2019年6月25日火曜日

2d6のシステムなのになぜ修正値の幅が大きくて成り立つのか

 ソードワールドも2d6のシステムですが、以前から2d6のシステムで判定修正値が2も差があったら話にならないと言われたりして来ました。
 ところがゴブリンスレイヤーTRPGは2どころか武器の命中差が武器によって4以上も差があったり、能力値の判定基準値にも4以上差があったりします。こんなに差があってゲームとして成立するのか自分も疑問でした。


 そもそもなぜ2d6のシステムで判定修正値が2も差があったら話にならなかったのか考えると、原因が判ります。
 役割分担が明確で専門家が判定する、PCが強くなると目標値も同じように上がっていくという事が当たり前なら、専門家が判定しても成功するか失敗するかというところでゲーム性を出そうということになります。
 この方法の場合、GMが設定する目標値は想定される判定基準値の上限に近い所でゲームバランスを取ろうとします。

 ゴブリンスレイヤーTRPGは専門家でなくとも判定できますし、低レベルの頃は技能レベルより能力値の方が影響が大きかったりします。
 判定基準値が5以上違うのに2d6のシステムでゲーム性を成り立たせるなら、得意な人は1ゾロ以外失敗しないくらいの値にしないとある特定の判定によって起こり得る達成値の中央値が目標値と同じくらいになりません。
 (目標値は能動的な判定は冒険者Lv+10±2、受動的な判定は冒険者Lv+12±2位が妥当でないかと思われます。)

 実際に運用するとなると以下のようになります。
 
 命中判定の場合、さすがに低レベルでは命中の低い武器は推奨しませんが、レベルが上がれば用途があります。ある程度レベルが上がっても比較的回避値の低い敵と戦い続けるこのシステムの場合、命中を自分で下げて複数の敵を倒したり、強敵だが普通に当てられる敵に斬落を使って大成功による痛打を狙うという戦い方も選択肢として出てきます。
 命中の高い武器で当たるかか当たらないか瀬戸際の勝負で戦う敵は一流の戦闘職にとってはそれほどありません。(実際に限界ギリギリ回避値の高い敵を用意すると、消耗などで判定基準値が下がった場合に全く当てられなくなって事故が起きます。判定基準値は良く下がりますが上げる手段はあまりないのです。)
 
 罠の場合、PLの宣言なしで自動的に罠発見の判定をGMがさせるのではなく、罠がありそうな演出をしたうえで、PLが「その場所の罠を探す」といった宣言をして初めて探索判定をさせます。この目標値は低めで良いのです。
 「罠を探す」と宣言した時点で高い確率で罠が見つかることになりますから、何もPLの宣言なしに罠を探す判定をさせては楽しくなりません。

 受動的な判定の場合、悪路の強行軍することによる体力持久+冒険者レベル+【長距離移動】によるボーナスといった判定で目標値13で、失敗したら1d3消耗といった場合、初期キャラ・固定能力値ですと只人なら基準値9、森人なら基準値3となり、只人なら運が悪くなければほぼ成功しますが森人ならなかなか成功しません。運ゲーという訳ではなく最初から只人なら成功するが森人では困難な事を想定して用意されている判定です。


 結局のところ、何をしたいかをPLに判断してもらう代わりに全般に比較的低い目標値で設定すれば2d6判定で判定基準値に大きな差があってもゲームとして成り立つという事です。もし、2d6で7~9くらいを出す事で成功するように目標値を設定してしまうとPL達はより成功率を上げる事ばかりを考える考えるようになってしまうものです。
 目標値が冒険者Lv+10±2というのは能力値5、2d6の出目5というのを基準にしています。「判定能力値が高い」「職業Lvが冒険者Lvより高い」「対応する技能を持っている」が揃っていれば楽勝、どれも足らないとかなり厳しい、そんなバランスで目標値を設定すれば良いのではないかと考えています。

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