TRPGのバランスを取るうえで最大の鬼門は召喚・支配・創造系の特殊能力です。
要因①
基本的にTRPGは1プレイヤー1キャラクターを操作して遊びやすいように調整されているため、大半のシステムでは自動成功やクリティカルのようなものが1キャラクター前提でのバランスに設定されています。ですから、複数キャラクターを使って大量に判定すれば高確率で自動成功やクリティカルが発生してしまいます。
要因②
大半のシステムでは召喚・支配・創造は作り出すのにはリソースを消費しますが、消費したリソース以上の新たなリソースが生まれてしまう事が多いです。
要因③
召喚や創造系の場合、自分の本来のキャラクターの特性とは異なる能力を使用できるため、他のPCの見せ場を奪ってしまうという事が多々あります。(PCは後衛なのに前衛の役割も果たせてしまう、等)
要因④
操作キャラが多くなっても人間の処理能力が上がるわけではないので、単にプレイ時間が長くなります。(しかも、特定のPLだけがプレイ時間を占有してしまう)
要因⑤
多くのシステムでは召喚や支配した存在を失う事のデメリットがほとんどありません。
要因⑥
特に上方無限ロールのシステムでは、PCより召喚や支配した者の判定基準値が低い場合は全く役立たないという事になりがちです。そこでPCと同じくらいの判定値が出せるように調整すると今度は上記の他の要因のため便利過ぎてしまいます。つまり、僅かな判定基準値の差でゲーム性を生み出すシステムでは根本的にバランスが取れません。
召喚・支配・創造系を好むPLは無意識でしょうがこれらのゲーム的な問題点を理解した上で使用しているので、ルール的に存在する以上GMとしてはどうしようもなかったりします。
まぁ対策はあるのですが、露骨になりすぎますので…
補足なのですがゴブリンスレイヤーTRPGの《分身》の調整法として、公式見解に従った上で分身が消滅した時(持続の終了、ダメージや消耗よる消滅、新たな分身を作ることによる更新)にバックファイアとして術者本体が1d3+1点消耗する、というルールをつけるという方法も新たに提案してみます。意識がリンクしているのであればダメージを受けて消えるような衝撃なら本体にも反動があってもおかしくないでしょうし、長時間複数の体を操作するには精神力を消耗しても不思議ではないです。
怪物の場合、消耗ルールが無いのですが消耗1点につき2d6ダメージと扱い、分身を倒すと最大8d6点のダメージを本体が受ける可能性があります。
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