2020年2月16日日曜日

善良なゴブリン問題の本質

ふと「善良なゴブリン問題」の本質を考えたのですが、表面的な倫理的な問題ではなくGMとPLが異なる考え方を持っている時に発する思想的な問題だと思われます。

 根本的に「善良なゴブリン問題」のような問題提起やジレンマを生み出すシナリオを好むGMはたいてい自分のなかでその問題提起に対して「こうあるべき」といった考えを持っており、PLが自分と考え方が違う行動をした場合に気に入らないために問題となるのだと思われます。GMとPLの考え方が似ていれば例えそれが社会一般的にマイノリティであっても問題は起きないわけですし。

 したがって、ジレンマや問題提起をするようなシナリオを用意した場合、GMはPLがたとえ自分と全く考え方の異なる思想に基づいた行動を行ったとしてもそれを受け入れる寛容さがないといけません。
 また、PL間で考え方が割れてもめてしまう可能性もあります。その場合はNPCからの助言という形をとったり、強制的に話を進めるイベントなどを用意してPL間の揉め事を解決する道筋を用意しておく必要があります。

 ただ、TRPGは娯楽ですからそんな問答のようなマスタリングをわざわざする必要は無いでしょう。普段からPL達の性格や考え方を十分に知った相手に対してであればこういった問題提起やジレンマを生み出すシナリオもアクセントとしてはありでしょうが、相手の性格の判らないコンベンションや見知らぬ人を相手としたオンラインセッションでは問題ができる限り起きにくいシナリオ作りをするほうがよほど建設的です。


 自分とは異なる考え方の存在を受け入れるというのは容易なことではありません。ですが、世の中には自分とは相生れない考え方を持った人は必ず存在しますし、そういった人とうまく共存できる妥協点を見つける術は身に着けておいて損はありません。

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