2018年6月12日火曜日

ゲームバランスと社会の歪み

ゲームは皆が公平に楽しめるように作られています。作られているというよりは、出来が良いとされるゲームは試行錯誤の上バランスがとれ、不公平感が無いように調整されてきたと言えます。

一方で現実社会は昔よりもより不公平な世界になっている気がします。
例えば、ゲームの中であれば、命中率100%ダメージ90と、命中率90%ダメージ100であればどちらを選ぶでしょう。期待値は同じですが、ほとんどの人が安定性のある前者を選ぶと思います。不安定というリスクを抱えている後者を公平だと感じてもらうには命中率90%ダメージ110といった調整が必要です。
ところが現実社会では「同一労働同一賃金」が叫ばれていますが、その考えすらゲームバランス的な公平感からすれば間違っています。安定性のある正社員と不安定でリスクのある非正規社員であれば非正規の方が若干高いくらいで無ければ公平とは感じないのです。

日本でも高度経済成長期はこういった感覚的な公平感から賃金体系や税制が決められていたようですが、グローバル化、合理化、効率化といった新しい価値観になった現代は、多くの人が満足できる社会ではなく一部の勝者がより富を得るのに都合のよい体系こそがあたかも正しく公平であるかのように刷り込まれているような気がします。

なお、効率的で合理的な行動こそが正しいと思われている高難易度オンラインゲームで人間関係がギスギスになるところを見ても、真に効率的で合理的な生産活動は一部の人達を利するだけで多くの人にとって不幸しか生み出しません。

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