2019年7月1日月曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG入門者ガイド 6 (武器)

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2020/04/11 補足

 様々な武器種が用意されていますが、良くあるファンタジーのシステムと比べるとかなり特徴的なシステムとなっています。最初からすべての武器が選べるのですが、実戦で使うにはある程度レベルが上がって技能を習得しないとまともに使いこなせない武器が普通に並んでいます。しかし、使う上で特別レベルや技能による制限がついているわけでもないので、有効かどうかを自分で判断する必要があるのです。

 こういった仕様は装備だけでなく、技能や呪文でも同様のことが言えるですが、特に武器は見た目のイメージが影響して有効かどうかの判断を誤りやすいと言えるでしょう。




▼片手剣
・命中が全般に低い
・受け流しが出来る武器が多い
・斬落の技能が使用できる武器が複数ある
・殴刺斬すべてに対応した武器がある

 一般的なファンタジーではスタンダードな武器種ですが、このシステムでは最も扱いが難しい武器種です。命中修正±0の武器は短剣しかなく、それ以外は全て命中-2以下です。
 【強打攻撃】【受け流し】などを習得し、魔法の武器を入手したり、呪文による支援や強化があるとその真価をようやく発揮できます。
 戦士用の武器では唯一片手武器でかつ受け流しが出来る為、高レベル帯では大型の盾を装備する重戦士にも向きます。また、【受け流し】が達人になれば剣と盾の両方の受け流しボーナスが得られます。
 剣は「便利な武器」であって「強い武器」ではありません。はっきり言って低レベルでは性能を引き出せないので非推奨です。主武器とするなら少なくとも戦士や斥候レベルが5くらいになってからにしましょう。



▼両手剣
・戦士専用武器
・命中が全般に低い
・基本的に両手持ち専用
・受け流しが出来る武器が多い
・斬落の技能が使用できる武器が複数ある
・殴刺斬すべてに対応した武器がある

 片手剣同様かなり扱いにくい武器です。ただし、片手剣に比べれば命中修正±0でそこそこ実戦で使える湾刀があるのでまだ初期でも使えそうです。火力が全体的に高いので当てられるなら十分な攻撃力が確保できます。
 真価を発揮するのは片手剣同様に、技能を習得し、魔法の武器の入手や呪文による支援があるようになってからでしょう。


▼斧
・全体的なバランスは悪くない
・基本的に受け流しは出来ない
・大型のものは扱いにくい
・投擲に特化した武器がある

 斬属性がメインの攻撃重視型の武器です。扱いやすい武器は限られていますが、命中修正±0の武器であれば初期でも使いこなせます。
 戦斧は両手武器として使用できるが長大ではなく、命中修正が±0という事もあって薙ぎ払い向きです。
 受け流しは基本的にできない為、両手持ちの場合は回避が低くなりがちです。
 投擲に特化した軽武器があるので、戦士/野伏の兼業向きの武器種とも言えます。


▼槍
・全体に命中は低く、扱いやすいものは限定的
・大型のものはかなり扱いにくい
・基本的に刺突武器なので技能によるダメージ効力値の伸びが悪いが、体力点の低いキャラクターならば有用

 刺属性が主体の武器で、圃人のように体力点が低いキャラクター向きの武器です。ただし、【刺突攻撃】は斬や殴の【強打攻撃】に比べ技能段階が低いうちは効果が少ないため熟練冒険者でないと性能を発揮できません。
 両手持ちの槍で薙ぎ払いをする場合は柄で足払いをするような形となります。メインの刺攻撃では薙ぎ払いが出来ないので補助的な攻撃手段となります。
 両手武器には受け流しが出来て命中修正±0の武器もあるので、これらなら初期でも使いこなせます。
 長大なものは軒並み命中が低いので初期で使いこなすのは難しいでしょう。


▼戦槌
・一部を除いて命中が高い
・殴もしくは刺の単一属性
・受け流しができない
・薙ぎ払いができるのは基本的に長大な武器のみ

 命中が高く安定感抜群の武器種です。戦士用片手武器なら槌鉾がお薦めです。このシステムでは命中がダメージにも直結するので、命中が高い=威力が高いという事になります。
 欠点があるとするなら、薙ぎ払いが長大な武器でしか行うことができません(実際には円匙で可能ですが…)。狭い場所だが一度に複数体倒さなければならない状況では不向きです。
 また、武器では受け流しが出来ないため受け流しを活用するなら盾で受け流す必要があります。両手持ちなら受け流しは出来ません。
 攻撃手段は殴または刺の1種のみで、特定の属性の攻撃手段が必要な場合は武器を使い分ける必要がありますし、斬属性が必要な場合は他の武器種も併用する必要があります。


▼棍杖
・全て殴属性の両手持ち武器
・一部を除いて命中が高い
・威力は両手武器としては控えめ(重武器を除く)
・魔術師や司祭向けの特殊なものが存在する

 基本的には武道家用ですが、軽武器なら斥候も使用できます。命中が高いので低レベルでは非常に役立ちます。
 魔術師や司祭の呪文の達成値を上げる追加効果付きの武器も存在します。
 鞭もこの武器種に含まれます。
 殴属性しかないので刺・斬属性が必要な場合は他の武器種を併用する必要があります。


▼格闘武器
・全体に命中高め
・多くの武器が片手と両手両方で使用可
・二刀流と薙ぎ払いの両方使用できる武器が存在する
・武闘家用技能の【発勁】が使用できる
・大半は投擲不可

 基本的には武道家用ですが、基本ルールの格闘武器は全て軽武器なので斥候も全て使用できます。
 1種の武器で片手武器用の技能の【二刀流】と両手武器用の技能の【薙ぎ払い】が使用できるものもあります。ただし、二刀流をする場合は両手にそれぞれ武器を装備する必要があります。こういった武器は本来片手用の装備で、もう一方の空いた方の手で武器を持った腕を支えて使うことで両手武器として使うイメージです。それ故二刀流をするなら2つ装備が必要となる訳です。
 受け流しに特化した武器として長傘があります。
 【発勁】の対象であり、技能を習得することでその真価を発揮する武器種ですが、命中も悪くないので低レベルから使えます。
 投擲用以外の武器を投げることは稀でしょうが、格闘武器は一部を除き投擲が出来ない点は注意が必要です。


▼投擲武器
・そのものを投げる武器とスリングのような投石武器の両方がある
・スリング系は命中が高く低レベルで有用
・そのものを投げる武器は趣味性が強い
・只人は初期から技能持ち
・他の武器種に属する近接武器も投擲するときはこの技能が使用できる

 遠隔攻撃手段の一つである投擲武器ですが、スリング系の投石杖が低レベルでは非常に有効です。武闘家、斥候、野伏のいずれかで使用できるため、後衛の術者はサブ職業としてこれらいずれかの職業を習得しておくと呪文を使用しなくても十分戦力となります。
 スリング系が強いのは命中が高く、【速射】が使え、弾の補充が容易だからです。
 そのものを投擲する武器はかなり強力なものもあるのですが、高価なのに投げると失う可能性もあるので低レベルではあまりお勧めしません。
 投擲可能な近接武器はその武器種が属する武器技能か【武器:投擲武器】の技能かいずれかを使用して投擲できます。また、投石杖は投石するときは【武器:投擲武器】を、棒で直接殴る時は【武器:棍杖】を使用します。


▼弩弓
・野伏専用武器
・全体的にはスリング類に比べ扱いづらく、高レベル向け
・【速射】【曲射】の技能を鍛えることで真価を発揮
・一部の例外を除き刺武器
・森人は初期から技能持ち

 野伏専用な上、【速射】や【曲射】を極めることで実用的になる、近接武器の剣と同じポジションの熟練者向け武器です。
 弾を拾うだけで使えるスリング類と違い弩弓は矢・太矢などを購入しなければいけません。低レベルでは結構負担になります。
 大型の弩弓は射程が圧倒的に長いのが特徴で、この点は投擲武器より優れています。
 抱大砲を除き刺属性なので敵によっては投擲武器と使い分ける必要があります。
 森人は初期から技能を有していますが、低レベルで使いこなすには難しいので森人でも低レベルなら投石杖を持った方が無難かもしれません。




 全般に言えますが、低レベルは単純に命中を最優先して武器を選ぶと良いと思います。
 例えば命中の低い只人の戦士だと固定値なら技量集中5、戦闘職の職業2レベルとすると基準値7。
 基本となる雑魚モンスターのゴブリンの回避値が12なので当てるためには命中13が必要です。戦士の場合は命中+1の武器までしか持てないので、命中+1の武器を持って【武器:○○(初歩)】を習得すると出目が4で命中します。もし、命中-2の武器を持ったら7出さないといけない為、命中率が劇的に落ちてしまいます。
 元々命中の高い鉱人ならもう少し選択肢もありますが、技量集中が高くない只人では命中を最優先せざるを得ないのです。
 一人前でもない者が格好をつけると痛い目に遭う、そんなコンセプトのシステムになっています。


 なお、高レベルではGM(やシナリオ製作者)の嗜好によってどの武器種が有用となるのかが異なります。少数の単純に数値の高い敵を多用しルールブックのデータを加工せずにそのまま使うGMですと槌・棍杖・投擲武器が低レベル同様有効ですが、遮蔽や狭い場所といった地形効果や弱い敵多数を組み合わせたり耐性を持っていたり特定の攻撃属性に追加効果が付くといった、変化のある戦闘を好むGMの場合は剣・斧・槍・弓弩が有効になるでしょう。
 自分のGMがどういった傾向の戦闘を好むかを見極めて対策を立てる必要があります。

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