2021年2月14日日曜日

育種のはなし その2

  バラの育種は元々趣味で片手間にやっていましたが、ここ数年は依頼もあるのでもう少し力を入れてやっています。とは言え大手育種メーカーのような大規模なことは出来ないのですが。

 正直なところ近年の新品種は各社メーカーが囲い込みをしている為にフリーで作る事が出来る品種があまり増えていないという事もあって、育種はある程度せざるを得ないというのが本音です。

 いわゆる防衛育種というもので、自分で生産するためだけの品種とは言え、いくつもの選抜基準に適合した個体でないと品種として世に出す事は出来ません。しかし、最終的な鉢花としての試作を自分の所でするわけではないため、試作段階の品種がこちらが生産を諦めた後で出荷先で増殖されるという事があります。

 現に10年以上前に自分が作った品種が渡り歩いて全く違う人の手で生産して売られているものがあります(当時は完全に趣味だったので)。当然自分の名前を出していないので作者不明の謎のバラになってます。花色が独特で香りが非常に良かったのですが、採算が合わなかったため生産する事がありませんでした。ネットで検索するとバラ好きの人の手で大切に育てられているようです。

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