2011年11月22日火曜日

一元化の罠

実体経済を伴わない円高も、ギリシャの経済危機も、TPPの問題も、結局のところ金が政治を動かすほど影響力が大きくなったことが原因だろう。
 国際化が進み、あらゆるモノがお金という尺度で比べられ、お金さえあれば手に入れられるようになってしまった。全てはお金というものに一元化されてしまったからだ。一元化は多くの人にとって非常に明快で比較しやすい。何が得で何が損かをお金というモノで計ることができるからだ。
 しかし、見落としも多かったりする。

 TRPGでもしばしば同じような現象が起きる。TRPGにおいて多くのシステムでは「戦闘」を取り入れているものが多く、そして重要度が高い。重要度が高いがゆえ、どうしえも戦闘能力ばかり注目されてしまう。マスターの方も戦闘を重視するがため、ますます戦闘に重きを置いてしまう。当然、プレイヤー側も、戦闘偏重のキャラクターを作ることになる。
 結果的に、戦闘能力が高い=使える、戦闘能力が低い=使えないという一元化される構図が出来上がってしまう。本来なら戦闘以外にも探索や交渉などTRPGにはいくつかの要素があるはずなのに、それらの多くは無視されるか、あったとしてもわずかになる。折角、様々なキャラクターで楽しむ選択肢があるにも関わらず、その多くをマスター、プレイヤーともに失っていることになる。
 自分がまだTRPGを始めたばかりの頃、とある先輩の卓に参加した。どちらかというと戦闘が重視されるシステムだったし、まだ駆け出しだったこともあって、たまたま戦闘能力しかないようなクラスを選んだら、そのシナリオは謎解きのシティアドベンチャーでPC達より弱い敵を捕まえるというシーン以外全く戦闘が無かった(勿論、ボス戦もない)。正直、その時点では正直不完全燃焼だったが、この経験はその後のマスターをする上でとてもよい経験になった。 戦闘は重要だが全てではない、と。
 (ちなみに、その先輩はもともと戦闘シナリオをあまり好まない人だった。自分は参加していないが、ルールなし、キャラクターシートはメモ書き用の白紙のみのTRPGもやっている)

話は戻るがTPPの議論とか聞いて、推進派も慎重派(反対派)もどっちの言い分も肝心なことが抜けている気がしてならない。どちらも自分の利益しか考えていない。国益なんてそっちのけだ。

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