ロール
 上方無限ロールは+を積み上げた方がどうしても強くなりやすいです。強ければ活躍しやすいです。

④乱数の幅が小さく偏りが大きい
 例えば1d20の判定より2d6の方が乱数の幅は小さく、中央に偏りやすいです。この場合+1の修正の影響は明らかに1d20より2d6の方が大きい訳ですから当然重視されます。運の要素が小さいゲーム程最適化されやすくなります。

⑤強さというベクトルが一方向
 例えば、戦闘そのものが肉体戦、精神戦、社会戦…というように複数に分かれている場合、すべてに対応することは出来ないので、一つを極めて他を諦めるか、すべてをそこそここなせるようにするかという選択肢が生まれます。
 しかし、大半のファンタジーTRPGは肉体戦のみで、しかも敵とは交渉する余地もなく必ず戦闘になり、倒しさえすれば解決するような展開しかないならば、大抵は命中とダメージさえ高ければ活躍できるということになり最適化し易くなります。
 同じ肉体戦のみでも攻撃手段と相手の相性によって有利不利があったり、そもそもダメージを与える以外の手段で解決することが有効なら最適化は難しくなりますが、最適化しにくいシステムは何かと敬遠されがちです。

⑥PvP
 このタイプのシステムが最適化されるのは当然です。


 ファンタジーTRPGで戦闘における最適化が顕著になるのは、「敵を倒せば問題が解決する」という最終目標がほぼ決まっているからであり、PLもそれを望んでいるからです。
 そしてそれに呼応するかのようにGMが最適化するのを前提に強い敵を用意すれば、PL側も最適化することが必須となり、軍拡競争が進むのです。

 本来ならファンタジーTRPGでもキャラクターに背景をつけて戦闘でない物語で盛り上げるようにすればいいのですが、戦闘以外で盛り上げるにはそれなりの経験とPLのやる気が必要で、必ずしもうまくいくとは限らないので、とりあえずそこそこ盛り上がる戦闘に依存してしまいがちです。
 そして売れるからと公式側がサプリメントでデータを増やせば増やすほど戦闘依存度と最適化の傾向は高まってしまいます。

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