2022年12月17日土曜日

日本におけるバラの今後

  あくまで個人的な立場と視点に於いての考えなので、「いや、そんなことはない!」と思われる方も当然いるという事を予め釘をさしておきますが…

 バラは基本的にヨーロッパ発祥の文化という事もあって、ヨーロッパの方向性に影響を受けやすいです。現代のヨーロッパのバラの流れは耐病性とメンテナンスフリーといったいわゆるSDGs的な方向性が非常に強いです。屋外での農薬の規制が日本より厳しいため、そうせざるを得ないという事もあります。その影響で日本でもバラ業界の先端を走っている方の考えも同じ傾向になっていると思います。でも、日本でも同じようにこの方向性が直ちに流行るかどうかというと…少々疑問が残ります。要因は3つ。

 一つは、日本人の嗜好の問題。なんだかんだ言っても日本人は見た目で判断する傾向が強く、野菜でも農薬を法律の範囲内であれば使って綺麗に作ったものの方が無農薬で見栄えが悪いものより売れる、というのが現実です。耐病性重視で見た目が今一つな花より、農薬を使っても美しい花の方が売れるでしょう。店頭では耐病性重視であっても見映え重視であっても、プロの生産者は綺麗に作ってきますので。

 もう一つは、耐病性重視は大量の数を育てる公園などの管理するうえでは非常に重要な要素ですが、それは管理のプロにとっての問題であり、1鉢2鉢買うだけの一般消費者が買うかどうかにおいてはあまり関係がない事です。そして日本でバラ(の苗木)の消費の大半が個人消費です。

 最後に、ヨーロッパでの耐病性重視が日本では通用しない事があるという事です。気候や環境が違うため、病気に強いのが売りの品種がヨーロッパでは問題とならない別の病気に弱い事があります。


 耐病性の高い品種は消費者だけに限らず生産者にとっても都合が良いので今後重要なファクターになるとは思いますが、あくまで花の見映えや香りといった今までバラに求められていた要素に加えて求められる追加要素というだけであって、それが最優先される事ではないかなと思います。

 …まぁ、競争の激しいアイドルや声優業と何ら変わらないと思うんですね。

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