2021年10月18日月曜日

全てのイベントを筋肉で解決

  コブスレTRPGはシステム的にシナリオがダンジョン探索ものになりやすく、何も考えずにシナリオを作成すると戦闘以外の行動のほとんどが職業に関係ないか、冒険者レベルを使用するものか、斥候・野伏レベルを使用する判定ばかりになってしまうという事が起こり得ます。

 戦士・武道家のみを使用する判定は怪力判定・脱出判定、魔法遣い系全般は怪物知識判定、魔術師は文献調査判定・魔法知識判定、神官&竜司祭は神学判定、精霊使いには残念ながら専用と言える判定はありません。追加の死霊使いも礼儀作法や死者に対する交渉判定くらいです。

 斥候・野伏以外を活用するためにはこれらの判定をシナリオに意識的に組み込む必要があります。ただし、絶対に組み込まなけばならないのは戦士・武道家用だけで呪文遣い系の技能判定は必須ではありません。というのも非戦闘用便利呪文は使い方次第で斥候・野伏の代わりとなる切り札として使えるため、こういった呪文を取得していれば探索中も見せ場が作れるからです。

 戦士・武道家技能を使用する判定は怪力判定・脱出判定なので、ダンジョン探索シナリオであるなら「鍵が壊れた扉を蹴破る」「崩れ落ちて埋まった場所を掘り返す」「狭い場所を無理矢理通り抜ける」といったイベントが適当でしょう。実の所こういった行為の多くは他のシステムでは時間さえかければ判定無しでも認められる行動が多いため、口プロレスで判定せずに解決しようと試みるPLもいるかもしれません。しかし、このシステムでは戦士・武道家の見せ場でもあり消耗させる手段でもあるので、その行為によってどれくらい消耗するかを判定させる必要があります。


 例えば『壊れた金属の扉を破壊する』という判定を次のように設定します。まず、1回の判定するごとに1点消耗するとします。(大成功なら消耗なしとしてもよい)

 例えば5レベルパーティのシナリオの場合、怪力判定の目標値は「5(能力値)+5(冒険者レベル)+5(ダイス目)+1(技能などによるボーナス)」=16

 しかし、これだと1回の判定で突破できてしまいます。そこで、判定に失敗した場合(大失敗でなければ)次回以降の目標値が-2されるとし、4人パーティで5回目に成功する位を想定し、目標値を24と設定します。戦士・武道家がいないパーティですと職業ボーナスが無いので2~3回ほど余分に判定が必要になるでしょう。

 この判定では何度も判定をするのが面倒な場合は、達成値が目標値に満たない場合は1消耗するごとに達成値を+2する事が出来る、というような一括処理で行っても良いかもしれません(ただし特定の人だけが消耗する事になりますが…)

 物を破壊するという行為の場合、武器攻撃や呪文によるダメージでも破壊可能ではないかというPLからの意見も出そうですが、構造物を破壊する行為は技能判定で表現するものとし、構造物を破壊する効果が記述されたの呪文や武技でない限り有効ではないとしたほうが良いでしょう。


 極端な話、すべてのイベントを(最適解ではないとしても)戦士・武道家レベルで突破できるような作り方をしても全然問題ないかもしれません。それくらい斥候・野伏の方が使用頻度が高いシステムになっているからです。

1 件のコメント:

  1. 筋力軸は戦闘で能動的に使うことがほとんどない(移動妨害や一部の武技くらい)なので、道中の判定で積極的に使ってもらう設計にしなければとは私も常々悩んでいました
    というのも、筋力で判定させるにはどうにもギミックが単調になる気がしていたのですが、記事の通り筋力で代用できるとするのも一つの方法ですね(もちろん本業よりは厳しい目標値にする必要はあるかもしれません)

    サプリ環境ではヒューマンファイターは激強になってしまったのでそこまで配慮しなくてもいいかなとは思いつつ、やはりPLが暇な時間はなるべく減らすようにしたいものです

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