2020年8月1日土曜日

ハマオモトヨトウ

 ハマオモトつまりハマユウを食害するヨトウムシで、ハマユウ以外にもアマリリスやマユハケオモトのような夏緑性のヒガンバナ科の大害虫です。

 じつは比較的内陸である我が家で見られるようになったのは10数年前からで、それまでは全く見られなかった暖地の海岸に生息する比較的少ない虫だったみたいですが、この辺りでは昔の田舎の家なら結構植えてあったインドハマユウを球根まで食べて枯らしてしまうため非常に困った虫です。
 最近ではこの害虫のおかげでしょうか、インドハマユウはほとんど庭先で見ることが出来なくなってしまいました。
 一般には食草を完全に食べつくす虫というのは無いのですが、ハマオモトヨトウは食草を全滅させてしまう自滅的な生態のために地域的には希少になっているのだと思います。

 この虫はネットで調べれば判りますが、非常に毒々しく、しかも群れになってハマユウの薄皮の下に潜って食害するため、上から散布する殺虫剤をかけても死にません。
 現在では6・7・8月に年3回発生するので、オルトランの粒剤を植物に定期的に撒いておくことで対策しています。殺虫剤抵抗性は今のところあまりついていないようです。

 先日確認したのは、この幼虫は泳ぐことが出来るという事です。一般的な芋虫だと水に落ちると暫くじたばたしていてそのまま死んでしまいますが、ハマオモトヨトウは背中を上にして安定して浮くことが出来、屈伸運動で水の上を泳ぎます。しかもかなり早いスピードで泳ぎます。
 元々海岸に生息する為に、海に落ちても復帰できるような生態をしているのではないかと個人的には考えています。

 海のない長野県でも最近は発見されているようで、温暖化の影響を感じられる生物だと思います。大事な植物を全滅させてしまうので、見つけたらすぐに対処したほうが良いです。

1 件のコメント:

  1. 愛知県瀬戸市の我が家にも数年前から現れました。1、2匹だった最初は名前も知らずきれいな芋虫と放置していましたが、彼岸花類がどんどんやられ始め、今日12月6日には日本水仙の花を食い荒らしていました。
    オルトラン水和剤で対処していますがなかなか根絶できません。

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