2022年12月10日土曜日

大コミュティと小コミュニティ その1

 D&D(正式にはAD&Dですが)の3e~4eは原則世界統一ルールで非常にルールが細かく厳密なものが多かったですが、これはネットの普及により離れた人ともルールを共有して遊ぶ機会が増えたから、という事が大きかったと考えられます。(AD&D2ndはもっと複雑怪奇なところがありましたが、選択ルールも多くルールを公式が統一するという感じでは無かったです。)

 それに対して5eは結構選択ルールが多くDMの裁量が強い傾向にあるのは、コボルドのRPGデザインでモンテ・クック氏が語っている内容からしても確かです。

 ゲームバランスはどんなに頑張っても遠く離れた場所にいるデザイナーが取ることは出来ない。バランスをとる事は目の前にいるDMでないと無理。

 というような内容を書いており、これはシステムにしてもシナリオにしても結局DMがPL達と一緒に楽しもうという意思がない限りバランスはとれないという意味だと思います。


 基本的に3eや4eは大コミュニティで楽しめるように構築されています。大コミュティの中には様々な価値観の人が存在する為、ルールによって厳格に処理しないとトラブルの原因になります。しかし、厳格になればなるほど不自由になりストレスも溜まりやすくなります。この遊び方はいくつかの問題点があるという事に加え、オンラインゲームなどの台頭でTRPGでわざわざする必要が薄れてしまったといえます。そこで原点に返り、卓内という小コミュティにおいては卓内の仲間同士が納得出来ればルールを厳格に処理する必要もないしその方が楽しめるのではないか、というのが5eの方針だと感じます。

 小コミュ二ティであるためには、「価値観が似通った人たちの集団」「価値観の合わない人をコミュニティから排除することが出来る」といった一種の家族や村社会のような形態でなければいけません。そういった集団では全員が納得できるのであればルールは曖昧で流動的でも問題なく、その方がルールで束縛されているよりストレスは溜まりにくいのです。夫婦喧嘩は法廷で決着させるものではありません。今後も一緒に生活するためには夫婦の間で話し合って互いに納得するしかない、D&D5eの方針はこれです。


 そういえば、度々SNS上ではTRPGの学級会(まぁなんというか…決着のつかない話)が起きますがまさにこれで、夫婦喧嘩を家族でもない部外者があーでもないこーでもないと論じているだけなので、結局トラブルが起きた当事者同士で話し合って解決方法を考えるしかないです。そして価値観が合わないもの同士であればもう一緒に遊ばない方が幸せだと思います。小コミュニティの問題を大コミュティで解決する事は出来ません。

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