2019年6月14日金曜日

ゴブリンスレイヤーTRPG用シナリオ(1レベル向け)

 「ゴブリンスレイヤーTRPG」  「シナリオ」 といった検索でくる人もいるようですので、気まぐれでまたシナリオを用意しました。このシナリオも昔D&D3e用でコンベンションで使用したシナリオをゴブスレように調整したものです。ラスボスすら全く違うので別物になっていますが…

 相変わらずバランスは保証できません、あしからず。
 なお、このシナリオは斥候・野伏・魔術師のいずれかがいないと結構厳しいかもしれません。 


「竜眼草」


6/17更新
・記述漏れ修正
・若干ラスボスを弱体化

2021/4/7
・追記を一部加筆

▼  概要

 小さな村の裏山に住み着いたゴブリンを退治し、谷に生える薬草を採りに行くのが今回の依頼です。
 特に複雑な分岐もない単純な構成になっています。
 このシナリオは初期で作成したキャラクター向け3~5人用に作ってあります。

因果点:初期3を推奨
1人もTRPG初心者がいない場合は5~7


▼  導入

 たまたま掲示板に張ってあって手に取った依頼だからと現地へ行ったものの、これまた小さな村へ来たものです。酒場も宿屋もありません。細々と農業や畜産業で養っている程度です。

 君たち一党が受けた依頼は以下のようなものとなっています。



・  場所
ヘンリ村

・  依頼人
アン

・  依頼内容
山を越えた場所に生えた薬草の採取

・  報酬
1人当たり銀貨10枚



 PC一党が村に到着すると、依頼主のアンが出迎えます。

 彼女は目的の薬草「竜眼草」を取ってきて欲しいとお願いします。この草はこの村の裏山を越えた竜の谷と呼ばれる所に生えているのですが、山の山頂を超えるのは危険を伴うため、今までは山の中腹に昔から掘ってある石造りのトンネルを通り抜けて谷へ行っていたそうです。

 ところがそのトンネルに半月ほど前からゴブリンが何匹か住み着いて通れなくなっています。今のところ住み着いたゴブリンは村に直接危害は加えていないのですが、いつ村に襲ってくるかも判りませんし、なにより薬草採りに行けないのが大きな問題です。

 依頼主のアンには病床の母親がおり、その母親に薬を飲ませるために定期的に「竜眼草」を採取しにいかなければなりません。なお、今回の依頼の報酬は村の人たちが出し合って用意してくれたものです。依頼主はアンですが、村人にとってもゴブリンは脅威だからです。

 アンは竜の谷へは自分で行ったことがないので、詳しいことは判らないといます。ただ、目当ての竜眼草の手持ちのサンプルを見せてくれます。

 PC達一等はこの竜眼草をPCの人数×2株持ち帰ることが目的となります。





▼  石の隧道

 山の中腹までの道のりは村人で樵(きこり)をしている者に案内してもらえます。ただ、樵が付いてくるのは、中腹にある古いトンネルの付近までです。このトンネルの奥にはゴブリンが住み着いているとのことです。

 もし、この樵に竜の谷の状況について聞いた場合、危険なモンスターはあまり見ないが以前から時々蔦縄(ローパー)が現れるし、時々大きな個体もいるから注意はしておいたほうが良いと警告してくれます。



 トンネルには所々に明かりをつけるための燭台が設置されていますが、今はゴブリンが住んでいるため当然明かりはついていません。

 トンネルの長さが100m程、幅が10mほどのかなり大きなトンネルで、壁も床も石で補強されています。博識判定(知力集中+魔術師レベル+【博識】によるボーナス)で目標値12に成功することで判りますが、このトンネルは古い時代に軍事利用されていたらようです。人力で掘るのはかなり困難であり、魔法の力によって掘られたのでしょう。



 少し進むと、ゴブリンたちに遭遇します。少なくともこちらが灯りを灯しているならば不意打ちはできませんが、相手もさほど警戒しておらず不意打ちされることもありません。もし、PC一党が全員【暗視】能力を持っており、灯りをつけていなければ、全員が隠密判定(技量集中+斥候or野伏レベル+【隠密】によるボーナス)で目標値10に成功すればゴブリンに不意打ちをすることができます。

 ここに住み着いているゴブリンは今のところそれほど好戦的ではありませんが、それでも武器を持った冒険者を見れば襲い掛かってきます。

 ここにいるのはゴブリン×PCの人数と同じ、ゴブリンアーチャー×PCの人数と同じ

です。ただし、全員モブで、半分以下に減ったらモラル判定をして失敗すると逃走を試みます。

 ここで逃走したゴブリンはもうこのシナリオでは登場しません。

 ゴブリンたちが住処にしているあたりは食べ残しなどでかなり汚れて強烈な腐臭が漂っていますが、探索するなら探索判定(知力集中+斥候or野伏レベル+【隠密】によるボーナス)で目標値12に成功した人は銀貨を1d6×5枚と下記の武器を1つ見つけ出すことができます。ただし、探索を行なった人は体力抵抗判定(体力反射+冒険者レベル+【免疫強化】によるボーナス)で目標値12に成功しないと吐き気を催して1点消耗します。根気良く探すなら1人2回までは探索判定に成功すれば銀貨と武器を発見できますが、体力抵抗判定も必要です。3回目以降は成功しても何も見つからず吐き気を及ぼす体力抵抗判定のみです。

 見つけ出した武器は、1d6を振り、1なら短剣、2なら小剣、3なら投斧、4なら投槍、5なら長傘、6なら矢10本です。



▼  竜の谷

 石の谷を抜けるとそこは絶壁になっており、崖に沿って谷の下へ降りるための古い階段があるのですが、谷底から高さ10mほどのところから崩れており、そこからはロープで降りるように縄が垂らされています。ただし、この縄を良く調べると観察判定(知力集中+斥候野伏レベル+【観察】によるボーナス)で目標値12に成功すると、ロープが古すぎて途中で切れる危険性があることが判ります。

 ロープを使わずに降りる場合の登攀判定は目標値10(+装備などによる修正)、ロープで降りる場合は目標値6(+装備などによる修正)ではあるものの、自分たちで用意したロープなら大丈夫ですが、備え付けの古いロープではこの登攀判定で出目が5以下を出すと大失敗となり、ロープが切れて真ん中あたりで落下してしまいまいます。

  もし、ロープが切れて落下してしまった場合、5mの所から落ちるので、3d6点の殴ダメージ(装甲値無効)のダメージを受けます。軽業判定(技量集中+武道家or斥候or野伏レベル+【軽業】による判定ボーナス)で目標値15に成功すればダメージを半分にする事が出来ます。


▼  谷底

 谷底にはあたり一面膝ほどの草が生い茂っています。目当ての竜眼草はこの草原の中にあるようです。草むらの中から目当ての薬草を見つけるには、以下のいずれかの判定を行います。



 生存術知識判定(知力持久+野伏レベル+【生存術】によるボーナス)

 博識判定(知力持久+魔術師レベル+【博識】によるボーナス)

 農業知識判定(知力持久+【職業:農業】によるボーナス)

 見本と同じものを見つけ出す判定(知力持久+野伏or斥候レベル+【観察】によるボーナス)



 「薬草を探す」宣言をし、いずれかの判定で目標値15に成功したPCは1株発見することができます。探す判定をして失敗したPCは疲れて1点消耗します。
 大成功すると2株発見できます。大失敗すると1d3消耗します。

 一度でも発見したPCは竜眼草の見つけ方のコツをつかんだことにより目標値が12に下がります。

 この薬草を探す判定で1回目に誰も成功できなかった場合は因果点を3点支払うことで、神の導きにより1株なんとか発見できます。この際、最も達成値が高かった人(複数いれば対象者全員)がその株を見つけたものとします。これにより見つけた人もその後の判定の目標値は12になります。
 ただし、本来は失敗しているので全員消耗は発生します。



 薬草を見つけて収穫に夢中になっているとあたりがガサガサと動きます。いつの間にか蔦草の群れの中に紛れ込んでしまっているのです!

 目標数を探すのに成功し、採取しようとした時点で、そのターンに探すのに成功したPCとその時に辺りを警戒しているPCは蔦草と近接距離状態になります。もし、薬草を探す判定に失敗したPCや何もしていないPCがいればそのPCは2d6×6m離れた場所にいます。

 この場所は下草が茂っており、走ると脚が絡まって転倒する危険があります。走るなど移動力mを超える移動を行おうとする場合、

無理矢理進む(体力集中+冒険者レベル)
下草の少ない場所を見極めて進む(知力集中+冒険者レベル)
軽やかに飛び越える(技量集中+武道家or斥候or野伏レベル+【軽業】による判定ボーナス)

で目標値8に成功しないと、移動力mまで進んだところで足が引っかかって転倒してしまいます。
(この判定では移動力×2mまでの移動をする場合は-4、移動力×4mまでの移動をする場合は-8のペナルティを受けます)

 辺りを警戒していたキャラクターが1人もいない場合、蔦草の群れの不意打ちを受ける可能性があります。(1人でも辺りを警戒していれば不意打ちは発生しません。)第六感判定(知力反射+野伏or斥候or精霊使い+【第六感】によるボーナス)で目標値10に失敗すると不意打ちを受けます。



 登場するモンスターは「蔦縄×PCの数」と「草竜(グラスドラゴン)1体」です。この草竜はドラゴンではなく、あくまで蔦縄が生長してまるで竜の姿のように変化した変異種です。会話はできませんが低いながらも知能も有しています。



草竜(グラスドラゴン)  3lv

生命力:30 呪文抵抗力:13(2d6+6) 分類:植物

移動力:10 先制力:2d6-1 知能:低い モラル:8

攻撃 蔓の鞭  タイプ:近接 射程:なし

達成値:14(2d6+7) 威力/属性:3d6/殴

もしくは

噛み付き  タイプ:近接 射程:なし

達成値:15(2d6+8) 威力/属性:2d6+3/斬

防御 回避:11(2d6+4) 盾受け:なし 装甲値:0(外皮)

支援効果:ボス1体の回避値に+2する/射程5m

特殊能力

ボス(統率者5)統率できるのは蔦縄限定

「迂回攻撃」/蔓の鞭での攻撃は「受け流し」効果を適用できず、盾受け判定に-4ペナルティを受ける。

「締め付け」/達成値[13(2d6+6)]/主行動で使用する。近接の対象1体は回避判定(技量反射)を行なう。失敗すると巻きつかれ、ラウンド終了時に1d6+3ダメージ(装甲値無効)
 巻きつきは自動継続し、対象が自分の手番で締め付けの達成値を目標値とする脱出判定(体力集中)に成功しなければならない。一度に1体しか締め付けを行う事はできない。

「丸呑み」/達成値[14(2d6+7)]/蔓の鞭か噛み付きの攻撃が命中した対象は体力抵抗判定(体力反射)を行なう。失敗すると飲み込まれ、ラウンド終了時に「1d6」点負傷し、草竜の負傷が「1d6」点回復する。丸呑みは自動的に継続し、対象が自分の手番で脱出判定(体力集中)に成功しなければ抜け出せない。同時には1体までしか丸呑みできない。この能力はボスの時しか使用できない。

「群がる触手」/蔦縄の支援効果を1体受けているごとに締め付けの達成値とダメージが+1される。

「花粉のブレス」/主行動で使用。自分の周辺に半径5mの範囲内に花粉を撒き散らす。この花粉を吸った者は目標値15の体力抵抗(体力反射)の判定を行ない、失敗すると体が不調になり1d3点消耗する。この効果は呼吸をしない者や植物には効果がない。この能力は1日に1度しか使用できない。


補足
 もしかしたら、PCは戦闘中に足元の竜眼草の採取をした後、逃走を試みようとするかもしれません。その草竜に襲われているキャラクターがいる位置から崖の下までの距離は2d6×6mです。
 《脱出》の呪文を使用するか、因果点を3点払えば崖の下までは自動的に逃走に成功しますが、草竜は追いかけて来るでしょう。
 草竜の移動力は遅いものの移動力×4mまでは走行移動できます。また、草竜はPC達のように足を躓いて転倒することはありません。
 この場合、崖の下までPC達がたどり着いた状態から再び仕切り直して戦闘を始めます。
 《脱出》の呪文や因果点では2度目の逃走は出来ません。ただし、飛行や浮遊するなどの手段で素早く全員が崖の上に行く事が出来れば倒すことなく完全撤退する事が出来ます。(怪物をその場に残す事になるので、その後の薬草の採取が困難になる可能性がありますが…)


▼  帰還

 草竜を倒して必要な数の竜眼草を持ち帰れば依頼達成です。アンの母親も今しばらくはこの薬のおかげで治療ができるでしょう。1人当たり銀貨10枚の報酬と経験点を1000点、3点の成長点を獲得します。

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