2018年2月17日土曜日

すべてのジャンルはマニアが潰す

 趣味を扱う世界では知られた発言ですが、自分も全く同感です。というか、この発言の事つい最近まで知らなかったのですが、自分もまさに同じことを前々から感じていました。
 マニアの発言力は強いですし、すべての客の要望だと勘違いして提供する側も引っ張られがちになりやすいのです。それに長年同じ趣味の世界に身を置くとその娯楽を提供する側自身がマニアになってしまうという問題が起きます。
 マニアの何が問題かというと、彼らは上しか見ないことです。趣味の世界はピラミッド構造になっていて、マニアはその頂点にいます。新規ユーザーを排斥して足元を見なくなったマニアだけになった趣味は残念ながらいずれ崩壊するのみです。とはいえ、マニアの存在は必要でもあるのです。マニアの存在は新しく入る人たちのあこがれであり、当面の目標であるからです。

 一方で、個人的には相反する考えとして、「趣味自体が合理的な行為ではない。合理性を求めすぎると見放される」という考え方があると思います。近年はどんどん合理性や経済性を追求する時代になってしまったのですが、趣味の世界で業界がこれを求めると客に見透かされて醒めてしまうのです。とくに長年楽しんできたマニアは良く知っていますからすぐに見破られてしまいます。
 その娯楽を好きでもない人が提供する娯楽が面白くなることはないのです。一時流行ってもマニアが生まれないのですぐに廃れてしまいます。

 結局のところどうすればよいかですが、その趣味の世界で仕事をしている業界団体としてはマニアとの付き合いはほどほどに、新規ユーザーを大切にしつつ合理的ではない事業も行って、中堅クラスまで引き上げるサポートをする必要があります。
 ベテランの中で先生のような面倒見の良い人達がいる世界は比較的長続きしやすいと思います。そういった指導者的ベテランを育てることができれば安定するでしょうし、業界の立場はそこにあるべきだと思います。

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