2018年2月10日土曜日

パスファインダーショートキャンペーン -パルメシア騒乱 第三部 その2-

 準備を整えて、いざ嘆きの神殿へ。これが最終決戦の場となるだろう。
 神殿の入り口にはウィンターウルフ2匹とオーク6匹がいたが、これを奇襲する。ウィンターウルフにはインクィジターのクラスレベルが付いていたが、いかんせん火炎に弱いためハイヤテのファイアボールで一気に半分以上削られ一蹴される。結局クラス能力は大して生かされることが無かった。ちなみにオークはウォリアーなので大した事が無い(※1)。1匹のオークには逃げられるが、追跡するまでもなく神殿の奥からオークの哀れな呻き声が聞こえ静かになる。明らかに奥には何かいそうだ。
 慎重に神殿奥に進むと、ドラゴンとも馬とも言えない不可解な魔物が鎮座している。その周りには死んだオークと思われる血痕が広がっていた。知識判定で調べるとスレイプニルに似た魔物だと判るもそれ以上は判らない(※2)。プリズマティックスプレーブレスなどかなり危険なブレスも吐かれるが全員で確実に削り倒す。
 さらに奥に進むと、そこにはリチャードの伯父のナロンが部下のオークたちと共に待っていた。ナロンはリチャードに事実を語るのだった。

 遥か昔、この地はオークの王が支配していた。オークの王は勇猛だったが寛大な心の持ち主で、この地に住む人間たちと共存を図っていた。さらにはオークの王は信頼できる人間の女性を妃にしていた。王には神官の弟がいたが、弟は兄に忠実ではあったものの人間に対して猜疑心を抱いていた。
 人間が支配していた周辺諸国はオークから人間を解放しようとこの地に軍隊を派遣した。勇猛なオークたちは善戦したが、オークの支配が気に入らない人間の住民の裏切りによって敗北してしまった。彼らは古くからこの地にある神殿に立てこもって最後の抵抗をしたが全滅した。オークの王は戦いで命を落としたが、神官の弟はこの神殿の奥で発見した祭壇での儀式によってリッチとなって生き延びた(?)のだった。
 オーク王の妃ら最後まで残った人間は連れ出されてこの地を去った。だが、妃は王の子を身ごもっていた。この地はしばらくオークはもちろんの事、ハーフオークもを忌み嫌う人間たちによって治められていたたため、オーク王の血を引くものはこっそりと暮らしてしていたのだった。
 いつしか時が過ぎ去ると、ハーフオークへの迫害も次第に薄れていったが、オーク王の血を引くものもその血筋を忘れつつあった。
 この国に仕官したナロンは偶然にも歴史書からその事実を知ったのだ。そしてナロンやリチャードこそがそのオーク王の血を引く者であった。
 ナロンは歴史書に載る嘆きの神殿へ行き、神殿地下奥でオーク王の弟を蘇らせるがオーク王の弟は自ら王になるつもりはない。兄の血を引くもの事が正当な王だと。考えた末、ナロンは自らが王になるのではなく、現王家の血を引くリチャードを王にしようとしたのであった。現王とシャーナ姫がいなくなれば必然的にリチャードに順番が回ってくる。リチャードを英雄に仕立て上げることで周辺諸国にも認められる正当なオークの国を作ろうと画策したのであった。
 

※1:オークはウォリアー9レベル。公式ルール上の脅威度は7なのだが、以前書いたようにNPCクラスはレベルが上がるとPCクラスに比べかなり弱いので、PCクラスの3/4レベル相当として扱っている。装備も減ったPCクラスレベル相応のNPC装備をさせている。今回であればPCクラス6レベル相当(9レベルの3/4は6.75の端数切捨てで6とかなり反則臭いが)なので脅威度5。さらにPCのパーティレベルが10で脅威度との差が5あるので、このハウスルールに従い実質脅威度は4として扱って敵の数を用意している。

※2:ハーフドラゴンスレイプニル

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