残念なことに復興の象徴である陸前高田の松は枯れてしまったようだ。幸いその木の種から発芽したようだし、接木も成功したようだ。
少し気になったのは、新聞の記事によると接木した台木(根の部分)が赤松であると言うこと。赤松は元々山の木なので塩類に弱く、海岸の防風林には向かない。生き残った木は合黒松(赤松と黒松の自然交配種)だそうなので海岸でも良いのだが、塩気の多い海岸に植えるなら黒松に接木しなければいけないと思う。
自分も松の接木は毎年1000本以上しているので分かっているが、松は接木した小苗から次の接木が出来るようになるのに5~6年はかかる。接木の成功率を上げるにはそれなりの下準備をしておく必要があるので、生き残った松の接木苗を植樹が出来るようになるには10年かけるつもりの方が良いだろう。
実は、名古屋デザイン博跡地にある白鳥庭園の赤松が何回植えなおしても数年経つと枯れると言う相談を父が受けたことがある。そこには松島をイメージした場所があって赤松が植えてあるが、白鳥庭園は元々海だった場所なので下のほうには塩分があり、植えて数年たって根付いて直根が走ると塩を吸って枯れるようだった。
松島はリアス式海岸で海辺に赤松がある例外だと思わなければいけない。
こんなブログを関係者の方が見ることは無いとは思いますが、もし見ることがあったら、赤松に接木した苗を海岸に植えようと早まらない方がいいと思います。遠回りでも黒松に接木しなおしてから植樹することをお勧めします。
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