公平感でバランスをとるのが一番幸せになれるのではないかと思ったりもしたものですが、公平感によるバランスをとるのには致命的な問題点がありました。
Aの人は無欲で、Bの人が非常に強欲な場合、公平感でバランスをとるならA:B=0:10に割り振るのがもっともバランスが良いなんてことになってしまいます。そんな馬鹿な話はありません。
公平感でバランスをとるためには少なくとも全員の価値観が近いという前提条件が必要となります。例えば多数派の意見が優先されるという価値観が浸透している社会であれば公平感でバランスをとる事が可能ですが、多様な価値観を尊重するのであるならば公平感でバランスをとる事は不可能で、不満があろうが全員が平等でなければいけなくなってしまいます。
公平感によるバランスは価値観の近い同士が集まった(少人数で合意が出来る)場合でのみ有効な手段となり得ます。
恐らく多様性社会では自分とは異なる価値観を尊重しなければならない「外の社会」と価値観に近い人同士だけの集まりである「内の社会」によって全く違う行動原理に基づいて行動する必要があり、ダブルスタンダードを場に合せて切り替えられる能力がより求められるのではないかと思います。
近年のSNSで度々起きる問題は、匿名掲示板全盛時代の「内の社会」の感覚のまま「外の社会」であるSNSで発言してしまうからでしょう。SNSにはブロックやミュートという機能はあるものの、自分の身を護るためには能動的に使わなければいけない為に「外の社会」なのです。
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