2020年12月3日木曜日

たまには仕事の話

  近年人気が出てきている樹木としてヤマコウバシという植物があります。このクスノキ科の植物でかなり特殊な性質を持っていて、雌雄異株なのに日本には雌しかないとのことです。その為、実は沢山生るのですが種のほとんどは不稔性で発芽能力がありません。ごく僅かに稔性のある種が2年かけて発芽します。詳しく調べていませんが、一般的には雌雄異株だからといっても雌木に雄花が咲くことはあるので、僅かな雄花によって少しは稔性が出来るのだと思います。

 非常に稀にしか発芽しないのになぜ絶えないのかというと、この植物は他の植物と比べても極めて生存能力が高いので、発芽してしまえば高確率で成木になる事が出来ると考えられます。色々な木の苗を畑に植えていますが、これほど丈夫な木はあまり見たことがないくらい非常に生存能力が高いです。厳しい環境でも枯れにくく大きくなりすぎないので、今後雑木の庭の庭木としても非常に有望です。

 多くの植物は下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるで大量の種をばら撒いて発芽した中で生き残ったものが次の世代となるというのが普通なのですが、ヤマコウバシのように少数精鋭の代わりに高い生存能力によって世代交代をする植物が稀にあります。

 商業的な問題としてはそういう植物は基本的に発芽能力が極端に低いため、人間が管理しても量産する事が難しいという事です。

0 件のコメント:

コメントを投稿